機械工作法Ⅱ

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 機械工作法Ⅱ
科目番号 0070 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 改訂 機械工作法Ⅱ、米津栄、朝倉書店  配付資料
担当教員 松本 匡以

到達目標

①切削抵抗について理解し、2次元切削での切削抵抗を計算で求められる。
②切削条件と工具寿命の関係を理解し、テイラーの式を用いて工具寿命時間が計算できる。
③比切削抵抗と切削動力について理解し、旋削加工時の消費動力を計算できる。
④切削加工と研削加工、及びその加工に使用される工作機械の基礎知識を身につけ、機械部品等の設計に応用できる。
⑤簡単な切削加工と研削加工の加工条件を決められる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械加工の分野のうち、不要部分を切りくずとして取り除く、切削加工(旋削・穴加工・フライス加工)と研削加工について学習する。あわせて、レーザや放電等を応用した除去加工の概要についても学ぶ。
授業の進め方・方法:
中間試験は50分間の試験を実施する。期末試験は50分間の試験を実施する。
定期試験の成績を70%、課題を20%、学習態度を10%として総合的に評価し、60点以上を合格とする。
注意点:
これまで学習してきた、数学・物理・工作実習等と関連づけて考えることが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械加工の意義、切削加工の目的と方法 生産道、哲学、機械加工の分類、切削加工の特徴
2週 切りくず生成と構成刃先 切削模型、切りくずの形態、構成刃先生成の条件
3週 切削理論 2次元切削、切削抵抗、せん断角の求め方
4週 切削熱、切削工具材料(1) 切削熱源と測定方法、工具材料に必要な性質
5週 切削工具材料(2)、切削工具形状 各種工具材料の特性、バイトの形状と表記方法
6週 工具摩耗と寿命 工具損傷の形態、工具寿命曲線(テイラーの式)
7週 1週から7週までのまとめ
8週 切削加工の経済性 切削速度・送りと切込み・工作物と経済性との関連
2ndQ
9週 びびり びびりの発生原因、びびりの種類、びびりの対策
10週 旋削加工と旋盤 旋盤の機構、旋盤の大きさ、旋盤の種類
11週 旋削の方法と工作物の取付け法 旋削加工の種類、センタ仕事、チャック仕事
12週 旋削加工の留意点、旋削時の所要動力 バイトの種類、切削条件、比切削抵抗、消費動力
13週 穴加工の概要、中ぐり加工、工具と中ぐり盤 穴加工の分類、中ぐりの方法、横中ぐり盤
14週 中ぐり盤とマシニングセンタ、FMS マシニングセンタ、ATC、自動搬送、FMS
15週 ボール盤を用いた穴加工 穴あけ・リーマ加工・沈め穴あけ、穴加工の特徴
16週
後期
3rdQ
1週 ねじれ刃ドリル ねじれ刃ドリル各部の名称と特徴
2週 ドリル加工の生産性と精度、リーマとボール盤加工 生産性・精度向上対策、リーマ加工とリーマの種類
3週 特殊なドリルとそれらを用いた穴加工、ボール盤 油穴付ドリル・深穴ドリル、ボール盤の種類と構造
4週 フライス加工の概要、切削作用(1) フライス加工の特徴、周刃フライスの切削作用
5週 切削作用(2)、フライス加工の生産性と精度 正面フライスの切削作用、生産性・精度向上対策
6週 周刃フライスと正面フライス 周刃フライス・正面フライスの種類と構造
7週 16週から21週までのまとめ
8週 エンドミルを用いた金型加工 金型、3次元形状の切削、工具経路、切削量の変動
4thQ
9週 フライス盤、NC加工 フライス盤の種類と構造、NCの概要とサーボ機構
10週 研削加工概要、研削砥石(1) 研削加工のメカニズム、研削砥石の要素
11週 研削砥石(2) 研削砥石の要素、砥石の表記方法
12週 円筒研削、内面研削、心なし研削 各研削法と研削盤、トラバース・プランジカット
13週 平面研削、研削作業 平面研削の方法、研削条件、砥石の目立てと整形
14週 電子ビーム加工、レーザ加工、放電加工等 それぞれの加工法の概要と特徴
15週 機械工作法の展望 コンピュータ利用、高精度化、地球環境への配慮
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。4
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4
金属と合金の結晶構造を説明できる。4
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。4
合金の状態図の見方を説明できる。4
塑性変形の起り方を説明できる。4
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4
鉄鋼の製法を説明できる。4
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4
焼きなましの目的と操作を説明できる。4
焼きならしの目的と操作を説明できる。4
焼入れの目的と操作を説明できる。4
焼戻しの目的と操作を説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。4
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。4
やすりを用いて平面仕上げができる。4
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。4
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。4
アーク溶接の基本作業ができる。4
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。4
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。4
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。4
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。4
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。4
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。4
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。4
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702001000100
基礎的能力702001000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000