精密工学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 精密工学
科目番号 0124 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 配布資料
担当教員 高橋 義考

到達目標

①機械系エンジニアとしてモノづくりの基礎をマスターする.
②各種精密加工の原理・技術を理解し,高精度が要求される部品等の設計,製作時に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1~4年で学んだモノづくりの基礎を復習・再理解し,その応用として更に精密なモノづくりを行うためにはどんな方法・考え方があるかを学ぶ.
授業の進め方・方法:
注意点:
これまでの専門科目で学んだ知識を復習し理解しておくこと.この授業の内容を基本的な物理化学的原理原則に関連づけて理解するよう心がけること.
自学自習の確認方法:課題プリントを配布し定期的に提出させる.
試験80%,課題20%,60点以上を合格とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 精密工学の定義 正確さ・精密さ・誤差,精密機械の定義
2週 精密装置の例 超精密滑り面,誤差補正装置の仕組み
3週 精密機械の例 超精密制御系,真円度測定機の仕組み
4週 精密加工の原則 加工段階とその法則,加工誤差の原因とその対策
5週 精密に加工するには 工具および工作機械の持つべき性質
6週 精密加工工具と保持具 工具の切れ刃形状とその効果,工作物のひずみの少ない保持方法
7週 精密加工の例 ブロックゲージの精度,材料,加工工程
8週 中間試験 50分の試験を実施する
4thQ
9週 NCの原理 NC工作機械の駆動原理とサーボ機構
10週 自由曲面の精密加工 高精度輪郭制御,滑らかなNURBS-NC補間の仕組みと応用
11週 特殊加工 放電加工,電子ビーム加工,レーザ加工の仕組みと応用
12週 微細加工 化学反応による加工機構と制御方法
13週 精密測定論 測定基準,形状・温度・弾性変形の影響
14週 精密測定装置 精密測定装置の仕組み,応用,測定の自動化
15週 まとめ 期末試験結果の説明,授業アンケート実施
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計標準規格の意義を説明できる。4
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4
標準規格を機械設計に適用できる。4
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。4
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。4
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。4
軸の種類と用途を理解し、適用できる。4
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。4
キーの強度を計算できる。4
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。4
滑り軸受の構造と種類を説明できる。4
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。4
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。4
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。4
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。4
歯車列の速度伝達比を計算できる。4
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。4
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。4
工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。4
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。4
鋳物の欠陥について説明できる。4
溶接法を分類できる。4
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。4
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。4
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。4
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。4
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。4
材料機械材料に求められる性質を説明できる。4
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4
金属と合金の結晶構造を説明できる。4
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。4
合金の状態図の見方を説明できる。4
塑性変形の起り方を説明できる。4
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4
鉄鋼の製法を説明できる。4
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4
焼きなましの目的と操作を説明できる。4
焼きならしの目的と操作を説明できる。4
焼入れの目的と操作を説明できる。4
焼戻しの目的と操作を説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000