計算機化学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 計算機化学
科目番号 0133 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 必要に応じてプリントを電子配布する
担当教員 羽切 正英

到達目標

①計算結果や実験結果についての妥当な表現が行えること。
②情報検索ができ,検索によって得られた情報の妥当性が評価できること。
③モデル分子を組み立て,分子軌道計算によるシミュレーションができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1到達目標の内容を実践で理解し、応用できる。到達目標の内容を実践で理解している。到達目標の内容を実践で理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
主に実習を通じ,化学における計算的手法・シミュレーションの手法について学ぶ。
計算手法を単に追うだけでなく,自分の実験などでも使える場面を想定して分子モデリング,反応計算を行う。
また,理工学分野における実験データや計算データの取り扱い方,効果的な作図方法,化学情報に関するデータベースの検索方法などについても学修する。
授業の進め方・方法:
演習課題およびレポートなどの成果物を80%,実技や平素の取り組みを20%として総合的に評価し,60点以上を合格とする。
定期試験は実施しない。
注意点:
原則として毎週課題を与えるので,遺漏なく提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子計算機の利用 電子計算機の外部構造と内部構造
化学と情報の関わり 
2週 データ処理技法(1) 実験データと表計算
3週 データ処理技法(2) データ処理と効果的なグラフ化
4週 分子モデリング 分子モデルと表示ソフトウェア
5週 構造解析と振動解析(1) 分子の構造最適化,二酸化炭素の振動解析
6週 構造解析と振動解析(2) 分子の構造最適化,水の振動解析
7週 構造解析と振動解析(2) n-ブタンの回転障壁,Minimum Energy Path計算
8週 構造解析と振動解析(2) n-ブタンの回転障壁,Minimum Energy Path計算
2ndQ
9週 励起状態計算 共役ポリエン類の光吸収,CNDO/S法による励起エネルギー計算
10週 反応計算(1) SN2反応のシミュレーション,Intrinsic Reaction Coordinate計算
11週 反応計算(2) SN2反応のシミュレーション,Intrinsic Reaction Coordinate計算
12週 反応計算(3) SN2反応のシミュレーション,Intrinsic Reaction Coordinate計算
13週 ネットワークの活用 オンラインデータベースとその利用
電子ジャーナルの利用・データ検索実習
14週 理工系における表現技法(1) 理工系における基礎的な文章表現、可視化表現
15週 理工系における表現技法(2) 理工系における可視化表現とプレゼンテーション法
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。4
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。4
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。4
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。4
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
σ結合とπ結合について説明できる。3
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4
共鳴構造について説明できる。3
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4
分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。4
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4
化学工学SI単位への単位換算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
流れの物質収支の計算ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
流体輸送の動力の計算ができる。4
蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4

評価割合

試験課題等相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合08000020100
基礎的能力032000840
専門的能力032000840
分野横断的能力016000420