基礎生物学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 基礎生物学
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 改訂 生物(東京書籍)、改訂 生物基礎(東京書籍)、ニューグローバル生物(東京書籍)、スクエア最新図説生物neo六訂版(第一学習社)
担当教員 久保 響子

到達目標

生命の特徴、生物のはたらきを物理化学的視点からみるということを理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
タンパク質と細胞機能細胞機能をタンパク質の機能と結びつけて説明できる。細胞機能、タンパク質の機能をそれぞれ理解している。細胞機能、タンパク質の機能のどちらも理解が不十分である。
DNAと遺伝子DNAと遺伝子の関係性とタンパク質の機能発現を結びつけて説明できる。DNAからどのようにタンパク質の発現に結びつくか理解している。DNAとタンパク質の関連性の理解が不十分である。
生物多様性と進化生物多様性と進化の関わりを、遺伝子、個体、個体群、生態系などの各視点から説明できる。生物多様性と進化の関わりを、遺伝子、個体、個体群、生態系などの各視点から考えられることを理解している。生物多様性と進化の関わりについての理解が不十分である。

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
細胞機能、代謝、遺伝子のはたらき、生態、進化について学ぶ。1年次生物を基盤とし、4年次生物化学につながる。
授業の進め方・方法:
前期は遠隔授業形式とする。
講義と質疑応答により進める。随時クイズなどのワークを行う。
前期の中間試験、期末試験はレポート形式を予定している。
注意点:
範囲が広いので、予習復習による自学自習を求める。1年次生物での学習内容を復習し、受講に備えること。受講後は副教材の問題集により知識の定着をはかること。

事前・事後学習、オフィスアワー

予習用のプリントを配布するので、事前に学習し受講に備えること。適宜提出を求める。
受講後にはクイズに回答し、学習内容の定着を図る。
オフィスアワーは授業実施日の16:00-17:00とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生物の体を作る細胞・細胞小器官 細胞をつくる物質を列挙できる。細胞の基本的な構造を説明できる。真核生物の細胞小器官の形態と働きを理解している。
2週 タンパク質の構造と働き・酵素反応 タンパク質を列挙できる。タンパク質の構造を理解している。酵素の構造と働きを理解している。酵素反応の調節について説明できる。
3週 細胞間の相互作用とタンパク質 酵素以外のタンパク質の働きを例を挙げて説明できる。
4週 生命活動とエネルギー・呼吸と発酵 代謝、異化、同化についての概要を理解している。呼吸と発酵の類似点、反応の流れについて説明できる。
5週 光合成・化学合成・窒素同化 呼吸・光合成・化学合成のエネルギー獲得の仕組みについて共通点と相違点をあげて説明できる。
6週 体内環境 体液について理解している。心臓と血液の循環、主要な臓器の働きについて理解している。
7週 体内環境を維持する仕組み ヒトの自律神経系、内分泌系の調節について理解している。また関連するタンパク質の働きについて理解している。
8週 前期中間試験
1週から7週までの到達目標
2ndQ
9週 免疫 自然免疫と適応免疫の仕組みを理解している。
10週 免疫とヒト 免疫反応と病気についてその関連性を理解している。
11週 遺伝情報の流れ 遺伝情報の流れについて基礎的用語を理解している。セントラルドグマについて理解している。
12週 DNAの構造と複製
DNAの構造について説明できる。DNAの合成について理解している。
13週 遺伝情報の発現
RNAの種類について説明できる。遺伝情報の転写に着いて理解している。コドン表について理解している。遺伝情報の翻訳について理解している。
14週 遺伝情報の変化 様々な遺伝情報がどのような仕組みで変化するかについて理解している。
15週 復習 9週から14週までの内容の復習
16週
後期
3rdQ
1週 遺伝子の発現調節 原核細胞および真核細胞の転写調節について理解している。
2週 バイオテクノロジー
遺伝子組換えについて理解している。PCR法について理解している。
3週 バイオテクノロジー
DNAシークエンシングとゲノムプロジェクトについて理解している。遺伝子導入技術について理解している。
4週 生物の多様性と生態学 多様性にはどのようなものがあるか説明できる。多様性がなぜ重要なのか自分の考えを述べられる。
5週 個体群と生物群集 個体群と生物群集の中で起きることと生態系との関連性を理解している。
6週 個体間の相互作用・種間相互作用・多種共存 生物間、生物と環境との相互作用によってどのような生態系が形成されるのか自分の考えを述べられる。
7週 生態系の物質生産とエネルギーの流れ 生態系における物質の生産とエネルギーの流れの関連性と相違点を理解している。
8週 後期中間試験 1から7週までの到達目標
4thQ
9週 生命の起源 生命の起源と進化がどのように起きたかについて、主要な説を説明できる。
10週 生物の変遷 生物が環境の変化によってどのように多様化したか理解している。
11週 進化のしくみ 進化とはどのような現象か科学的に説明できる。
12週 遺伝子頻度とその変化の仕組み 自然選択や遺伝的浮動について理解している。分子進化の中立説について理解している。
13週 種とは何か・種分化 現在見られる種の多様性が生じた要因について様々なレベルから例をあげて説明できる。
14週 生物の系統 現在の生物の系統・分類について進化的背景を踏まえて理解している。
15週 復習 9週から14週までの内容の復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4
原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。3
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。3
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4前9
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。3前9
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。3
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。3
細胞周期について説明できる。3
細胞周期について説明できる。4
分化について説明できる。4
分化について説明できる。3
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。3
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4
生物化学単糖と多糖の生物機能を説明できる。4
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4
グリコシド結合を説明できる。4
多糖の例を説明できる。4
脂質の機能を複数あげることができる。4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4

評価割合

定期試験ホームワーク・課題受講態度合計
総合評価割合702010000100
基礎的能力2010500035
専門的能力5010500065
分野横断的能力0000000