モノづくり基礎

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 モノづくり基礎
科目番号 0016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 基礎シリーズ 機械実習 1・2 嵯峨常生 実教出版 配布資料
担当教員 小出 瑞康,篠木 政利,赤尾 尚洋

到達目標

①ノギスを使って物の長さ,穴の径を測ることができる
②旋盤の基本操作法を理解し,作品を製作できる
③フライス盤の基本操作法を理解し,簡単な加工ができる
④溶接について理解し,簡単な溶接作業ができる
⑤手仕上げについて理解し,けがき,金のこによる切断,ヤスリがけ,ネジ切り作業ができる
⑥学術的な報告書を書くための基本的な作法を身につける

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
ノギスを使って物の長さ,穴の径を測ることができる工作機械に取り付けられた工作物の寸法を,ノギスを用いて適切に測定することができる工作物の寸法を,ノギスを用いて適切に測定することができるノギスによる測定方法を理解しているノギスによる測定方法を理解していない
旋盤の基本操作法を理解し,簡単な加工ができる旋盤を使って段付き削り,テーパ加工,中ぐり加工を行いほぼ許容範囲内の寸法で作品を作製することができる旋盤を使って段付き削り,テーパ加工,中ぐり加工を行い作品を作製することができる旋盤を使って外丸削り,端面削りができる旋盤を使って加工を行うことができない
フライス盤の基本操作法を理解し,簡単な加工ができるフライス盤作業で正面フライス,エンドミルを用いてテーパ溝付きブロックを許容範囲内の寸法で作製することができるフライス盤作業で正面フライス,エンドミルを用いてテーパ溝付きブロックを作製することができるフライス盤作業で正面フライスを用いてブロックを作製することができるフライス盤を使って加工を行うことができない
溶接について理解し,簡単な溶接作業ができるガス溶接,アーク溶接によって,すみ肉溶接,突き合わせ溶接ができるガス溶接,アーク溶接で,ビードを置くことができるガス溶接,アーク溶接の溶接作業ができるガス溶接,アーク溶接の溶接作業ができない
手仕上げについて理解し,けがき,金のこによる切断,ヤスリがけ,ネジ切り作業ができるけがき,金のこによる切断,ヤスリがけ,ネジ切り作業を行い作品を作製することができるけがき,金のこによる切断,ヤスリがけ,ネジ切り作業が一通りできるけがき,金のこによる切断,ヤスリがけ,ネジ切りの方法を理解しているけがき,金のこによる切断,ヤスリがけ,ネジ切りの方法を理解していない
学術的な報告書を書くための基本的な作法を身につける目的,実習方法,結果,考察が有機的に構成された,十分な情報を含む報告書を適切書式で作成することができる十分な情報を含む報告書を適切な構成,書式で作成することができる報告書を適切な構成,書式で作成することができる報告書を適切な構成,書式で作成することができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
基礎的な機械製作技術と寸法測定法を習得し,機械工学の基本となる「モノづくり」の体験を通して発想力を養う。
授業の進め方・方法:
レポートを60%,作品などを40%として総合的に評価し,60点以上を合格とする。
注意点:
安全を第一に考え,基本的な加工技術をしっかり習得すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスと安全教育 日本のモノづくり技術および安全教育,寸法測定法の基礎
2週 旋盤Ⅰ-(1) 旋盤の基礎知識と操作方法及び寸法測定方法を身につける
3週 旋盤Ⅰ-(2) 芯出し,外径削り,内径削りの基礎を身につける
4週 旋盤Ⅰ-(3) 寸法精度を意識した旋削を行えるようになる
5週 フライス盤Ⅰ-(1) フライス盤の基礎知識と操作方法及び寸法測定方法を身につける
6週 フライス盤Ⅰ-(2) 立フライスの基本作業方法を身につける1
7週 フライス盤Ⅰ-(3) 立フライスの基本作業方法を身につける2
8週 溶接Ⅰ-(1) 溶接の基礎知識と基本作業
2ndQ
9週 溶接Ⅰ-(2) ガス溶接作業の基礎を身につける
10週 溶接Ⅰ-(3) アーク溶接作業の基礎を身につける
11週 手仕上げⅠ-(1) 手仕上げの基礎知識とケガキ・ヤスリの基本作業を身につける
12週 手仕上げⅠ-(2) 金属板の切断作業が行えるようになる
13週 手仕上げⅠ-(3) 金属板の切断作業が行えるようになる
14週 旋盤Ⅱ-(1) 仕上げ加工を実践できるようになる
15週 旋盤Ⅱ-(2) テーパー加工を実践できるようになる
16週
後期
3rdQ
1週 旋盤Ⅱ-(3) ネジ加工ができるようになる
2週 旋盤Ⅱ-(4) ドライバー部品の作製を行う
3週 フライス盤Ⅱ-(1) こう配溝付き作業を行えるようになる
4週 フライス盤Ⅱ-(2) こう配溝付き作業を行えるようになる
5週 フライス盤Ⅱ-(3) こう配溝付き作業を行えるようになる
6週 フライス盤Ⅱ-(4) ドライバー部品を作製する
7週 溶接Ⅱ-(1) ガス溶接作業を実践できるようになる
8週 溶接Ⅱ-(2) アーク溶接作業を実践できるようになる
4thQ
9週 溶接Ⅱ-(3) TIG溶接の基本作業を体験する
10週 溶接Ⅱ-(4) TIG溶接の基本作業を体験する
11週 手仕上げⅡ-(1) ネジ切り作業を行えるようになる
12週 手仕上げⅡ-(2) 手仕上げによる立体の作製をとおしてヤスリ作業を身につける
13週 手仕上げⅡ-(3) ドライバー部品の作製を行う
14週 手仕上げⅡ-(4) 万能投影機による長さ・角度測定法を身につける
15週 実習のまとめ 実習総括,工場見学
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。4
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。4
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。4
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。4
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。4
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。4
他者の意見を聞き合意形成することができる。4
合意形成のために会話を成立させることができる。4
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。4
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。4
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。4
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。4
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。4
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。4
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。4
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる4
複数の情報を整理・構造化できる。4
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。4
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。4
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。4
事実をもとに論理や考察を展開できる。4
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。4
目標の実現に向けて計画ができる。4
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。4
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。4
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。4
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。4
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。4
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。4
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。4
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。4
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。4
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている4
法令やルールを遵守した行動をとれる。4
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。4
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。4
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。4
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。4
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。4
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。4
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。4
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。4
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。4
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。4
企業には社会的責任があることを認識している。4
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。4
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。4
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。4
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。4
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。4
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。4
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。4
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。4
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。4
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。4
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。4
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。4
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。4
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。4
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。4

評価割合

試験レポート作品点態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合06040000100
基礎的能力06040000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000