工学実験

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 工学実験
科目番号 0098 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:3 後期:3
教科書/教材 機械工学実験 ~4,5年生実験テキスト~
担当教員 鄭 耀陽,一色 誠太,松尾 忠利,篠木 政利,小出 瑞康,鈴木 茂和,野田 幸矢,赤尾 尚洋,髙橋 章,新任 教員

到達目標

実験を行って結果を整理し、現象の本質を理解するとともに、報告書の書き方を訓練し、技術者としての基礎を身につけることができる。特に①材料・材料強度の内容が理解できる。②熱および流体工学の内容が理解できる。③振動・環境・制御工学の内容が理解できる。④生産・設計工学の内容が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1到達目標の内容を実践で理解し、応用できる。到達目標の内容を実践で理解している。到達目標の内容を実践で理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (E) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
講義で学習した機械工学の基礎事項を実験を通して把握する。また、結果の整理・考察、報告書の作成等を通して、技術者の基礎力を養成する。
この科目では、企業でCADシステムを利用した生産設備等の設計と、併せて企業内でのCADシステムの普及・利用方法教育等を担当した教員が、その経験を活かし、CADシステムの使用方法について実験の授業を行う(3D-CAD:4,5年生)。また、企業で産業用ロボットを利用した生産設備の開発等を担当した教員が、その経験を活かし、産業用ロボットの概要について実験の授業を行う(多関節ロボット:5年生)。さらに、企業で技術開発(大型計算機による製鉄の各工程を統合する工程管理システムの構築及び転炉内部の熔鉄を攪拌させるためのアルゴンガスの流動特性並びにスターリングエンジンの開発研究)を担当した教員がその経験を活かし、毛細管から落下する液滴の質量測定(5年)並びにスターリングエンジンの軸出力の測定(5年)について実験指導を行う。
授業の進め方・方法:
試験は実施しない。
レポート60%、実験で得られたデータの精度等を40%として総合的に評価し、60点以上を合格とする。
注意点:
実験の目的や内容を正しく把握し、実験の手順についても注意する。
自学自習の確認方法:報告書は一週間後までに提出すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスと安全教育 レポートの提出方法等
2週 材料・材料強度 熱分析法による二元系合金平衡状態図の作成(1)
3週 材料・材料強度 熱分析法による二元系合金平衡状態図の作成(2)
4週 材料・材料強度 有限要素法による応力解析(1)
5週 材料・材料強度 有限要素法による応力解析(2)
6週 材料・材料強度 はり構造の力学実験(1)
7週 材料・材料強度 はり構造の力学実験(2)
8週 流体・流体機械 毛細管から落下する液滴の重さ(1)
2ndQ
9週 流体・流体機械 毛細管から落下する液滴の重さ(2)
10週 流体・流体機械 円柱周りの圧力分布と後流の測定(1)
11週 流体・流体機械 円柱周りの圧力分布と後流の測定(2)
12週 熱・伝熱 α型ピンフィンスターリングエンジンの軸出力の測定(1)
13週 熱・伝熱 α型ピンフィンスターリングエンジンの軸出力の測定(2)
14週 熱・伝熱 非定常熱伝導実験と解析解および数値計算法(1)
15週 熱・伝熱 非定常熱伝導実験と解析解および数値計算法(2)
16週
後期
3rdQ
1週 振動・制御 片持ちはりの共振実験(1)
2週 振動・制御 片持ちはりの共振実験(2)
3週 振動・制御 シーケンス制御の実験
基礎(1)
4週 振動・制御 シーケンス制御の実験
基礎(2)
5週 振動・制御 シーケンス制御の実験
応用(1)
6週 振動・制御 シーケンス制御の実験
応用(2)
7週 設計・生産 3D-CADによる応用形状設計(1)
8週 設計・生産 3D-CADによる応用形状設計(2)
4thQ
9週 設計・生産 多関節ロボットの制御(1)
10週 設計・生産 多関節ロボットの制御(2)
11週 設計・生産 3次元測定機による基本形状測定(1)
12週 設計・生産 3次元測定機による基本形状測定(2)
13週 環境 騒音の測定と解析(1)
14週 環境 騒音の測定と解析(2)
15週 総括演習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。4
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。4
やすりを用いて平面仕上げができる。4
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。4
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。4
アーク溶接の基本作業ができる。4
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。4
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。4
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。4
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。4
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。4
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。4
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。4
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

レポート実験精度等相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力60400000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000