エネルギー機械

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 エネルギー機械
科目番号 0106 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 ターボ機械協会編、ターボ機械(入門編)新改定版、日本工業出版
担当教員 一色 誠太

到達目標

①流体機械の基本的な構造・性能・適用範囲などの十分な知識を得ること。
②ポンプ・ターボチャージャー・ジェットエンジンなどの流体力学の性能計算ができるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
エネルギー機械(流体機械)には、ポンプ、水車、圧縮機、風車、蒸気タービンなどがあり、発電・化学・産業などの各種プラント、船舶・航空システムなどに幅広く使用されている。流体機械の作動原理、構造、性能などに関する知識を習得するとともに、流体機械を設計するための基本的計算能力を養うことを目的とする。
この科目は企業で技術開発(大型計算機による製鉄の各工程を統合する工程管理システムの構築及び転炉内部の熔鉄を攪拌させるためのアルゴンガスの流動特性並びにスターリングエンジンの開発研究)を担当した教員がその経験を活かし、ポンプやターボチャージャーなどの特性等について授業を行う。
授業の進め方・方法:
中間試験は授業時間中で50分の試験を実施する。期末試験は50分の試験を実施する。
定期試験の成績を80%,自学自習課題の実施状況を20%として総合的に評価し,60点以上を合格とする。この科目は学修単位科目のため、事前、事後の学習として、レポートを実施する。
注意点:
4年生の水力学が基礎となるので、内容の理解に役立てること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 流体機械の各種プラントへの事例をカラースライドで理解する。
2週 流体エネルギー、動力、エネルギー変換 エネルギー保存則、動力、状態方程式、運動量の法則などを理解する。
3週 エネルギーの成分、羽根車の形状、損失と効率 速度三角形、オイラーヘッド、羽根車の形状、効率の計算方法などの理解
4週 遠心羽根車速度三角形とオイラーヘッド 遠心羽根車(ターボチャージャー、ポンプ)の速度三角形の任意問題に解答できること。
5週 軸流羽根車、斜流羽根車 軸流羽根車の構造、内部流れ、翼列、斜流羽根車などを理解する。
6週 軸流羽根車速度三角形とオイラーヘッド 軸流羽根車(ジェットエンジン)の速度三角形の任意問題に解答できること。
7週 ターボチャージャー ターボチャージャーの速度三角形に関する問題演習
8週 中間試験
4thQ
9週 相似則とポンプ運転(1) 相似則、次元解析、比速度、特性曲線などを理解する。
10週 相似則とポンプ運転(2) 相似則、次元解析、比速度、特性曲線などを理解する。
11週 ポンプ楊程計算(1) 練習問題によりポンプ運転に必要な楊程を学習する(下部貯水池から上部貯水槽への送水等)
12週 ポンプ楊程計算(2) 練習問題によりポンプ運転に必要な楊程を学習する(浄水場から製紙工場への送水等)
13週 ポンプにおける実機予測の為の模型設計方法 練習問題によりポンプ実機に必要な模型の設計方法を学習する。
14週 ターボ圧縮機 ターボ圧縮機による圧縮性流体の理論圧力上昇の理解
15週 ターボ圧縮機楊程計算 ターボ圧縮機の楊程が計算できること。
16週 総括的な学習 総合的問題演習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4
定常流と非定常流の違いを説明できる。4
流線と流管の定義を説明できる。4
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4
オイラーの運動方程式を説明できる。5
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。5
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。5
層流と乱流の違いを説明できる。4
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000