物質工学実験

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 物質工学実験
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 物質工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 有機化学実験:有機化学実験、フィーザー・ウィリアムソン、磯部稔 他訳、丸善  無機化学実験:配布資料  生物化学実験:配布資料 物理化学実験:配布資料
担当教員 青柳 克弘,柴田 公彦,羽切 正英

到達目標

①安全に関する基礎的な知識・技術を理解し,試薬や実験室を安全に使用できる。
②実験方法を理解し、実験装置や器具等を適切に使用することができる。
③実験結果を観察、考察し、レポートにまとめることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1到達目標の内容を実践で理解し、応用できる。到達目標の内容を実践で理解している。到達目標の内容を実践で理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
有機化学実験、無機化学実験、生物化学実験および物理化学実験を行い、合成反応条件、合成物の収率と純度、生体物質の取り扱い、物性測定法、データ解析法等について積極的に検討する。
授業の進め方・方法:
前・後期ともに実施しない。
レポート・作品70%、平素の成績30%として総合的に評価し、60点以上 を合格とする。
注意点:
化学実験の基本操作を身につけ、注意事項を厳守し、化学反応の過程を詳細に観察記録するとともに、講義で学んだ理論と関連付けて学習すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験説明 実験概要、注意点
2週 有機化学基礎実験(1) 再結晶
3週 有機化学基礎実験(2) ガラス細工
4週 有機化学基礎実験(3) 分別蒸留
5週 有機化学基礎実験(4) 水蒸気蒸留
6週 有機合成化学実験(1) シクロヘキセンの合成
7週 有機合成化学実験(2) シクロヘキセンの合成、構造解析
8週 有機合成化学実験(3) シクロヘキサノンの合成
2ndQ
9週 有機合成化学実験(4) アジピン酸の合成
10週 有機合成化学実験(5) オレンジⅡの合成
11週 有機合成化学実験(6) オレンジⅡの合成
12週 無機合成化学実験(1) 硫酸銅・チオ硫酸ナトリウムの合成
13週 無機合成化学実験(2) 硫酸銅・チオ硫酸ナトリウムの合成
14週 無機合成化学実験(3) リン酸塩の合成
15週 無機合成化学実験(4) リン酸塩の組成分析
16週
後期
3rdQ
1週 無機合成化学実験(5) シュウ酸鉄(Ⅲ)カリウムの合成
2週 無機合成化学実験(6) シュウ酸鉄(Ⅲ)カリウムの光分解
3週 実験説明 実験概要、注意点
4週 生物化学実験(1) 葉緑体の単離とHill反応
5週 生物化学実験(2) 葉緑体色素の分離と同定
6週 生物化学実験(3) 酵素活性測定
7週 生物化学実験(4) 電気泳動
8週 実験説明 実験概要、注意点
4thQ
9週 物理化学実験(1) 分子量測定
10週 物理化学実験(2) 分子量測定
11週 物理化学実験(3) 反応速度
12週 物理化学実験(4) 反応速度
13週 物理化学実験(5) 分解電圧
14週 物理化学実験(6) 分解電圧
15週 まとめ 各実験についての講評・解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
σ結合とπ結合について説明できる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4
共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4
イオン結合と共有結合について説明できる。4
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4
金属結合の形成について理解できる。4
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4
配位結合の形成について説明できる。4
水素結合について説明できる。4
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。4
錯体の命名法の基本を説明できる。4
配位数と構造について説明できる。4
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。4
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。4
物理化学放射線の種類と性質を説明できる。4
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。4
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。4
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。4
気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4
混合気体の分圧の計算ができる。4
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4
束一的性質を説明できる。4
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。4
純物質の絶対エントロピーを計算できる。4
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。4
平衡定数の温度依存性を計算できる。4
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。4
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験加熱還流による反応ができる。4
蒸留による精製ができる。4前4,前5
吸引ろ過ができる。4
再結晶による精製ができる。4前2
分液漏斗による抽出ができる。4
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。4
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。4
収率の計算ができる。4
分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4前15
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。4
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。4後11,後12
生物工学実験適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。4
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。4
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。4後7
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。4後6

評価割合

試験レポート・作品相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合07003000100
基礎的能力07003000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000