人文科学Ⅰ

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 人文科学Ⅰ
科目番号 0010 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子システム工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 哲学・倫理学概論、松島隆裕、学術図書出版社;哲学的思索への道、笠井貞、文化書房博文社;技術者倫理、松島隆裕、学術図書出版社
担当教員 笠井 哲

到達目標

①広義の「倫理」的な事象について、理解することができる。
②青年心理学を学ぶことで、「アイデンティティ」を確立することができる。
③専門職業人に必要な「職業倫理(ビジネス倫理)」を確立することができる。
④現代の倫理的な諸問題について、考察し判断することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人生の諸問題を正しく判断できるようになるために、青年心理学から始め、東西の源流思想、日本思想、西洋近代哲学の基礎にある人間観、すなわち「倫理」を中心に学習する。さらに、専門職業人に必要な「職業倫理」や現代の諸問題を考察する手法を学ぶ。その際、グループディスカッションを実施する。
授業の進め方・方法:
注意点:
倫理という学問の性格上、知識を記憶するだけにとどまらずに、自分で考えて判断することが大切である。自分の問題として考えたことを、自分の言葉で表現(グループディスカッションやレポート)できるようにすること。
定期試験の成績を60%、課題の実施状況を40%として総合的に評価し、60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 倫理とは何か 倫理に関する様々な定義
2週 人間とは何か 人間に関する様々な定義
3週 青年期の特徴 モラトリアムとアイデンティティ
4週 自己実現とは何か キャリア・ディヴェロップメントの意義
5週 日本の風土と文化 和辻哲郎の『風土』の思想
6週 古代日本の歴史と思想 古代の神々と清明心の意義
7週 中世日本の歴史と思想 日本の仏教、特に鎌倉仏教の意義
8週 古代ギリシア哲学(1) 自然哲学者、ソフィスト、ソクラテス
2ndQ
9週 古代ギリシア哲学(2) プラトン、アリストテレス、ヘレニズム
10週 キリスト教の成立と展開 イエス、パウロ、アウグスティヌスの思想
11週 イスラム教の成立と展開 ムハンマドの生涯と思想
12週 仏教思想の成立 仏陀(釈迦)の生涯と思想
13週 仏教思想の展開 小乗仏教と大乗仏教の思想的意義
14週 中国思想の成立と展開 儒家思想の意義
15週 まとめ 青年心理学と倫理学を学ぶ意義
16週
後期
3rdQ
1週 西洋近代の成立 ルネサンスの科学技術への関与
2週 宗教改革と科学革命 ルターの職業召命観、ニュートンの思想
3週 科学技術思想の成立 ベーコンの「知は力なり」とデカルトの物心二元論
4週 生命倫理とは何か 脳死と臓器移植、QOLと尊厳死
5週 環境倫理とは何か 世代間責任倫理、持続可能な開発
6週 職業倫理とは何か 伝統を踏まえた現代の職業倫理
7週 技術者倫理とビジネス倫理 製造物責任法、内部告発、説明責任
8週 倫理問題の事例研究 技術者倫理やビジネス倫理に関する事例の検討
4thQ
9週 嘘はなぜ悪いか(1) カントの義務論
10週 嘘はなぜ悪いか(2) ベンサムの功利主義
11週 誰を助けるべきか(1) 完全義務と不完全義務
12週 誰を助けるべきか(2) 効用計算と平等
13週 危険にどう向き合うか(1) リスクの許容度
14週 危険にどう向き合うか(2) 科学の限界と実践的判断
15週 まとめ 倫理を身につけた専門職業人を目指して
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴産業活動(農牧業、水産業、鉱工業、商業・サービス業等)などの人間活動の歴史的発展過程または現在の地域的特性、産業などの発展が社会に及ぼした影響について理解できる。3
人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。3
社会や自然環境に調和した産業発展に向けた現在までの取り組みについて理解できる。3
日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。3
国家間や国家内で見られる、いわゆる民族問題など、文化的相違に起因する諸問題について、地理的または歴史的観点から理解できる。3
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。3
公民哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。4
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。4
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。4
民主政治の基本的原理、日本国憲法の成り立ちやその特性について理解できる。4
資本主義経済の特質や財政・金融などの機能、経済面での政府の役割について理解できる。4
現代社会の政治的・経済的諸課題、および公正な社会の実現に向けた現在までの取り組みについて理解できる。4
地歴・公民現代科学の考え方や科学技術の特質、科学技術が社会や自然環境に与える影響について理解できる。4
社会や自然環境に調和し、人類にとって必要な科学技術のあり方についての様々な考え方について理解できる。4
今日の国際的な政治・経済の仕組みや、国家間の結びつきの現状とそのさまざまな背景について理解できる。4
環境問題、資源・エネルギー問題、南北問題、人口・食糧問題といった地球的諸課題とその背景について理解できる。4
国際平和・国際協力の推進、地球的諸課題の解決に向けた現在までの取り組みついて理解できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合0000000
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000