基礎化学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 基礎化学実験Ⅰ
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学・バイオ工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 実験を安全に行うために 第8版(化学同人)、新版化学基礎 新訂版(実教出版)、新版化学 新訂版(実教出版)、四訂版 サイエンスビュー化学総合資料(実教出版)
担当教員 柴田 公彦,梅澤 洋史,羽切 正英,佐藤 佳子

到達目標

1)実験の準備として実験ノートに使用試薬と必要量、安全に関する情報、実験の手順などが記載できる。
2)手順に従い安全に実験を行うことができる。
3)実験に必要な数値の取り扱いや計算ができる。
4)安全に実験を行いながら実験ノートに記録をとり、総括しレポートにまとめ提出できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1到達目標の内容を実践で理解し、応用できる。到達目標の内容を実践で理解している。到達目標の内容を実践で理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学の基礎的な実験を通じ、化学実験に必要な基礎知識と基本操作を学ぶ。
また、実験を通じて実験ノートの使い方や実験レポートの作成方法、安全な実験方法についても学修する。
授業の進め方・方法:
定期試験は実施しない。
実験ノート20%、実験への取り組み20%、報告書(レポート)60%として評価し、60点以上で合格とする。
注意点:
実験専用のノートを準備し、試薬、器具、操作方法などについて事前調査を行うことで、安全確保を心掛ける。
実験中は実験結果や気が付いたことを実験ノートに記述し、記録を残す。実験結果と考察を含めた実験レポートを作成し、期限内にまとめ提出すること。
安全確保のため、実験室では指導者の指示に従うこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学実験の心構え 化学実験の心構え、学生実験の意義
2週 安全講習 化学実験と安全
3週 実験の観察と記録(1) 実験ノートの取り方、実験の予習方法
4週 実験の観察と記録(2) ろうそくの燃焼、実験結果の記録
5週 実験の観察と記録(3) 実験レポートの書き方
6週 材料化学実験(1) 無機化合物に関する実験
7週 材料化学実験(2) 無機化合物に関する実験
8週 材料化学実験(3) 無機化合物に関する実験
2ndQ
9週 生物化学実験(1) 生物試料を使った実験
10週 生物化学実験(2) 生物試料を使った実験
11週 生物化学実験(3) 生物試料を使った実験
12週 環境化学実験(1) 元素の確認と定量に関する実験
13週 環境化学実験(2) 元素の確認と定量に関する実験
14週 環境化学実験(3) 元素の確認と定量に関する実験
15週 まとめ まとめ
16週
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 原理、実験・測定法の理解
2週 酸と塩基(1) ガラス器具の使い方
3週 酸と塩基(2) 溶液調製
4週 酸と塩基(3) 中和滴定
5週 酸と塩基(4) まとめ、レポート作成
6週 酸化還元反応(1) イオン化傾向、金属の電位差測定
7週 酸化還元反応(2) ボルタ電池の作製
8週 酸化還元反応(3) ダニエル電池の作製
4thQ
9週 酸化還元反応(4) まとめ、レポート作成
10週 熱測定(1) 原理、測定法の理解
11週 熱測定(2) 凝固点降下の測定
12週 熱測定(3) 反応熱の測定
13週 熱測定(4) データ解析、まとめ
14週 まとめ まとめ、レポート作成
15週 まとめ まとめ、講評
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3後3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3後3
測定と測定値の取り扱いができる。3後2
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3後4
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3前15,後4,後6,後14
ガラス器具の取り扱いができる。3後2,後3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3後2
試薬の調製ができる。3後2
代表的な気体発生の実験ができる。3
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。2
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。1
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。1
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。1
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。2
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。2
基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。2

評価割合

試験報告書実験ノート取組状況ポートフォリオその他合計
総合評価割合060202000100
基礎的能力060202000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000