基礎生物学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 基礎生物学
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学・バイオ工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高等学校生物基礎・吉里勝利・第一学習社、生物図録・鈴木孝仁・数研出版
担当教員 尾形 慎

到達目標

①生物の共通性である、細胞、エネルギーと代謝、遺伝情報の発現について理解していること。
②生体の恒常性を維持するためのしくみを理解していること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生化学、生物工学、生命科学などの基礎となる「生物の構造と働き」に関する基本知識について学ぶ。
授業の進め方・方法:
前期および後期中間試験は50分間で実施する。前期および後期期末試験は、50分の試験を実施する。
定期試験を成績の70%、課題・小テスト・レポート・演習の成績を20%、授業への参加状況を10%として総合的に評価し、60点以上を合格とする。
注意点:
高学年における専門教科の基礎となるものであり、確実に理解することが必要である。授業を欠席した場合は、次の授業までにその内容を自学自習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生物の多様性と共通性(1) 生物の共通性と多様性
2週 生物の多様性と共通性(2) 生物の特性
3週 生物の多様性と共通性(3) 細胞の多様性と共通性
4週 細胞とエネルギー代謝(1) 細胞(1)
5週 細胞とエネルギー代謝(2) 細胞(2)
6週 細胞とエネルギー代謝(3) 代謝とATP
7週 前期中間のまとめ 復習
8週 細胞とエネルギー代謝(4) 光合成(1)
2ndQ
9週 細胞とエネルギー代謝(5) 光合成(2)
10週 細胞とエネルギー代謝(6) 呼吸(1)
11週 細胞とエネルギー代謝(7) 呼吸(2)
12週 細胞とエネルギー代謝(8) 呼吸(3)
13週 遺伝情報(1) DNA
14週 遺伝情報(2) 遺伝情報の複製と分配(1)
15週 期末試験の解説 復習
16週
後期
3rdQ
1週 遺伝情報(3) 遺伝情報の複製と分配(2)
2週 遺伝情報(4) 細胞周期
3週 遺伝情報(5) タンパク質の合成(1)
4週 遺伝情報(6) タンパク質の合成(2)
5週 遺伝情報(7) 遺伝子とゲノム
6週 遺伝情報(8) 細胞内での遺伝子の発現
7週 後期中間のまとめ 復習
8週 生体の恒常性(1) 体内環境
4thQ
9週 生体の恒常性(2) 体液
10週 生体の恒常性(3) 肝臓・腎臓
11週 生体の恒常性(4) 免疫
12週 生体の恒常性(5) 免疫に関する身近な疾患
13週 生体の恒常性(6) 自律神経系の構造と働き・ホルモン
14週 生体の恒常性(7) 血糖量および体温の調節
15週 期末試験の解説 総復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4
細胞周期について説明できる。4
分化について説明できる。4
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4
グリコシド結合を説明できる。4
多糖の例を説明できる。4
脂質の機能を複数あげることができる。4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4
タンパク質の高次構造について説明できる。4
ヌクレオチドの構造を説明できる。4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4
DNAの半保存的複製を説明できる。4
RNAの種類と働きを列記できる。4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4
解糖系の概要を説明できる。4
クエン酸回路の概要を説明できる。4
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4
各種の光合成色素の働きを説明できる。4
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4
炭酸固定の過程を説明できる。4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4
微生物の育種方法について説明できる。4
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4
食品加工と微生物の関係について説明できる。4
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。4
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。4
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。4
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。4
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。4

評価割合

試験課題等相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702001000100
基礎的能力702001000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000