天然物化学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 天然物化学
科目番号 0136 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 プリント使用
担当教員 内田 修司,梅村 一之

到達目標

①天然物の分離・精製、単離および構造決定までの流れが説明できる。
②自然界のアルコール、エーテル、カルボン酸誘導体の基本性質と特徴が説明できる。
③アミン誘導体からアルカロイド誘導体の基本性質と構造・特徴が説明できる。
④天然色素の種類と構造、基本的な特徴が説明できる。
⑤ステロイド誘導体の構造、基本的な特徴が説明できる。
⑥フェロモン、アレロパシー物質の種類と作用が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
資源天然物について化学的に開設する。有機化学の源流としての歴史も学ぶ。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため、事前、事後の学習として、定期的に課題を提出させる。
注意点:
現在利用されている有機化合物の多くは、天然に存在する物質そのものであるか、それをもとに修飾した物質である。身近な題材を通して有機化学の源流を学んでほしい。
中間試験、期末試験は50分間で実施する。
定期試験の成績を80%、小テストや課題の成績を20%として総合的に評価し、60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 天然物化学とは 天然物化学について説明できる。
2週 天然物の抽出分離精製 天然物の抽出・分離・精製方法について説明できる。
3週 構造決定-1 MS NMR IR 天然物の基本的な構造決定方法について説明できる。
4週 構造決定-2 MS NMR IR MS,NMR,IRの基本原理とスペクトル解析について説明できる。
5週 アルコール、エーテル、カルボン酸誘導体-1 自然界のアルコール、エーテル、カルボン酸誘導体の基本性質について説明できる。
6週 アルコール、エーテル、カルボン酸誘導体-2 自然界のアルコール、エーテル、カルノン酸誘導体の基本合成について説明できる。
7週 含窒素誘導体-1 アミン誘導体の基本性質と合成について説明できる。
8週 含窒素誘導体-2 アルカロイド誘導体について説明できる。
4thQ
9週 天然毒 天然毒について説明できる。
10週 中間のまとめ まとめ解説等
11週 天然色素-1 植物色素 カロテノイドの特徴について
12週 天然色素-2 植物色素 葉緑素やフラボノイド、アントシアニンの特徴について説明できる。
13週 天然色素-3 その他の色素について説明できる
14週 香料 においの化学構造
15週 試験解説 試験解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
σ結合とπ結合について説明できる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4
共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4
分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。4
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4
錯体の生成について説明できる。4
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4

評価割合

試験課題等相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000