概要:
中学理科の基礎の上に,さらに進んだ化学的な方法で自然の事物・現象に関する問題を取り扱い,高専における専門教育の基礎となる基本的な概念や原理・法則を理解する。また,化学的/科学的な思考方法を修得する。
授業の進め方・方法:
定期試験の成績を80%, 小テストや課題,授業へ取り組みなどの平素の学習状況を20%として総合的に評価し,60点以上を合格とする。中間試験,期末試験ともに50分間で実施する。
注意点:
工学系技術者として必要な基礎的な内容のみならず,物質工学科のほぼ全ての専門科目の基礎となる内容について学習する。参考書などを学習に取り入れ,授業ごとの予習と復習を行うことで理解に努めること。授業ごとの復習等で分からなくなったところは,次週の授業までに質問し,各週の授業内容の理解を深めることに努めること。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 3 | 前1 |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 3 | 前1 |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | 前3 |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前2 |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前2,前3 |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | 前1,前2 |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 3 | 前1 |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | 前1,前6 |
水の状態変化が説明できる。 | 3 | 前2,後9,後13 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | 前2,後9 |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | 後11,後12 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | 後11,後12 |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | 前3 |
同位体について説明できる。 | 3 | 前3 |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | 前3 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | 前4,前5 |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | 前4,前5,前6 |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | 前4,前5,前6 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | 前4,前5,前6 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | 前4,前5 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | 前4,前5 |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | 前4,前5 |
イオン結合について説明できる。 | 3 | 前4,前5 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | 後8 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | 後8 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前6,前7 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | 前6,前7,後6 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | 後8 |
金属の性質を説明できる。 | 3 | 前8,後8 |
原子の相対質量が説明できる。 | 3 | 前9 |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 3 | 前9 |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | 前9 |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 3 | 前9 |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 3 | 前9 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | 前10 |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | 前11 |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 3 | 前11,前14 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | 前10 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | 前10,前12 |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 3 | 前12 |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 3 | 前12,前13 |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 3 | 前12,前14 |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 3 | 前12 |
中和反応がどのような反応であるか説明できる。 | 3 | 前13 |
中和滴定の計算ができる。 | 3 | 前13 |
酸化還元反応について説明できる。 | 3 | 後1 |
イオン化傾向について説明できる。 | 3 | 後3,後4 |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 3 | 後3,後4 |
ダニエル電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 後3 |
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 後3 |
一次電池の種類を説明できる。 | 3 | 後3 |
二次電池の種類を説明できる。 | 3 | 後3 |
電気分解反応を説明できる。 | 3 | 後4 |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 3 | 後4 |
ファラデーの法則による計算ができる。 | 3 | 後4 |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬の調製ができる。 | 3 | |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 3 | |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 3 | |
人文・社会科学 | 英語 | 英語運用能力の基礎固め | 日常生活や身近な話題に関して、毎分100語程度の速度ではっきりとした発音で話された内容から必要な情報を聞きとることができる。 | 3 | |
日常生活や身近な話題に関して、自分の意見や感想を基本的な表現を用いて英語で話すことができる。 | 3 | |
説明や物語などの文章を毎分100語程度の速度で聞き手に伝わるように音読ができる。 | 3 | |
平易な英語で書かれた文章を読み、その概要を把握し必要な情報を読み取ることができる。 | 3 | |
日常生活や身近な話題に関して、自分の意見や感想を整理し、100語程度のまとまりのある文章を英語で書くことができる。 | 3 | |
母国以外の言語や文化を理解しようとする姿勢をもち、実際の場面で積極的にコミュニケーションを図ることができる。 | 3 | |