応用数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用数学Ⅰ
科目番号 0060 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 新微分積分Ⅱ 高遠 節夫 他(著)大日本図書, 新応用数学 高遠 節夫 他(著)大日本図書  
担当教員 野々村 和晃,木村 太郎,上松 和弘,田阪 文規,平井 祐紀,花元 誠一

到達目標

2変数関数の偏微分を計算することができる。2変数関数の極値を求めることができる。2重積分の定義を理解し,計算することができる。極座標を用いて2重積分の値を計算できる。複素数平面を理解し,ド・モアブル定理を使った計算ができる。微分方程式の一般解や特殊解の意味を理解できる。いろいろな型の1階・2階微分方程式を解くことができる。物理や工学の問題に応用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1条件付き2変数関数の極値問題を解くことができる。2変数関数の偏導関数を計算でき,簡単な2変数関数の極値を求めることができる。2変数関数の偏導関数を計算できない。
評価項目2変数変換を用いてやや複雑な2重積分の値を計算できる。積分領域の形を理解して,標準的な2重積分の値を計算できる。簡単な2重積分の値を計算できない。
評価項目3ド・モアブルの公式を用いて z^n=α の形の方程式を解くことができる。複素数の極形式に直して計算することができる。簡単な複素数の計算ができない。
評価項目4物理や工学の問題を微分方程式を用いて解くことができる。標準的な微分方程式を解くことができる。標準的な微分方程式が解けない。

学科の到達目標項目との関係

(C) 化学および生物工学の基礎としての数学,自然科学の基礎学力を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
2変数関数に対して偏微分を導入し,それを用いて2変数関数の極値を求める方法を学習する。重積分の定義と基本的な計算方法,変数変換を用いた計算方法,および,重積分の応用を学習する。複素数の極形式を用いて,複素数の計算方法を学ぶ。1階微分方程式の様々な解法を学習する。さらに応用上重要な、2階線形常微分方程式を学習する。
授業の進め方・方法:
基本事項や理論的内容を講義で解説し,その後演習を通して学生自らが手を動かして考えることで実際の理論の応用を身に付けてもらう。演習の際にはまず例題を解説し,それを参考に類題やより高度な問題に取り組んでもらう。
注意点:
前期中間 15%,前期末 20%,後期中間 15%,学年末 20%,レポート 25%,授業に対する取組 5% の割合で評価し,総合評価60点以上を合格とする。各試験においては達成目標に即した内容を出題する。試験問題のレベルは授業で取り扱った問題と同程度とする。 レポートは主として夏季休業・冬季休業の課題とする。 再試験は実施する(総合評価で55点以上の学生に限る)。

事前・事後学習、オフィスアワー

事前学修として,微積分の基礎を学修しておくこと。
事後学習は,自学自習を含め,教科書の例・例題・問や問題集で復習しておくこと。
オフィスアワー:授業当日の16:00〜17:00とするが,教員室に在室の際はいつでも対応する。また,Teamsでのチャットでも受け付けるが,学年・コース・出席番号は最初に記入すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 2変数関数 定義域を理解し,不等式やグラフで表すことができる。
2週 偏導関数 2変数関数の偏微分を求めることができる。
3週 合成関数の偏導関数 合成関数の偏微分を計算することができる。
4週 全微分と近似式 全微分の意味を理解し,2変数関数の近似式をつくることができる。
5週 2変数関数の極大・極小 2変数関数の極値を求めることができる。
6週 陰関数の微分 陰関数の微分を計算することができる。
7週 条件付き極値問題 条件付きの2変数関数の極値問題を解くことができる。
8週 前期中間試験 偏微分に関する問題を解くことができる。
2ndQ
9週 2重積分の定義 2重積分の定義が理解できる。
10週 2重積分の計算(1) 累次積分により,2重積分の値を計算することができる。
11週 2重積分の計算(2) 積分順序を変更して2重積分の値を計算することができる。
12週 極座標による2重積分の計算(1) 極座標を用いて簡単な2重積分の値を計算することができる。
13週 極座標による2重積分の計算 (2) 極座標を用いてやや複雑な2重積分の値を計算することができる。
14週 変数変換と2重積分 2重積分の値を変数変換を用いて計算することができる。
15週 2重積分の応用 2重積分を用いて,体積や表面積を計算することができる。
16週
後期
3rdQ
1週 複素数の演算 複素数の四則演算を自由に行うことができる。また,複素数の絶対値や共役複素数を求めることができる。
2週 複素数平面 複素数平面における加法や減法の図形的意味,絶対値や共役複素数の意味を理解できる。
3週 複素数の極表示 複素数を極形式に直すことができる。複素平面における積や商の図形的意味を理解できる。
4週 ド・モアブルの定理 ド・モアブルの定理を用いた複素数の計算ができる。
5週 1階微分方程式(1)(変数分離形) 微分方程式の一般解や特殊解の意味を理解できる。また、簡単な変数分離型微分方程式を解くことができる。
6週 1階微分方程式(2)(変数分離形) 様々な変数分離型微分方程式を解くことができる。
7週 微分方程式の応用と演習 微分方程式(変数分離型)の簡単な応用例を理解できる。ある種の応用問題を解くことができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 1階微分方程式(3)(線形) 1階線形微分方程式の解法を理解し,解くことができる。
10週 1階微分方程式(4)(同次形) 同次形微分方程式を解法を理解し,解くことができる。
11週 2階微分方程式 ある種の2階微分方程式を1階微分方程式に帰着させて解くことができる。
12週 定数係数線形2階微分方程式(1) 定数係数斉次2階線形微分方程式の解法を理解し,解くことができる。
13週 定数係数線形2階微分方程式(2) 定数係数2階線形微分方程式の非斉次の場合の解法を理解できる。様々な場合に特殊解の形を理論的に予想し,微分方程式を解くことができる。
14週 定数係数連立線形微分方程式 定数係数連立線形微分方程式の解法を理解し,解くことができる。
15週 微分方程式の応用と演習 運動方程式や電気回路における定数係数線形2階微分方程式の応用例を理解できる。ある種の応用問題を解くことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3後1,後2,後3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3前1
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3前3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3前2
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3前5,前7
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3前9,前10,前11
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3前12,前13
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3前15
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3後5,後6,後7
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3後9,後10
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3後12,後13
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3後4

評価割合

前期末期末後期中間学年末レポート授業に対する取組合計
総合評価割合15201520255100
基礎的能力15201520255100
0000000