生物工学基礎

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生物工学基礎
科目番号 0086 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 教科書: 井上明 他「図解微生物学入門」(オーム社), 参考書:日本微生物生態学会 教育研究部会編著「微生物生態学入門」日科技連
担当教員 久保 響子

到達目標

医薬品や食品工業、ならびに環境保全等に深く関係する微生物学、微生物工学の基礎を学ぶ。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微生物の代謝機能や種の多様性が生物工学にどのように利用されているか例を挙げて説明でき、今後の可能性について考察できる。微生物の代謝機能や種の多様性が生物工学にどのようにい利用されているか例を挙げて説明できる。微生物の多様性が生物工学にどのようにい利用されているか分からない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
医薬品や食品工業、ならびに環境保全等に深く関係する微生物学、微生物工学の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
遠隔授業を行う。レポートを複数回課す。
学年末試験60%, レポートおよび演習問題の提出40%で総合的に評価する。総合評価60点以上を合格とする。
試験はレポート形式を予定している。
注意点:
積極的な質問を歓迎します。教科書の該当範囲を予習しておくこと。

事前・事後学習、オフィスアワー

オフィスアワー:授業当日の16:00-17:00.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 微生物とは何か、微生物学の歴史 微生物の発見の経緯を知り、微生物の特徴を知る。
2週 微生物の進化と系統、多様性 微生物の高い多様性、系統的位置と機能との関連性を認識する。
3週 微生物を構成する物質、細胞構造とゲノム 微生物を構成する物質とその細胞構造、ゲノムについて知る。
4週 微生物の代謝の多様性とエネルギー獲得機構 微生物の代謝の多様性とエネルギー獲得機構の幅広さを認識する。
5週 微生物の増殖 微生物の増殖とその条件について理解する。
6週 微生物学の方法 微生物の生理生態を研究するための手法を理解し、説明できる。
7週 培養できない微生物 環境中にはまだ培養されていない微生物が多いことを理解し、それらについてどのような手法が適用できるか検討できる。
8週 環境中での微生物の役割、物質循環とエネルギーの流れ 環境中の微生物が地球規模の物質循環やエネルギーの流れの形成に関わっていることを理解する。
4thQ
9週 植物や動物と共生する微生物 微生物の共生、寄生などを介した動植物との関係性を知り、具体例を挙げて説明できる。環境中の微生物の多様な機能、他種との相互作用について知る。
10週 人の体と微生物(腸内フローラ、抗生物質、疾患と免疫) 人間と微生物の関係について考察できる。
11週 発酵食品と微生物、食品の保存 微生物の多様な代謝によって、様々な食品が作られていることを理解し、説明できる。
12週 極限環境と微生物 人間にとって極限的な環境においても微生物が生息していることを認識する。
13週 環境浄化と微生物 微生物の多様な機能を利用した環境浄化法とその利点、問題点について考察できる。
14週 遺伝子工学と微生物 遺伝子工学を用いた微生物による物質生産や組換え作物作成の利点、問題点について考察できる。
15週 学年末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4後1
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4後3
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4後4
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4後4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4後4
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4後4
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4後6
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4後6
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4
細胞周期について説明できる。4
分化について説明できる。4
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4後3
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4後11
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
ヌクレオチドの構造を説明できる。4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4
DNAの半保存的複製を説明できる。4
RNAの種類と働きを列記できる。4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4
解糖系の概要を説明できる。4後4
クエン酸回路の概要を説明できる。4後4
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4後4
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4後4
各種の光合成色素の働きを説明できる。4
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4
炭酸固定の過程を説明できる。4後4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4後1
原核微生物の種類と特徴について説明できる。4後1
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4後12
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4後12
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4後5
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4後5
微生物の育種方法について説明できる。4後5
微生物の育種方法について説明できる。4後5
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4後5
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4後5
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4後12
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4後12
食品加工と微生物の関係について説明できる。4後12
食品加工と微生物の関係について説明できる。4後12
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4後11
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4後11
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4後14
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力0000000
専門的能力60000040100
分野横断的能力0000000