概要:
人生の諸問題を正しく判断できるようになるために、青年心理学から始め、東西の源流思想、日本思想、西洋近代哲学の基礎にある人間観、すなわち「倫理」を中心に学習する。
さらに、専門職業人に必要な「職業倫理(技術者倫理・ビジネス倫理)」の基本事項や現代の諸問題を考察する手法を学ぶ。
毎回、グループディスカッションを実施する。
授業の進め方・方法:
高専から始まる授業なので、まず基本事項を理解させる。
また、チームワーク力やコミュニケーションスキル、主体性や責任感といった汎用的能力を養うため、グループディスカッションを毎回実施する。
さらに、論理的思考力を高めるために、課題レポートを提出させる。
定期試験(期末のみ)を実施し、グループディスカッションやレポートと総合的に評価し、60点以上を合格とする。
ただし、再試験の受験は定められた期限内に課題を提出したもののみに認める。
注意点:
倫理という学問の性格上、知識を記憶するだけにとどまらずに、自分で考えて判断することが大切である。
自分の問題として考えたことを、自分の言葉で表現(グループディスカッションやレポート)できるようにする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
倫理とは何か |
倫理に関する様々な定義について理解できる。
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2週 |
人間とは何か |
人間に関する様々な定義について理解できる。
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3週 |
青年期の特徴 |
モラトリアムとアイデンティティについて理解できる。
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4週 |
自己実現とは何か |
キャリア・ディヴェロップメントの意義について理解できる。
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5週 |
日本の風土と文化 |
和辻哲郎の『風土』の思想について理解できる。
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6週 |
古代日本の歴史と思想 |
古代の神々と清明心の意義について理解できる。
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7週 |
中世日本の歴史と思想 |
日本の仏教、特に鎌倉仏教の意義について理解できる。
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8週 |
古代ギリシア哲学(1) |
自然哲学者、ソフィスト、ソクラテスについて理解できる。
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2ndQ |
9週 |
古代ギリシア哲学(2) |
プラトン、アリストテレス、ヘレニズムについて理解できる。
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10週 |
キリスト教の成立と展開 |
イエス、パウロ、アウグスティヌスの思想について理解できる。
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11週 |
イスラム教の成立と展開 |
ムハンマドの生涯と思想について理解できる。
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12週 |
仏教思想の成立 |
仏陀(釈迦)の生涯と思想について理解できる。
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13週 |
仏教思想の展開 |
小乗仏教と大乗仏教の思想的意義について理解できる。
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14週 |
中国思想の成立と展開 |
儒家思想の意義について理解できる。
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15週 |
まとめ |
14週までを踏まえ青年心理学と倫理学を学ぶ意義を説明できる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
西洋近代の成立 |
ルネサンスの科学技術への関与について理解できる。
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2週 |
宗教改革と科学革命 |
ルターの職業召命観、ニュートンの思想について理解できる。
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3週 |
科学技術思想の成立 |
ベーコンの「知は力なり」とデカルトの物心二元論について理解できる。
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4週 |
生命倫理とは何か |
脳死と臓器移植、QOLと尊厳死について理解できる。
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5週 |
環境倫理とは何か |
世代間責任倫理、持続可能な開発について理解できる。
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6週 |
職業倫理とは何か |
伝統を踏まえた現代の職業倫理について理解できる。
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7週 |
技術者倫理とビジネス倫理 |
製造物責任法、内部告発、説明責任について理解できる。
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8週 |
倫理問題の事例研究 |
技術者倫理やビジネス倫理に関する事例を検討できる。
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4thQ |
9週 |
嘘はなぜ悪いか(1) |
カントの義務論について理解できる。
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10週 |
嘘はなぜ悪いか(2) |
ベンサムの功利主義について理解できる。
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11週 |
誰を助けるべきか(1) |
完全義務と不完全義務について理解できる。
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12週 |
誰を助けるべきか(2) |
効用計算と平等について理解できる。
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13週 |
危険にどう向き合うか(1) |
リスクの許容度について理解できる。
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14週 |
危険にどう向き合うか(2) |
科学の限界と実践的判断について理解できる。
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15週 |
まとめ |
14週までを踏まえ、倫理を身につけた専門職業人を目指すことを自覚できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 3 | |
公民的分野 | 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。 | 3 | |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 3 | |
工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | |
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。 | 3 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 4 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 4 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 4 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 4 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 4 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 4 | |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 4 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 4 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 4 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 4 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 4 | |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 4 | |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 4 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 4 | |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 4 | |
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。 | 4 | |
企業には社会的責任があることを認識している。 | 4 | |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 4 | |