応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0073 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 日常の「なぜ」に答える物理学 真貝寿明(森北出版)
担当教員 吉木 宏之

到達目標

日常目にする自然現象や化学・生物分野の現象を物理法則を用いて論理的に考察する能力を培い、身の回りの事象の理解や化学・生物分野の課題解決において応用できる能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ニュートンの運動方程式を用いて、基本的な物体の運動だけでなく円運動や単振動などの様々な現象を数理的に解析し考察できる。ニュートンの運動方程式を立てることができ、基本的な物体の運動を考察できる。左記ができない。
評価項目2熱量保存則や気体の状態方程式を立てることができ、数理的に熱現象を考察できる。熱量保存則や気体の状態方程式を理解し、熱エネルギーや気体の状態変化を求めることができる。左記ができない。
評価項目3電気・磁気現象や原子力エネルギーを数理的に理解し考察する事ができる。電気・磁気現象や原子力エネルギーを定性的に説明する事ができる。左記ができない。

学科の到達目標項目との関係

(C) 化学および生物工学の基礎としての数学,自然科学の基礎学力を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
日常目にする自然現象や、化学・生物系技術者に関連する物理現象を科学的/論理的/数理的に捉えるための基礎力を育む。
授業の進め方・方法:
日常目にする物理現象や化学・生物分野の法則に関連する「運動方程式」、「エネルギー保存則」、「電気・磁気の各種法則」を学んだ後、原子力エネルギーについて学ぶ。
主に講義形式で進め、単元毎に演習問題(自学自習を兼ねたレポートとすることが多い)を課し、数理技術・考察力を深める。
なお、状況により感染症対策として遠隔授業による e-ラーニング形式(動画配信)で行う可能性がある。
注意点:
本科目は、二年:物理I、三年:物理II&応用物理I、の学習内容を用いるため、適宜復習しておくことが強く望まれる。
なお、評価方法は本シラバス末尾の評価割合に沿って総合的に評価する。(合格:総合評価60点以上)
◾️再試験について
総合評価で「不可」となった者のうち、レポート未提出がない学生に対してのみ再試験(1回のみ)を実施する。

事前・事後学習、オフィスアワー

《事前・事後学習について》本科目は「学修単位」科目であるため、次の①②に留意して受講することが求められる。
①講義(30時間)+自学自習(60時間)を前提とし、60時間程度の予習・復習(自学自習)が不可欠である。
②単元毎に、自学自習用のレポート課題(要提出)を課す。
《オフィスアワー》講義日の16:00-17:00、その他随時。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物理量の単位と次元 ・物理で取扱うスケールを理解できる。
・距離、時間、質量などの物理量の単位と次元を説明できる。
2週 質点の位置・速度・加速度 ・位置・速度・加速度により物体の運動を記述できる。
3週 運動方程式 ・ニュートンの運動の3法則を理解して、質点の方程式を立て、数理的にその解を求めることができる。
4週 運動量保存則 ・運動する物体の運動量とその保存則に関して理解して、質点系の衝突現象を定量的に説明できる。
5週 到達度問題演習 質点の運動の運動方程式から加速度・速度・位置を算出できる。質点系の衝突現象を定量的に考察できる。
6週 回転運動と単振動 ・向心力や遠心力に関して理解できる。
・単振動の運動方程式を理解してその解を求める事ができる。
7週 力学的エネルギー保存則 ・力学現象におけるエネルギー保存則に関して理解して、重力や弾性力が働く場合の各種エネルギーを算出できる。
8週 圧力・浮力 ・流体から受ける力について定量的に理解できる。
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週 熱量保存の法則 ・熱エネルギーと温度、熱容量と比熱に関して定量的に説明できる。熱量保存の法則を用いて物体の温度変化を考察できる。
2週 気体の法則と熱力学第一法則 ・ボイル・シャルルの法則を説明できる。
・熱力学第一法則を用いて気体の状態変化を定量的に考察できる。
3週 波動 ・波の性質(振幅・波長・周期)や正弦波の式を説明できる。
・音波や光波の性質を定性的に説明できる。
4週 到達度問題演習 ・熱量保存の法則や熱力学第一法則を用いて物理量(温度、圧力、体積など)を算出できる。
・正弦波の式を用いて波動現象を記述できる。
5週 静電気 クーロンの法則を理解して、電場と電位に関して説明ができる。
6週 電流が作る磁場 ・アンペールの法則やレンツの法則を理解できる。
・モーターの原理を説明できる。
7週 電磁誘導 ・ファラデーの電磁誘導と起電力を定量的に説明できる。
・変圧器や家電製品への応用事例を理解できる。
8週 原子力エネルギー ・原子や原子核の構造を理解して、エネルギーと質量の等価原理E=mc^2の法則と核エネルギーに関して説明できる。
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。4
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。4
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。4
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
物体に作用する力を図示することができる。4
力の合成と分解をすることができる。4
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。4
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。4
慣性の法則について説明できる。4
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4
運動方程式を用いた計算ができる。4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4
運動の法則について説明できる。4
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。4
最大摩擦力に関する計算ができる。4
動摩擦力に関する計算ができる。4
仕事と仕事率に関する計算ができる。4
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。4
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。4
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。4
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。4
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。4
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。4
力のモーメントを求めることができる。4
角運動量を求めることができる。4
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。4
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。4
重心に関する計算ができる。4
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。4
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。4

評価割合

前期末試験学年末試験確認テスト課題レポート受講態度合計
総合評価割合2525251510100
基礎的能力15152010565
専門的能力5555525
分野横断的能力5500010