1. 原子の電子配置と周期律を量子力学に基づいて、理論的に説明できる。
2. 化学結合と分子の構造を量子化学に基づいて、理論的に説明できる。
3. 結晶の充填構造を説明でき、充填率・イオン半径比を計算できる。
概要:
無機化学は原子の構造や結合状態など物質の本質を理解する根幹であり、近年の材料開発の発展を支える科目である。
無機元素および化合物の構造、結合状態、性質について合理的に理解すると共に、無機材料に関して用途、構造、合成反応等を理解するために、3年次には原子・分子の構造と周期律、化学結合を系統的に学ぶ。
授業の進め方・方法:
前期後期ともに基本的には対面授業で進めて行くが、教材配信型の遠隔授業形態も織り交ぜて実施する。
定期試験70%(前期中間15 %、前期末20%、後期中間15%、学年末20%)、受講態度10%、小テストおよび課題等20%で評価し、総合評価50点以上を合格とする。試験問題のレベルは、教科書の問題、配布資料、課題、小テストの内容と同程度とする。
注意点:
原子の電子配置に基づいて学んでいく科目であるため、基礎化学で学習した「原子の構造と周期表」を十分に復習しておくこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業内容・方法ガイダンス、元素の起源と原子の構成① |
主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。
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2週 |
元素の起源と原子の構成② |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。
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3週 |
元素の起源と原子の構成③ |
電子配置を示すことができる。
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4週 |
周期表① |
元素の周期律を説明できる。
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5週 |
周期表② |
典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。
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6週 |
元素の一般的性質と周期性① |
イオン化エネルギー、電子親和力について説明できる。
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7週 |
前期中間試験 |
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8週 |
元素の一般的性質と周期性② |
電気陰性度について説明できる。
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2ndQ |
9週 |
共有結合① |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。
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10週 |
共有結合② |
化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。
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11週 |
共有結合と軌道① |
σ結合とπ結合を説明できる。
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12週 |
共有結合と軌道② |
代表的な分子に関して、分子軌道法(MO 法)から共有結合を説明できる。
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13週 |
共有結合と軌道③ |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。
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14週 |
共有結合と軌道④ |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)から共有結合を説明できる。
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15週 |
分子の立体構造と極性 |
分子の立体構造と極性を説明できる。
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16週 |
前期末試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
分子の対称性 |
分子の対称性を説明できる。
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2週 |
結晶構造① |
1種類の元素に対して充填構造を説明でき、充填率の計算ができる。
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3週 |
結晶構造② |
2種類以上の元素からなる結晶構造を説明できる。
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4週 |
結晶構造③ |
イオン半径比の計算ができる。
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5週 |
イオン性固体① |
イオン性固体について説明でき、格子エネ ルギーを計算できる。
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6週 |
イオン性固体② |
イオン結合と共有結合について説明できる。
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7週 |
後期中間試験 |
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8週 |
金属および類金属① |
金属結合の形成について理解できる。
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4thQ |
9週 |
金属および類金属② |
金属の電気伝導性を説明できる。
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10週 |
金属および類金属③ |
金属の熱伝導性を説明できる。
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11週 |
酸と塩基① |
アレニウスとブレンステッド、ルイスによる酸‐塩基の定 義を説明できる。
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12週 |
酸と塩基② |
酸‐塩基の強弱を説明できる。
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13週 |
酸化と還元① |
イオン化傾向を理解し、標準酸化還元電位を説 明できる。
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14週 |
酸化と還元② |
標準酸化還元電位と自由エネルギー変化との関係を説明できる。
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15週 |
溶媒 |
プロトン性溶媒と非プロトン性溶媒について説明できる。
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16週 |
学年末試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 2 | |
主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 2 | |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 2 | |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 2 | |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 3 | |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 3 | |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 2 | |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 2 | |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 2 | |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 2 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 2 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 2 | |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 2 | |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 2 | |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 2 | |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 2 | |
金属結合の形成について理解できる。 | 2 | |
金属結合の形成について理解できる。 | 2 | |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 3 | |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 3 | |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 2 | |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 2 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 3 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 3 | |
配位結合の形成について説明できる。 | 2 | |
配位結合の形成について説明できる。 | 2 | |
水素結合について説明できる。 | 2 | |
水素結合について説明できる。 | 2 | |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 2 | |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 2 | |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 2 | |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 2 | |
配位数と構造について説明できる。 | 2 | |
配位数と構造について説明できる。 | 2 | |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 2 | |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 2 | |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 2 | |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 2 | |
分析化学 | いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。 | 3 | |
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。 | 3 | |
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 3 | |
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。 | 3 | |
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。 | 3 | |
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。 | 3 | |
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。 | 3 | |
錯体の生成について説明できる。 | 3 | |
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。 | 3 | |