薬学概論

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 薬学概論
科目番号 0146 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 5
開設期 集中 週時間数
教科書/教材 自作プリントなど
担当教員 斎藤 菜摘,佐藤 勝彦,佐藤 涼

到達目標

総合科学としての薬学を通じ、ものづくりに必要な分野横断的/統合的視野を養うことを目的とする。
1.薬学の基礎を理解し、薬学の理念と果たすべき役割について説明できる。
2.くすりの化学構造、作用機序、副作用を説明できる。
3.薬学研究の先端的事例について理解でき、薬剤師の職能と使命について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1薬学の基礎を理解し、薬学の理念と果たすべき役割について説明できる。薬学の基礎を理解している。薬学の基礎が理解できない。
評価項目2くすりの化学構造・作用機序、副作用を有機化学・生化学の観点から説明できる。くすりの作用機序、副作用などを理解している。くすりの作用機序、副作用などを理解できない。
評価項目3薬剤師の仕事と役割について理解し、医薬品の適正使用について説明できる。薬剤師の仕事と役割について理解している。薬剤師の仕事と役割について理解していない。

学科の到達目標項目との関係

(E) ものづくりに関する幅広い対応能力を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
薬学は物理学・生物学・化学・社会科学などを複合した総合科学としての側面を有している。はじめに、薬学を理解するための学術的背景、歴史、医療倫理、医薬品開発の仕組みを概説する。くすりのターゲットとなる人体の臓器・組織について正しい理解を得る。くすりの化学構造、作用機序と副作用について学ぶ。また、創薬科学の基礎として生体内物質を分子化学的観点で学ぶ。カリキュラムの後半では、創薬研究の潮流を概観すべくノーベル賞研究の事例から薬学・医学の発展について学ぶ。また、薬物が効果を発揮するための製剤設計・ドラッグデリバリーの考え方を知る。最後に現役の薬剤師を講師として、薬剤師の仕事と役割、くすりの適正使用について理解を深める。分野横断的な内容を通じて、いままでに学んだ個々の基礎専門知識を統合的に運用する視点を養う。
授業の進め方・方法:
2日間の集中講義形式で行う。自作のスライドとプリントで説明を行う。講義の最後にその内容に関するレポートを提出していただき、評価する。
注意点:
対面授業の場合、2日間という短期間で行うので欠席の無いようにしてください。また新型コロナ感染症の状況に応じ、一部講義をオンライン形式またはオンデマンド動画視聴形式に変更したハイブリッド型授業形式となる可能性があることをご承知願います。

事前・事後学習、オフィスアワー

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
集中講義

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 薬の科学知識 薬学の基礎として、健康と疾病、薬学の歴史、くすりの科学、医療と創薬の倫理、医薬品開発の仕組みを理解する。
2週 人体の構造・病気と薬 くすりの作用点たる人体の構造・臓器・組織を理解する。病気と薬の関係を理解する。
3週 医薬品化学 くすりの化学構造・作用機序・副作用の基礎を理解する。
4週 生体を構成する分子・創薬科学 生体を構成する分子を理解する。創薬の概要を理解する。
5週 薬とノーベル賞① ノーベル賞の研究を通して、薬学・医学の発展の歴史を理解する。
6週 薬とノーベル賞② ノーベル賞の研究を通して、薬学・医学の発展の歴史を理解する。
7週 薬と製剤 薬物の効果が十分に発揮できるような製剤設計・ドラックデリバリーシステムおよびその製品について理解する。
8週 薬剤師の職務と役割・薬の適正使用 薬剤師の仕事と役割について理解する。薬の適切な使用方法について理解する。
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4
生物化学酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
生物工学抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4

評価割合

態度その他(課題・テスト)合計
総合評価割合3070100
基礎的能力304070
専門的能力02020
分野横断的能力01010