到達目標
この科目は、物理化学・化学工学の諸法則または仮説を証明するために理論式に含まれる諸量を実測して、計算によって目的とする量を算出するプロセスを学ぶ。実験を行うに当たっては、理論式を十分に吟味し必要な条件を満たす数値が得られるように適切な実験条件を設定する考え方も身に着ける。実験から得られた結果についてはレポートにまとめ、その内容について教員とディスカッションを通じて深く理解する。
テーマに応じた適切な統計手法によりデータの分析・考察を行い、それらを可視化する手法を習得する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
実験計画を立て、操作や測定項目を理解できる | 実験計画を立て、操作や測定項目を正しく理解できる。 | 実験の目的、操作手順について理解できる。 | 実験の目的や実行すべき操作手順が理解できない。 |
評価項目2
実験データを分析し結果について考察できる | 実験データを分析し結果の妥当性について正しく評価できる。 | 実験データを整理して結果を求めることが出来る。 | 実験データから結果を求めることが出来ない。 |
評価項目3
理論式や原理を理解できる | 理論式や原理を正確に理解できる。 | 理論式や原理を理解できる。 | 理論式や原理を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
(G) 化学および生物工学分野を主とした幅広い知識と技術を活用して,実験・実習による実践力を身につける。
説明
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教育方法等
概要:
物理化学や化学工学の理論や概念を実験で確認し内容を確実に習得させる。物性値の測定、平衡状態の測定を実践して測定法の原理を理解させる。実験結果を解析する能力、報告書の作成技術も習得させる。
授業の進め方・方法:
班分けしそれぞれ与えられたテーマごとに同時に実施する。事前に実験計画書を提出する。実験終了後は定められた期日までに報告書を提出し、教員とのディスカッションを経て認められた場合に報告書を受理する。前期のうち10週内に前倒しで行う。
注意点:
操作手順や原理について予習し実験ノートとして事前に提出する。測定すべき項目や分担をグループ単位で確認しながら理解したうえで実験する事。成績評価は実験レポート、実験態度(実験ノート等)から総合評価し60点以上を合格とする。
事前・事後学習、オフィスアワー
ディスカッション(オフィスアワー)は実験日に行う。時間については学生の要請に応じる。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
実験テーマについてガイダンスおよび諸注意 |
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2週 |
2回目~10回目までは班ごとに与えられたテーマを実施していく。テーマ例を下記に示す。 |
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3週 |
反応速度 |
エステルの加水分解の反応次数を決定し、活性化エネルギーを求める
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4週 |
吸着 |
吸着等温線を作成し吸着パラメータを求める
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5週 |
凝固点降下 |
凝固点効果法により溶質の分子量を決定する
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6週 |
分配率 |
水‐有機溶媒間での分配係数を求める
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7週 |
液体の蒸気圧 |
蒸気圧測定により液体の蒸発熱を求める
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8週 |
高分子の粘度平均分子量 |
粘度測定により高分子の粘度平均分子量を決定する
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2ndQ |
9週 |
粉砕試験 |
粉砕によって得られる粉体の粒径分布を求め平均粒径を決定する
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10週 |
アンドレアゼン・ピペット法 |
粉体の沈降速度より粒径分布を求める
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11週 |
単蒸留 |
2成分溶液の単蒸留操作により物質収支を理解する
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12週 |
管内流動試験 |
流体の流れを測定し各要素におけるレイノルズ数や損失係数を求める
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| レポート | 実験態度 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 10 | 30 |
専門的能力 | 50 | 20 | 70 |