化学工学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学工学
科目番号 0077 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ベーシック化学工学 化学同人 橋本健治著
担当教員 小寺 喬之

到達目標

本科目の目的は、化学プラントに用いられる装置・機器、およびそこにおける化学反応・物理現象について修得することである。
本科目の目標は、下記の3点である。
1.化学工学量論(単位、物質収支等)、および単位操作の基本的内容について説明でき、各種の計算ができる。
2.流体輸送や反応器など、化学プラントにおける基本的な装置や単位操作を理解するための基礎を説明できる。
3.化学プラントなどに適用される物質収支、液体と気体の流れ、物質の分離と精製に関する計算ができ、実際の反応装置が選択されている理由をその特徴や用途から説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学工学量論(単位、物質収支等)、および単位操作の基本的内容について説明でき、各種の計算ができる。化学工学量論(単位、物質収支等)、および単位操作の基本的内容について理解でき、各種の計算ができる。化学工学量論(単位、物質収支等)、および単位操作の基本的内容について理解できず、各種の計算ができない。
評価項目2流体輸送や反応器など、化学プラントにおける基本的な装置や単位操作を理解するための基礎を説明できる。流体輸送や反応器など、化学プラントにおける基本的な装置や単位操作を理解するための基礎を理解できる。流体輸送や反応器など、化学プラントにおける基本的な装置や単位操作を理解するための基礎を理解できない。
評価項目3化学プラントなどに適用される物質収支、液体と気体の流れ、物質の分離と精製に関する計算ができ、実際の反応装置が選択されている理由をその特徴や用途から説明できる。化学プラントなどに適用される物質収支、液体と気体の流れ、物質の分離と精製に関する計算ができ、実際の反応装置が選択されている理由をその特徴や用途から理解できる。学プラントなどに適用される物質収支、液体と気体の流れ、物質の分離と精製に関する計算ができず、実際の反応装置が選択されている理由をその特徴や用途から理解できない。

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は、化学工業を支える化学プラントに用いられる装置・機器、およびそこにおける化学反応・物理現象について学ぶ科目である。
本科目では、液体と気体の流れ、物質の分離と精製、反応装置などについて化学工学の観点から学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は講義形態で行う。化学工学の教科書を使用して授業を進める。教材として資料を配布するので、教科書と配布資料を活用して予習ならびに復習を行うこと。授業中に小テスト等を課すので理解度を確認して、理解していないところ
は復習すること。また、適宜、課題を課すので理解を深めること。
定期試験80%(前期中間20%、前期末20%、後期中間20%、学年末20%)、課題等10%、受講態度10%で評価し、総合評価60点以上を合格とする。試験問題のレベルは、教科書、配布資料、課題、小テストの内容と同程度とする。
注意点:
基礎的な数学および化学を用いて学んでいく科目であるため、四則演算、方程式、関数、微分・積分、総和、基礎化学について復習しておくこと。

事前・事後学習、オフィスアワー

事前学習: 教科書および配布資料で事前学習し、授業中の問題および小テスト等で理解度を確認すること。
事後学習: 小テストで理解度を確認し、理解が足りない点を復習すること。課題に取り組み、理解度を深めること。
オフィスアワー: 16:00 – 17:00

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
流れの性質
レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。
2週 流れのエネルギー損失 流れのエネルギー損失の計算ができる。
3週 流体輸送の動力 流体輸送の動力の計算ができる。
4週 熱伝導による熱の移動① フーリエの法則を説明できる。
5週 熱伝導による熱の移動② 熱伝導を説明できる。
  
6週 対流による熱の移動 対流伝熱を説明できる。
7週 放射による熱の移動 放射伝熱を説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 熱交換機の設計 熱交換機の設計の基礎を説明できる。
10週 反応器 バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を説明できる。
11週 気液平衡 蒸留の原理について説明できる。
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則)。
12週 単蒸留 単蒸留装置について説明できる。
13週 連続蒸留① 蒸留についての計算ができる(マッケーブシール法)。
14週 連続蒸留② 精留・蒸留装置について説明できる。
15週 連続蒸留③ 化学プラントで装置が選択されている理由をその特徴や用途から説明できる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 ガスの溶解度と吸収速度① ヘンリーの法則を説明できる。
2週 ガスの溶解度と吸収速度② 吸収速度の計算ができる。
3週 ガス吸収装置 ガス吸収装置について説明できる。
4週 充填塔の高さ① 充填塔の設計方法の基礎を説明できる。

   
5週 充填塔の高さ② 充填塔の高さを計算できる。
6週 充填塔の直径 充填塔の直径を計算できる。
7週 膜分離 膜分離の原理・目的・方法を説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 液液平衡 基本的な抽出の目的や方法を説明できる。
10週 液液抽出装置 液液抽出装置について説明できる。
11週 液液抽出
抽出率など抽出に関係する計算ができる。
化学プラントで装置が選択されている理由をその特徴や用途から説明できる。
12週 吸着 吸着の原理・目的・方法を説明できる。
13週 調湿 調湿の原理・目的・方法を説明できる。
14週 乾燥
乾燥に関係する計算ができる。
15週 粒子の分離 粒径分布と粒子の分離方法を説明できる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4
SI単位への単位換算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
流れの物質収支の計算ができる。4
流れの物質収支の計算ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
流体輸送の動力の計算ができる。4
流体輸送の動力の計算ができる。4
蒸留の原理について理解できる。4
蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4前1
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4前1
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4後2
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4後2
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4
流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4

評価割合

試験課題等受講態度合計
総合評価割合801010100
基礎的能力4051055
専門的能力405045
分野横断的能力0000