電気電子材料Ⅱ

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気電子材料Ⅱ
科目番号 0122 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 電子・電気材料工学,川端 昭・大森豊明,培風館 / 電気電子機能材料,一之瀬昇,オーム社
担当教員 鈴木 晴彦

到達目標

①導電材料,絶縁材料,半導性材料の基本特性を理解し,それらの具体的な電気電子材料として「超伝導体」,「強誘電体」,および「半導体セラミックス」をとりあげ,実用のポイントがどこにあるかを理解できるようにする.
②導電材料,絶縁材料の電気的特性評価方法を理解し,また材料開発に欠くことのできない代表的な熱分析法の原理も併せて理解し、電気物性計測の実験計画が立てられるようにする.
③電気材料工学に関する英文文献の概要理解と図表理解ができるようにする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
材料の電気的性質に関する微視的理解材料の電気的性質に関し微視的に理解し、応用できる。材料の電気的性質に関し微視的に理解している。材料の電気的性質に関し微視的に理解していない。
超伝導材料の基本性質,超伝導物質,超伝導応用超伝導材料の基本性質,超伝導物質,及び実用機器の原理を理解し、応用について検討できる。超伝導材料の基本性質,超伝導物質,及び実用機器の原理を理解している。超伝導材料の基本性質,超伝導物質,及び実用機器の原理を理解していない。
誘電材料の基本的性質,強誘電性,強誘電物質,強誘電性の応用誘電材料の基本的性質,強誘電性,強誘電物質,および実用デバイスの原理を理解し、応用について検討できる。誘電材料の基本的性質,強誘電性,強誘電物質,および実用デバイスの原理を理解している。誘電材料の基本的性質,強誘電性,強誘電物質,および実用デバイスの原理を理解していない。
電気的計測や熱分析による物質の状態変化電気的計測や熱分析による物質の状態変化について理解し、計測結果について十分な検討ができる。電気的計測や熱分析による物質の状態変化について理解している。電気的計測や熱分析による物質の状態変化について理解していない。
英文文献の読解、図表の英文タイトルの作成英文資料の内容を理解し、図表の英文タイトルの作成ができる。英文資料の内容を理解している。英文資料の内容を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機能性材料として注目される新材料の中で,超伝導材料,強誘電材料,および機能性セラミックス材料などを中心に,基本特性と応用例について理解を深める.
授業の進め方・方法:
授業は主に講義と演習によって進めるが,グループワーク等によって授業内容のまとめと振り返りをする.
適宜、授業項目に関連する英文文献を資料として活用し、電気材料工学分野の英単語や英文表現に慣れ、図・表の英文タイトルなどを作成できるようにする.
中間試験は50分間で実施する.期末試験は50分間で実施する.
定期試験の成績を70%,演習や課題等の総点を30%として総合的に評価し,60点以上を合格とする.
注意点:
「電気電子材料Ⅰ」の内容を復習し,理解しておく必要がある.また,各種材料の基礎物性を理解するためにも物理学,有機・無機化学等の基礎知識も必要であるので平常学習しておく必要がある.適宜グループ学習を取り入れて,まとめと振り返りをおこなう.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気材料とは 機能性材料の電気的特徴や分類、用途について説明できる.
2週 常伝導体 常伝導金属・導電性セラミックスの抵抗,抵抗率の温度依存,磁気抵抗効果について説明できる.
3週 超伝導性① ゼロ抵抗,マイスナー効果について正しく説明できる.
4週 超伝導性② 臨界温度Tcと臨界磁界Hc,臨界電流密度Jcと磁束のピン留め等の関連性を説明できる.
5週 超伝導物質 金属系超伝導体,酸化物系超伝導体等の歴史的背景と、これまでの材料開発のポイントを説明できる.
6週 超伝導応用 マグネット,SQUID,大電流導体,低損失導体,反磁性材料等、応用機器の原理と特徴を説明できる.
7週 総合演習① 常電導性、超電導性についてのまとめ
8週 常誘電性 誘電分極,誘電率と誘電損失について説明できる.
2ndQ
9週 強誘電性 自発分極と分極反転,D-E履歴曲線,自発分極の温度依存性について説明できる.
10週 強誘電材料 強誘電体の構造と性質,分域構造,強誘電相転移について説明できる.
11週 強誘電体の応用 高誘電材料,圧電材料,焦電材料,FEM等、強誘電性の応用について説明できる.
12週 抵抗測定 低抵抗・中抵抗・高抵抗測定,抵抗率の温度依存特性について、計測の原理やポイントを説明できる.
13週 誘電特性測定 誘電率測定,D-E履歴曲線観測,焦電荷計測について、計測の原理やポイントを説明できる.
14週 熱分析 示差熱分析,示差走査熱量計,熱重量分析について、分析の原理とポイントを説明できる.
15週 総合演習② 常誘電性、強誘電性、および電気物性計測についてのまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000