材料工学実験

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料工学実験
科目番号 0070 科目区分 専門 / 必修選択
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 教員作成テキスト
担当教員 佐藤 司,松浦 由美子,小寺 喬之

到達目標

1. 機能性材料の作製や構造並びに性質を理解するために、必要な合成や測定を行いデータ解析や考察までの基本的な実験プロセスを行う。
2. 材料の基本的性質や分析装置の測定原理を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機能性材料の作製、構造、性質を正しく理解できる。 機能性材料の作製、構造、性質を概ね理解できる。 機能性材料の作製、構造、性質を理解できない。
評価項目2機能性材料の基本的性質や分析装置の測定原理を正しく理解できる。 機能性材料の基本的性質や分析装置の測定原理を概ね理解できる。機能性材料の基本的性質や分析装置の測定原理を理解できない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。 説明 閉じる
(E) ものづくりに関する幅広い対応能力を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
実務経験のある教員の指導を受けて、機能性無機材料や高性能高分子材料に関する作製や構造および性質の測定方法を学ぶ。操作を通じて物質の化学変化や状態変化を観察し、測定装置によって得られたデータより材料の物理的化学的性質を決定し、提出したレポートについて教員とディスカッションを行い実験内容の理解を深める。また、行ったテーマについて発表を行う。
授業の進め方・方法:
前期の後半にまとめて5週間にわたって行う。4名程度の班単位で、指定されたテーマについて実験を行う。実験レポートは内容の理解が認められるまで教員とのディスカッションを行う。最後にプレゼンを行う。工学実験・実習IIIを終えた後、前期の後半5週で行う。
注意点:
事前に実験ノートに原理、操作方法、測定項目を整理して記載し担当教員に提出する。実験ノートを記載する際はグループ単位で測定項目や分担について確認しあう事。成績評価は実験レポート、実験態度(実験ノート)、プレゼンによる総合評価で行う。2021年度は感染症対策として、e-ラーニング形式の遠隔講義で実施する可能性もある。

事前・事後学習、オフィスアワー

実験テーマによって異なるが、有機化学、無機化学、機器分析などの知識が必要になるので予習しておくこと。また薬品の危険性についてよく調べておくこと。オフィスアワーは実験日の16:00~17:00。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 諸注意・実験テーマ説明
2週 実験準備 使用する装置の働きや機能、試薬の性質や危険性について理解する。
3週 セルロースハイドロゲルの作製と評価 セルロースハイドロゲルを作製する際の溶液条件がゲルの構造や強度に与える影響を理解する
4週 吸水性ポリマーの合成と吸水性に及ぼす要因の検討 ポリアクリル酸ナトリウムを合成し水溶液の種類やpHの違いによる吸水量の変化を理解する
5週 直接エタノール型燃料電池(DEFC)の発電実験
エタノール濃度を変えて発電量の違いを観察し発電に寄与する要因について理解する
6週 CeO2の異なる合成法による形状変化とXRD、SEM観察による物性評価 CeO2の合成方法を変えることで形状が制御できる事を観察し、形状制御の要因について理解する
7週 硝酸アンモニウム鉄(III)12水和物による過酸化水素の分解反応 鉄ミョウバンの分解反応における反応速度を測定し算出した速度定数より活性化エネルギーを求める
8週 二酸化チタンの光触媒能 二酸化チタンの光触媒効果をメチレンブルーの分解実験により定量化する。二酸化チタン微粒子の形状観察により反応への影響を理解する。
2ndQ
9週 プレゼンテーション 実験の目的、操作、結果、考察、結論を決められた時間で簡潔かつ分かりやすく説明できる。質疑に対して的確に返答することができる。
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4前4,前5
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4前4,前5
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4前6,前7
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4前6,前7
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。2
温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。4前8
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。4前8
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。4前9
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。4前9

評価割合

レポート実験態度プレゼン合計
総合評価割合702010100
基礎的能力105318
専門的能力6015782
分野横断的能力0000