化学工学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学工学
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ベーシック化学工学 化学同人 橋本健治著
担当教員 松浦 由美子

到達目標

本科目の目的は、化学工業を支える化学プラントに用いられる装置・機器、およびそこにおける化学反応・物理現象について修得することである。
<本科目の目標>
1. 反応装置(バッチ式、連続反応装置)について特徴や用途を説明できる。
2. 熱伝導(伝導伝熱、対流伝熱、放射伝熱)について理解し、熱伝導等の計算ができる。
3. 蒸留の原理を理解し、ラウールの法則やマッケーブシール法等を用いて蒸留についての計算ができる。
4. 抽出の目的や方法を理解し、単抽出について抽出率など関係する計算ができる。
5. 吸着や膜分離の目的を理解し、その仕組みと具体的な方法が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1反応装置(バッチ式、連続反応装置)について特徴や用途を説明できる。反応装置(バッチ式、連続反応装置)について特徴や用途を概ね説明できる。反応装置(バッチ式、連続反応装置)について特徴や用途を説明できない。
評価項目2熱伝導(伝導伝熱、対流伝熱、放射伝熱)について理解し、熱伝導等の計算ができる。熱伝導(伝導伝熱、対流伝熱、放射伝熱)について理解し、熱伝導等の計算が概ねできる。熱伝導(伝導伝熱、対流伝熱、放射伝熱)について理解し、熱伝導等の計算ができない。
評価項目3蒸留の原理を理解し、ラウールの法則やマッケーブシール法等を用いて関連する計算ができる。蒸留の原理を概ね理解し、ラウールの法則やマッケーブシール法等を用いて関連する計算が概ねできる。蒸留の原理を理解できず、ラウールの法則やマッケーブシール法等を用いて関連する計算ができない。
評価項目4抽出の目的や方法を理解し、単抽出について抽出率など関係する計算ができる。抽出の目的や方法を概ね理解し、単抽出について抽出率など関係する計算が概ねできる。抽出の目的や方法を理解し、単抽出について抽出率など関係する計算ができる。
評価項目5吸着や膜分離の目的を理解し、その仕組みと具体的な方法を説明できる。吸着や膜分離の目的を概ね理解し、その仕組みと具体的な方法を概ね説明できる。吸着や膜分離の目的を理解できず、その仕組みと具体的な方法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学工学は、化学工業を支える化学プラントに用いられる装置・機器、およびそこにおける化学反応・物理現象について学ぶ科目である。
4年生では、反応装置、熱の移動、蒸留、抽出、吸着、膜分離について化学工学の観点から学ぶ。
授業の進め方・方法:
<授業の進め方>
授業は対面形式で行う。講義では各単元の内容を化学工学の教科書とTeamsにアップしたスライドを使って説明し、例題の解説を行う。また、例題と同等レベルの問題をレポート課題として課す。
<評価方法>
定期試験80%(前期中間20%、前期末20%、後期中間20%、学年末20%)、課題等10%、受講態度10%で評価し、総合評価60点以上を合格とする。
注意点:
レポートは提出期限までに必ず提出すること。
再試験は1回のみ行う。

事前・事後学習、オフィスアワー

事前学習: 事前にTeamsにアップしているスライドに目をとおしておく。
事後学習: レポート課題に取り組み、理解度を深める。
オフィスアワー: 質問・相談がある場合はTeamsのチャットで連絡してください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
反応装置
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を説明できる。
2週 熱の移動 フーリエの法則を説明できる。
3週 熱伝導による熱の移動① 伝導伝熱を説明できる
平板、多層壁における伝導伝熱の計算ができる。
4週 熱伝導による熱の移動② 円筒状固体内における熱伝導の計算ができる。
5週 対流による熱の移動 対流伝熱を説明できる。
総括伝熱係数、境膜伝熱係数を計算できる。
  
6週 放射による熱の移動 放射伝熱を説明できる。
放射伝熱の計算できる。
7週 熱交換器の設計 熱交換器の基本的構造を説明できる。
熱交換器における量の計算ができる。
8週 前期中間試験 理解度を確認する。
2ndQ
9週 気液平衡① 蒸留の原理について理解できる。
単蒸留、精留、蒸留装置について理解できる。
10週 気液平衡② ラウールの法則を用いて気液平衡について計算ができる。
11週 単蒸留 単蒸留の原理を説明できる。
レイリーの法則を用いて単蒸留に関する計算ができる。
12週 連続蒸留① 連続蒸留塔について説明できる。
13週 連続蒸留② 濃縮部、回収部、原料供給段の操作線を図示できる。
14週 連続蒸留③ 階段作図法により理論段数と実際段数を求めることができる。
15週 連続蒸留④ 還流比と理論段数との関係を説明できる。
最小還流比を計算できる。
16週 前期期末試験
理解度を確認する
後期
3rdQ
1週 気体の溶解度 ヘンリーの法則を説明できる。
2週 ガス吸収① ガス吸収の原理を説明できる。
吸収速度の計算ができる。
3週 ガス吸収② ガス吸収装置について説明できる。
4週 ガス吸収③ 充填塔の最小液ガス比を導出できる。

   
5週 充填塔の高さ 充填塔の高さを計算できる。
6週 充填塔の直径 充填塔の直径を計算できる。
7週 後期中間試験
理解度を確認する
8週 液液抽出 液液抽出の原理を説明できる。(三角線図、てこの原理)
4thQ
9週 液液抽出装置 液液抽出装置について説明できる。
10週 単抽出 抽出率など単抽出の計算ができる。
11週 粒子の分離①
ふるい分け法を説明できる。
粒度分布を説明できる。
12週 粒子の分離② 沈降法を説明できる。
粒度分布を説明できる。
13週 膜分離 膜分離の原理・目的・方法を説明できる。
14週 吸着
吸着の原理・目的・方法を説明できる。
15週 演習 理解度を確認する
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4
SI単位への単位換算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
流れの物質収支の計算ができる。4
流れの物質収支の計算ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
流体輸送の動力の計算ができる。4
流体輸送の動力の計算ができる。4
蒸留の原理について理解できる。4
蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4前1
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4前1
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4後2
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4後2
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4
流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4

評価割合

試験課題等受講態度合計
総合評価割合801010100
基礎的能力4051055
専門的能力405045