工業力学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 工業力学
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 工業力学の基礎,福田勝己,鈴木健司,コロナ社
担当教員 小出 瑞康

到達目標

①点や剛体に働く力のつりあいが計算できるようになる。
②質点運動の距離,速度,加速度の関係を理解し,求められるようになる。
③剛体の運動を解析することができる
④運動量と力積の関係を理解できるようになる。
⑤摩擦を含む運動の解析を行うことができる
⑥力のなす仕事,動力,物体の持つ力学的エネルギを求められるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
点や剛体に働く力のつりあいが計算できるようになる複数の力による剛体のモーメントと力のつり合いが計算できる力のつり合い,モーメントのつり合いが計算できる力の合成と分解,モーメントの計算ができる力の合成と分解,モーメントの計算ができない
物体の重心を計算できるようになる重心の位置を計算するための積分の式を組み立てることができる積分を用いて物体の重心位置を計算できる 重心の位置から物体の安定性を判断できる代表的な形状を組み合わせた物体の重心の位置を計算できる重心の位置を計算できない
質点運動の距離,速度,加速度の関係を理解し,求められるようになる自由落下,斜方投射への適用ができる複数の関係式を用いて,質点運動の距離,速度,加速度等の計算ができる質点運動の距離,速度,加速度の計算ができる質点運動の距離,速度,加速度の計算ができない
慣性モーメントを計算できる慣性モーメントを計算するための積分の式を組み立てることができる平行軸の定理,直交軸の定理を用いて慣性モーメントを求めることができる慣性モーメントの意味を理解し,代表的な形状の公式を覚える慣性モーメントの意味を理解できない
運動方程式をたて物体の運動を解析できる並進運動と回転運動を含む剛体の運動の運動方程式をたて解析することができる二物体の運動方程式をたてることができる物体に作用する力を求め並進運動と回転運動の方程式をたてることができる運動方程式をたてることができない
摩擦の計算ができるベルト,軸受けなどの機械要素の摩擦を扱うことができる摩擦を含む運動の解析ができる摩擦,転がり摩擦を求めることができる摩擦,転がり摩擦を求めることができない
運動量と力積の関係を理解できるようになる斜め衝突,偏心衝突の解析ができる運動量保存の法則,角運動量保存の法則,跳ね返り係数を用いて運動の解析ができる運動量,角運動量,力積を求めることができる運動量,角運動量,力積を求めることができない
力のなす仕事,動力,物体の持つ力学的エネルギを求められるようになるエネルギー保存の法則とその他の法則を用いて運動の解析ができるエネルギー保存の法則を用いて運動の解析ができる仕事,動力,エネルギーを求めることができる仕事,動力,エネルギーを求めることができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
いままで学んだ物理の力学を工学的に使いこなせるようになるため,機械工業における力学問題の考え方やその解法の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
中間,期末に定期試験を実施する。
定期試験の成績を70%,予習や小テストの総点を30%として総合的に評価し,60点以上を合格とする。
注意点:
物理で学んだ力学が基礎となるので予習をしっかり行うこと。
指示した範囲の予習を必ず行うこと。小テスト等により学習状況を確認する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 工業力学導入 有効数字を理解する。
力学で用いられる物理量と単位の確認
2週 力とモーメント① 一点に働く力の表し方
力の合成と分解ができるようになる。
3週 力とモーメント② 剛体に働く力の特徴を理解し,モーメント,偶力を計算できるようになる。
4週 力のつり合い① 一点に働く力のつり合いの特徴を理解し,力の釣り合いを用いた計算ができるようになる。
5週 力とつり合い② 剛体に働く力のつり合いを用いた計算ができるようになる。
はりに作用する反力を計算できるようになる。
6週 力とつり合い③ トラスの部材に作用する引張応力,圧縮応力が計算できるようになる。
7週 重心① 基本的な形状を組み合わせた物体の重心を求めることができるようになる。
8週 重心② 積分を利用して物体の重心を計算できるようになる。
2ndQ
9週 運動学① 加速度,速度,物体の市の関係を理解し,これらの関係を用いて問題を解くことができるようになる。(自由落下,投げ上げ)
10週 運動学② 斜方投射の問題を解くことができ利用になる。
相対運動を理解し,相対速度,見かけの位置を示すことができるようになる。
11週 運動学③ 回転運動,等速円運動,等角加速度円運動を理解し,問題が解けるようになる。
12週 質点の動力学① ニュートンの運動法則を説明できるようになる。
13週 質点の動力学② 運動方程式を用いて,力,加速度灯を求められるようになる。
14週 質点の動力学③ 連結された複数物体について,運動方程式を立てることができるようになる。
15週 学習内容の総括 学習内容の確認
16週
後期
3rdQ
1週 質点の動力学④ 向心力と遠心力を求められるようになる。
2週 剛体の動力学① 慣性モーメントについて説明できるようになる。
簡単な形状の物体の慣性モーメントを求めることができるようになる。
3週 剛体の動力学② 平行軸の定理式について説明できる。この定理を用いて慣性モーメントを求めることができるようになる。
4週 剛体の動力学③ 直行軸の定理を用いて慣性モーメントを求めることができるようになる。
簡単な剛体の平面運動を解析することができる。
5週 剛体の動力学④ 剛体の並進運動,角運動方程式を立て,運動を解析できるようになる。
6週 摩擦① 摩擦係数を用いた問題を解くことができる。
7週 摩擦② 転がり摩擦を用いた問題を解くことができる。
8週 摩擦③ ベルト,くさびなどの機械要素の摩擦問題を取り扱うことができるようになる。
4thQ
9週 運動量と力積① 運動量と力積を理解し,求められるようになる。
運動量保存の法則を用いて問題を解くことができるようになる。
10週 運動量と力積② 角運動量を理解し求められるようになる。
角運動量保存の法則を用いて問題を解くことができるようになる。
11週 運動量と力積③ 運動量保存の法則と反発係数を用いて物体の衝突問題を解くことができるようになる。
12週 仕事,動力,エネルギー① 仕事,動力を求めることができるようになる。
13週 仕事,動力,エネルギー② 回転を含む力学的エネルギーを求められるようになる。
14週 仕事,動力,エネルギー③ エネルギー保存の法則を用いて運動の解析ができるようになる。
15週 学習内容の総括
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4

評価割合

試験小テスト等相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000