パワーエレクトロニクス

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 パワーエレクトロニクス
科目番号 0076 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 パワーエレクトロニクス,江間 敏・高橋 勲,コロナ社
担当教員 鈴木 晴彦

到達目標

①各種サイリスタ,パワーデバイス,ゲート・トリガ素子等の特性や動作原理を理解し,各種スイッチング回路の定数計算ができること.
②各種パワーデバイスを用いた交流・直流の電力変換・制御方法を理解し,基本的な回路設計が理解できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
パワーエレクトロニクスを支える各種の電力用半導体デバイスの特性を十分理解したうえで,それらを用いた電力変換・制御および電力機器・家庭電気機器等への応用について学んでいく.
授業の進め方・方法:
定期試験の成績を80%,小テストや課題等の総点を20%として総合的に評価し,60点以上を合格とする.
中間試験は授業時間中に50分間で実施する.期末試験は50分間で実施する.
注意点:
パワーエレクトロニクスは,複合技術分野である.そのため電気・電子回路設計,過渡現象などの基礎知識を充分に整理したうえで,電力変換・制御回路等への応用にふれていくことが重要である.
自学自習の確認方法―課題プリントを学生に配布し,それを定期的に提出させる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 パワーエレクトロニクスとは パワーエレクトロニクスの概念
2週 ダイオードとトランジスタ ダイオードとトランジスタのスイッチング
3週 各種パワーデバイスの特性 FET, MOSFET, IGBTの動作原理と特性,および実用例
4週 サイリスタの基本特性 3端子逆阻止型サイリスタの構造,動作,基本特性
5週 ターンオン・ターンオフ特性 3端子逆阻止型サイリスタのターンオン・ターンオフ特性
6週 サイリスタによる位相制御 位相制御による白熱球の明るさ制御
7週 後期中間試験
8週 特殊サイリスタ DIAC, TRIAC, GTOなどの特性と動作
4thQ
9週 ゲート回路とスイッチ回路Ⅰ CR回路の充放電,LC回路の振動
10週 ゲート回路とスイッチ回路Ⅱ トリガ素子,位相制御
11週 整流回路Ⅰ 単相半波整流,単相全波整流
12週 整流回路Ⅱ 三相半波整流,三相全波整流
13週 直流電力変換 DCチョッパ回路とスイッチングレギュレータ
14週 インバータ回路の特性Ⅰ PWM制御型インバータ回路の動作と特性
15週 インバータ回路の特性Ⅱ IGBTを用いたインバータ回路の動作と特性
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。4
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
直流機の原理と構造を説明できる。4
誘導機の原理と構造を説明できる。4
同期機の原理と構造を説明できる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4
高調波障害について理解している。4
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4
電力システムの経済的運用について説明できる。4
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4
オシロスコープを用いた波形観測(振幅、周期、周波数)の方法を説明できる。4

評価割合

試験課題等相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000