化学工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 化学工学Ⅱ
科目番号 0159 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 はじめて学ぶ化学工学(草壁・外輪著,工業調査会,ISBN:4769342020)
担当教員 車田 研一

到達目標

1)単位操作の基本事項としての熱力学の習得 2)種々の単位操作計算に要求される数学的能力の涵養,特に微分方程式の立式法 3)装置の構造とそのはたらきをモデル化し,表式・解析する能力の涵養 4)エンジニアリングにおける共通言語としての英語の使用への馴致

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
4年次に履修した「化学工学Ⅰ」の内容をうけ種々の単位操作の基本原理である収支論と速度論の発展的基礎を構造だてて学ぶ。基礎事項をさまざまな単位操作計算へ応用し,工業技術者としての必須の素養であるプロセス設計の基本を涵養する。
授業の進め方・方法:
中間・期末試験(100分間)の試験を実施する。中間試験は授業時間中に実施する。
定期試験の成績を80%,課題などを20%で評価する。
この科目は学修単位科目のため、事前、事後の学習として、小テストを実施する。

この科目は学修単位科目のため,事前・事後の学習として,小テストを実施する。
注意点:
ものごとの量的なあつかいの方法を強く意識して勉強すること。考えを図式的に表現する工夫をする思考習慣を身につけること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 単位操作に必要な数学(1) 偏微分・微分方程式のたてかた・微分方程式の解きかた
2週 単位操作に必要な数学(2) 解析学の単位操作問題への応用とその代表的な解法
3週 単位操作のための力学 ニュートン則・圧力・応力・運動量流・支配方程式
4週 単位操作のための熱力学 収支法則としての熱力学関係式・ケミカルポテンシャル
5週 単位操作のための物理化学 相・相平衡・巨視的記述と微視的描像
6週 単位操作のための平衡の原理 多相平衡・平衡状態にかかわる各種の法則
7週 単位操作のための速度論 速度論とその記述・収支法則と速度表式のカップリング
8週 中間試験
2ndQ
9週 「流束」をめぐる現象論(1) プロセス現象の記述の基本量としての流束,その単位
10週 「流束」をめぐる現象論(2) 種々の量の流束とその直観的把握,収支法則との組合せ
11週 移動現象の数理(1) 拡散方程式とその可求解の意味
12週 移動現象の数理(2) 拡散方程式と移動現象の微視的記述の関係
13週 現象の近似とモデル化(1) 記述されるべき量と無視してよい量,量的関係論
14週 現象の近似とモデル化(2) 線型近似から導かれる記述や表式・境膜理論
15週 確率モデルの考え方 確率現象を含む系の扱い,その実際問題への適用
16週
後期
3rdQ
1週 熱的単位操作(1) 伝熱とその速度論
2週 熱的単位操作(2) 蒸発・調湿操作
3週 熱的単位操作(3) 乾燥操作
4週 流体系単位操作(1) 流れをともなう物質移動と単位操作
5週 流体系単位操作(2) 混合過程
6週 流体系単位操作(3) 乱流の特徴とその利用
7週 機械系単位操作(1) 粉体操作(1)
8週 中間試験
4thQ
9週 機械系単位操作(2) 粉体操作(2)
10週 機械系単位操作(3) 捏練・粉砕
11週 移動操作系単位操作(1) 蒸留操作
12週 移動操作系単位操作(2) 抽出操作
13週 移動操作系単位操作(3) ガス吸収操作
14週 プロセス制御(1) プロセス制御の基本
15週 プロセス制御(2) プロセス制御の展開
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
流れの物質収支の計算ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
流体輸送の動力の計算ができる。4
蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4

評価割合

試験小テスト(10)・課題(10)相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000