基礎生物学Ⅱ

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 基礎生物学Ⅱ
科目番号 0041 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 生物(東京書籍)、ニューグローバル生物(東京書籍)、スクエア最新図説生物(第一学習社)
参考:生物基礎(東京書籍)
担当教員 久保 響子

到達目標

生命活動とエネルギーについて物理化学的な視点から考え、説明できる。
生命の様々な特徴、働きが、分子レベルから細胞レベルの仕組みでどのように現れているか、制御されているかを理解し説明できる。
生態系と人間生活が深く関わっていることを理解し、環境問題などの課題にどのように向き合うべきかを考えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
細胞機能・代謝生命活動にはエネルギーが必要であることを具体例を挙げて説明できる。生命活動にはエネルギーが必要であることを理解している。生命活動にはエネルギーが必要であることを理解していない。
遺伝情報の発現DNAと遺伝子の関係性と、タンパク質の機能発現を結びつけて説明できる。DNAからどのようにタンパク質発現に至るのか理解している。DNAとタンパク質の関連性が説明できない。
生態系と人間生活生態系がどのように成立しているか、人間活動が生態系に及ぼす影響について具体例を挙げて説明できる。生態系と人間活動が生態系が深く関わっていることを理解している。生態系と人間活動の関連性について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物学の基礎として、生命とエネルギー、遺伝子発現、生態系と人間生活といった生理学、分子生物学、生態学の入門的内容を取り扱う。前半は生物の代謝について、エネルギーの視点から科学的に捉える。加えて遺伝子発現の仕組みを学ぶ。後半は遺伝子発現の制御の仕組み、バイオテクノロジーの基礎について学ぶ。さらに生態系と人間生活の関係について知り、事例について学ぶ。
授業の進め方・方法:
板書またはプロジェクター、モニターを使った講義形式により、双方向になるよう留意しながら、授業をすすめる。
注意点:
中間試験および期末試験を行う。ホームワーク・課題提出、受講態度も評価対象とする。

事前・事後学習、オフィスアワー

教科書を読み事前学習を行う。問題集による問題演習による事後学習を行う。
オフィスアワーは授業実施日の16:00-17:00とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生命現象と物質:代謝とエネルギー 代謝をエネルギーの面から捉えることができる。
異化・同化についての概要を理解している。
2週 生命現象と物質:呼吸と発酵 呼吸と発酵の類似点、反応の流れについて説明できる。
3週 生命現象と物質:光合成と化学合成 呼吸・光合成・化学合成のエネルギー獲得の仕組みについて共通点と相違点をあげて説明できる。
4週 遺伝情報の発現:DNAの構造と複製 DNAの構成成分と二重らせん構造について説明できる。
DNAの合成について理解している。
DNAの半保存的複製の過程について説明できる。
5週 遺伝情報の発現:遺伝情報の流れ 遺伝情報の流れについて基礎的用語を理解している。
セントラルドグマについて理解している。
6週 遺伝情報の発現:遺伝情報の発現 RNAの種類について説明できる。遺伝情報の転写について説明できる。
コドンと遺伝暗号表について説明できる。
翻訳のしくみについて説明できる。
7週 遺伝情報の発現:遺伝情報の変化
さまざまな遺伝情報が変化する仕組みについて説明できる。
突然変異とその影響について説明できる。
8週 中間試験 1週から7週までの到達目標
2ndQ
9週 復習、遺伝情報の発現:遺伝子の発現調節1 1-7週までの内容の復習。
原核細胞の遺伝子発現の調節(オペロン説)について説明できる。
10週 遺伝情報の発現:遺伝子の発現調節2、選択的遺伝子発現と細胞分化
真核細胞の遺伝子発現の調節について説明できる。
選択的遺伝子発現と細胞分化について原理を説明できる。
11週 遺伝子を扱う技術:遺伝子の増幅技術、塩基配列の解読
クローニング、PCR法について説明できる。
塩基配列の決定方法について理解している。
12週 遺伝子を扱う技術:遺伝子組み換え技術、遺伝子を扱う技術の課題 遺伝子組み換え技術について説明できる。
遺伝子組み換え技術の利点、欠点、倫理的な問題点などについて説明できる。
13週 生態系と人間生活:生物多様性、人間社会の変化と生態系 生物多様性を種・遺伝子・生態系の面から考え、どのように現在の多様性を維持していくべきか考察できる。人間活動によって引き起こされた環境問題の代表例について説明できる。
14週 生態系と人間生活:生態系の復元、人間は自然とどう付き合っていったらよいか 生態系の復元の方法について説明できる。
生態系の保全と人間生活の両立について考察できる。
15週 復習 10週から14週までの到達目標
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。3
分化について説明できる。3
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。3
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。1
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。3
タンパク質の高次構造について説明できる。3
ヌクレオチドの構造を説明できる。4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4
DNAの半保存的複製を説明できる。4
RNAの種類と働きを列記できる。4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4
解糖系の概要を説明できる。4
クエン酸回路の概要を説明できる。4
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4
各種の光合成色素の働きを説明できる。4
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4
炭酸固定の過程を説明できる。4

評価割合

定期試験ホームワーク・課題受講態度合計
総合評価割合702010000100
基礎的能力2010500035
専門的能力5010500065
分野横断的能力0000000