電力システム工学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電力システム工学
科目番号 0110 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 新改版 送配電,前川幸一郎,東京電機大学
担当教員 鈴木 晴彦,橋本 慎也

到達目標

①送電線路の構成と電気的基本特性を理解し、電験二種程度の送電線路の基本問題が解けるようになること。②送電線路の故障について理解し、電験二種程度の故障計算問題が解けるようになること。③送電線路の安全運転について理解し、電験二種程度の安全運転に関する問題が解けるようになること。④配電線路の構成と電気的基本特性を理解し、電験二種程度の配電線路に関する問題が解けるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
配電線路および送電線路の構成と電気的諸特性について学び、電力をいかに効率よく安全に送配電するかという基礎的問題を考察し、解析する。
授業の進め方・方法:
定期試験の成績を80%、小テストや演習問題の成績を20%として総合的に評価し、60点以上を合格とする。
中間試験および期末試験は50分間で実施する。再試験は総合成績が40点以上60点未満の者にのみ受験を許可する。
注意点:
電力システム工学は電気磁気学、電気回路などの基礎知識が必要である。基礎の理解とともに実際の問題に多くふれ電力工学全般について理解を深めることが重要である。
自学自習の確認方法:課題プリントを配布し、それを定期的に提出させて確認する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 送配電の変遷と構成 送配電技術の歴史,広域運用,送電電圧・電力,直流送電
2週 送電線路の線路定数1 抵抗,作用インダクタンス,ねん架,表皮効果
3週 送電線路の線路定数2 作用静電容量,複導体線路
4週 送電特性1 短距離送電,電圧降下
5週 送電特性2 中距離送電,T形・π形回路,送・受電端電圧,送電効率
6週 送電特性3 長距離送電,伝搬定数,特性インピーダンス
7週 総合演習 これまでの内容の総括
8週 送電線路の四端子網回路 送電線路における四端子網回路解析
2ndQ
9週 送電電力計算 受電端力率,無効電力,直列コンデンサ
10週 電力円線図1 電力方程式,送・受電電圧間の位相差,最大受電電力
11週 電力円線図2 調相容量,調相機,電力用コンデンサ,分岐リアクトル
12週 故障計算1 %インピーダンス,単位法
13週 故障計算2 対称座標法
14週 故障計算3 地絡故障
15週 総合演習 これまでの内容の総括
16週
後期
3rdQ
1週 中性点接地方式1 消弧リアクトル接地
2週 中性点接地方式2 中性点残留電圧
3週 異常電圧とその保護 異常電圧,誘導障害,進行波
4週 保護継電器 保護継電器の種類,発電機・変圧器の保護,送電線の保護
5週 遮断機,避雷器 遮断現象,定格遮断電流・容量,避雷器の任務,絶縁協調
6週 送電線の安定度 送電線の安定度
7週 総合演習 これまでの内容の総括
8週 配電方式 電圧の調整,配電線路の電気方式,V結線変圧器の出力
4thQ
9週 配電線路の計画 需要率,不等率,負荷率,配電用変圧器
10週 配電線路の計算1 配電線の電圧,電圧降下
11週 配電線路の計算2 配電線の電力損失,力率改善
12週 電力の需要と供給のバランス 電力の需給バランスと維持
13週 電力システムの制御 周波数・発電力制御,電圧・無効電力制御
14週 電力の自由化 電力の自由化,分散型電源,電力品質,電力流通サービス
15週 スマートコミュニティ 最近の電力分野の技術動向について
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
直流機の原理と構造を説明できる。4
誘導機の原理と構造を説明できる。4
同期機の原理と構造を説明できる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4
電力システムの経済的運用について説明できる。4
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000