到達目標
生物化学における熱力学および速度論的理論をもとに、生体反応におけるエネルギーの流れや生体分子の構造と機能、さらに酵素反応機構について理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 各種生体物質の構造と機能を具体的に例示して説明できる。 | 各種生体物質の構造と機能を説明できる。 | 各種生体物質の構造と機能を理解してない。 |
評価項目2 | 分子間に働く様々な力によって生体分子が構築されることを説明できる。 | 分子間に働く力の種類とその内容を説明できる。 | 分子間に働く力の種類とその内容を理解していない。 |
評価項目3 | 具体的な酵素の構造と機能を説明でき、ミカエリス-メンテン式から速度パラメータを算出できる。 | 酵素の機能を理解し、ミカエリス-メンテン式を理解し説明できる。 | 酵素の機能を理解していない。 |
学科の到達目標項目との関係
(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。
説明
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教育方法等
概要:
生体反応における重要な水中での酸−塩基の化学とその熱力学を復習し、タンパク質や核酸などの生体分子の物理化学的性質を演習を交えながら行う。さらに、生体分子の構造と機能に深く関わる分子間の相互作用と酵素の動力学について詳しく学ぶ。
授業の進め方・方法:
課題レポート20%、中間試験40%、期末試験40%で評価し、総合評価60点以上を合格とする。
試験問題のレベルは教科書章内の例題や章末の演習問題、レポート課題とした問題と同程度とする。
注意点:
事前・事後学習、オフィスアワー
適宜、生化学計算の問題を中心とした演習を行う。
この科目は学修単位科目であるため、事前・事後学習として課題レポートをほぼ毎週実施します。
【オフィスアワー】授業日に対応する。それ以外の日ではメールによる対応を行う。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
水溶液及び酸−塩基の化学: 水の特異性と生体反応 |
水の持つ性質から、生体反応における水の役割を理解する。
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2週 |
水溶液及び酸−塩基の化学: 酸-塩基反応 |
酸-塩基水溶液の濃度やpHを計算できる。
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3週 |
水溶液及び酸−塩基の化学: 緩衝溶液 |
緩衝液の組成やpHを計算できる。
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4週 |
生体エネルギー論: 化学熱力学 |
生体反応のギブズエネルギーからその平衡定数や平衡時の組成を計算できる。
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5週 |
生体エネルギー論: エネルギーと代謝 |
ATPと酵素の役割を理解し、代謝反応におけるエネルギーの流れを説明できる。
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6週 |
生体分子: アミノ酸、ペプチド、タンパク質 |
アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質の構造と機能を説明できる。
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7週 |
生体分子: 核酸、DNA、RNA |
核酸の構造と機能を説明できる。
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8週 |
生体分子: 糖質、脂質 |
糖質および脂質の構造と性質を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
中間試験 |
酸−塩基の反応や生体内での熱力学、および生体分子の構造と性質についての理解度を確認する。
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10週 |
分子間相互作用: ファンデルワールス力、静電的結合、水素結合、疎水性相互作用 |
生体分子の構造と機能に関わる分子間の相互作用について説明できる。
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11週 |
分子集合体: コロイド、ミセル、膜 |
分子の集合体によって構築されるコロイドやミセル、二分子膜の構造を説明できる。
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12週 |
分子集合体: 界面現象と膜透過 |
界面の化学および界面活性剤の構造と性質を説明できる。
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13週 |
酵素反応: 酵素の構造と性質 |
酵素の構造と特徴を説明できる。
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14週 |
酵素反応: 反応速度とミカエリス-メンテン式 |
ミカエリス-メンテン式を理解し、最大速度やミカエリス定数を計算できる。
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15週 |
期末試験 |
分子間の相互作用による集合体の形成やその特性、および酵素反応についての理解度を確認する。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 課題レポート | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 0 | 40 |
専門的能力 | 40 | 20 | 60 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |