概要:
これまでに学んだ物理学と数学の知識をもとに、化学・生物系技術者に関連する物理現象を科学的/論理的/数理的に捉えるための基礎力を育む。
授業の進め方・方法:
巨視的世界の力学として、「運動方程式」「単振動」「力学的エネルギー」「回転運動」を学んだ後、微視的世界の力学(量子力学)の初歩として、「シュレディンガー方程式」を学ぶ。
主に講義形式で進め、単元毎に演習問題(自学自習を兼ねたレポートとすることが多い)を課し、数理技術・考察力を深める。
三年次までの数学の知識(ベクトルや微積分)を前提として講義を進めるため、これらにある学生は早めに復習することを強く推奨する。
なお、状況により感染症対策として遠隔授業による e-ラーニング形式(動画配信)で行う可能性がある。
注意点:
本科目は、二年:物理I、三年:物理II&応用物理I、の学習内容を用いるため、適宜復習しておくことが強く望まれる。
なお、評価方法は本シラバス末尾の評価割合に沿って総合的に評価する。(合格:総合評価60点以上)
◾️再試験について
総合評価で「不可」となった者のうち、総合評価成績が 50 点から 59 点かつレポート未提出がない学生に対してのみ、再試験(1回のみ)を実施する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
運動の記述、基礎数学の復習 |
・物体の運動とは、物体の位置と速度の時間的な変化であることを理解している。 ・運動の記述に必要な基礎数学(ベクトルや微積分)を利用できる。
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2週 |
運動方程式① |
・ニュートンの運動方程式を用いて物体の運動を記述できる。 ・一定の力のもと運動する物体の運動方程式を立て、数理的にその解を求めることができる。
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3週 |
運動方程式② |
・重力のみをうけて運動する物体の運動方程式を立て、数理的にその解を求めることができる。
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4週 |
抵抗力を受ける物体の運動 |
・速度に比例した抵抗を受けて運動する物体の運動方程式を立て、数理的にその解を求めることができる。
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5週 |
単振動 |
・弾性力により運動(単振動)する物体の運動方程式を立てることができる。 ・単振動の一般解を数理的に導くことができる。
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6週 |
減衰振動 |
・減衰振動を振る舞いを理解できる。
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7週 |
力学的エネルギー保存則 |
・運動方程式を変形(エネルギー積分)することにより、力学的エネルギー保存則が導びかれることを説明できる。
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8週 |
前期末試験 |
・前期に学んだ事柄に関する基本的な問題に対して物理的にアプローチし、数理的に解くことができる。
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2ndQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
仕事とエネルギー |
・仕事とエネルギーの関係を理解し、力学的エネルギー保存則との関連を説明できる。
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2週 |
保存力とポテンシャルエネルギー |
・保存力の意味を理解し、ポテンシャルエネルギーとの関係を説明できる。
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3週 |
角運動量、慣性モーメント、力のモーメント |
・角運動量の意味を理解し、平面上で運動する物体の角運動量を計算できる。 ・慣性モーメントの意味を理解し、基本的な形状で計算できる。 ・力のモーメントの意味を理解し説明できる。
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4週 |
回転の運動方程式 |
・固定軸まわりを回転する剛体の運動方程式を立てることができる。
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5週 |
回転の運動方程式を用いた運動の解析 |
・基本的な剛体運動に対して、固定軸まわりの回転運動を数理的に解くことができる。
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6週 |
シュレディンガー方程式と波動関数 |
・シュレディンガー方程式の意義を理解できる。 ・ボルンの解釈にもとづき、波動関数の物理的意味を説明できる。
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7週 |
シュレディンガー方程式を用いた一次元並進運動 |
・自由粒子の一次元並進運動をシュレディンガー方程式を用いて解析することができ、その妥当性を説明できる。
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8週 |
学年末試験 |
・後期に学んだ事柄に関する基本的な問題に対して物理的にアプローチし、数理的に解くことができる。
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4thQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 4 | |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 4 | |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 4 | |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 4 | |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 4 | |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 4 | |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 4 | |
物体に作用する力を図示することができる。 | 4 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 4 | |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 4 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 4 | |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 4 | |
慣性の法則について説明できる。 | 4 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 4 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 4 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 4 | |
運動の法則について説明できる。 | 4 | |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 4 | |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 4 | |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 4 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 4 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 4 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 4 | |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 4 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 4 | |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 4 | |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 4 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 4 | |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 4 | |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 4 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 4 | |
力のモーメントを求めることができる。 | 4 | |
角運動量を求めることができる。 | 4 | |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 4 | |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 4 | |
重心に関する計算ができる。 | 4 | |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 4 | |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 4 | |