電気化学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気化学
科目番号 0069 科目区分 専門 / 必修選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 玉虫伶太他,エッセンシャル電気化学(東京化学同人)
担当教員 戸嶋 茂郎

到達目標

本授業の目的は「電気化学の基礎」について理解することである.そのため以下のような達成目標を設定する.
1.電池および電気分解を例に電気化学の基本現象が理解できる.
2.ネルンストの式を理解して,平衡電極電位を計算することができる.
3.起電力または平衡電極電位のデータから平衡現象を解析できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 「電池および電気分解について理解できるか」電池および電気分解を例に電気化学の基本現象を正しく理解し説明できる.電池および電気分解を例に電気化学の基本現象が理解できる.電池および電気分解を例に電気化学の基本現象が理解できない.
評価項目2 「平衡電極電位を理解し計算で求めることができるか」ネルンストの式を正しく理解して,様々な電極系について平衡電極電位を計算することができる.またその応用についても説明できる.ネルンストの式を理解して,平衡電極電位を計算することができる.ネルンストの式を理解できず,平衡電極電位を計算することができない.
評価項目3 「起電力および平衡電極電位と平衡現象との関係について理解し解析できるか」起電力または平衡電極電位のデータから,平衡現象を定量的に解析できる.起電力または平衡電極電位のデータから,平衡現象を解析できる.起電力または平衡電極電位のデータから,平衡現象を解析できない.

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。 説明 閉じる
(E) ものづくりに関する幅広い対応能力を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ダニエル電池を例に電気化学的な基本現象を理解させるとともに,酸化還元反応と電池の起電力との関係および各種電極系の平衡電極電位について解説をおこなう.
授業の進め方・方法:
関連する基礎事項の復習を交えながら,各項目について教科書および板書をもとに解説をおこなう.適時章末問題等の解説をおこなうことにより理解を深める.

なお令和4年度は新型コロナウィルス感染防止対策として遠隔授業(オンライン授業)で実施する場合もある.
注意点:
開講前の準備学習として,一般化学で学習した酸化還元について必ず復習をしておくこと.
授業終了後に要点をまとめた資料をTeamsにアップロードするので,自学自習に役立てること.

事前・事後学習、オフィスアワー

学修単位なので授業時間以外の学修等を含めて履修時間は90時間である.予習・復習に努め,章末問題にも積極的に取り組むこと(具体的内容については授業毎に指示をする).

オフィスアワー:基本的に講義日の午後2時半〜午後5時とするが,教員室に在室の際はいつでも対応するので気軽に質問等に来ること.またメールやTeams等でも随時受け付ける.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
分野必修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 酸化還元反応と電気的仕事 電気的仕事とダニエル電池の構造および電池の端子間電圧を理解する,
2週 ダニエル電池の放電 測定回路を理解し,ダニエル電池の放電曲線を説明できる.
3週 ファラデーの法則 ファラデーの法則を使って,電気量から反応量を計算できる.
4週 電極電位,端子間電圧および電池の起電力について 電極電位と端子間電圧の関係および電池の起電力を理解する
5週 電極電位と電流との関係(電流ー電位曲線)
銅|銅イオン系の電流ー電位曲線
電極電位の測定原理および基準電極を理解する.電流ー電位曲線の測定原理を理解する.
銅|銅イオン系の電流ー電位曲線を理解し,アノード・カソードを説明できる.
6週 水の電気分解 水の電気分解について,不活性電極によるアノード反応・カソード反応と関連付けて理解できる.
7週 中間試験 60点以上
8週 電極反応のギブズエネルギーと起電力 電池反応の反応ギブズエネルギーを理解し,起電力との関係を説明できる.
4thQ
9週 電池の組成と起電力との関係 電池の組成と起電力との間の関係式を理解できる.標準起電力と標準反応ギブズエネルギーおよび平衡定数との関係を説明できる.
10週 平衡電極電位1 平衡電極電位の定義とネルンストの式を理解できる.
11週 平衡電極電位2 ネルンストの式を用いて平衡電極電位を計算できる.
12週 酸化還元平衡 水溶液中での酸化還元反応の平衡定数を標準起電力から求めることができる.
13週 沈殿反応 難容性塩の溶解度積と平衡電極電位との関係を理解し,データより溶解度積を求めることができる.
14週 様々な電極の平衡電極電位とその応用1 様々な電極系についてネルンストの式を用いて平衡電極電位を計算できるとともに,その応用について理解できる.
15週 様々な電極の平衡電極電位とその応用2 様々な電極系についてネルンストの式を用いて平衡電極電位を計算できるとともに,その応用について理解できる.
16週 期末試験 60点以上

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4

評価割合

中間試験期末試験課題提出取組む姿勢・受講態度合計
総合評価割合35352010100
基礎的能力101001030
専門的能力252520070