物理化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理化学Ⅰ
科目番号 0064 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学・バイオ工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 アトキンス物理化学要論(第7版), P.W.ATKINS著, 千原・稲場訳, 東京化学同人
担当教員 柴田 公彦

到達目標

① 相平衡理論について理解し, 熱力学の概念と物質の状態とを結びつけて考えることができる。
② 反応の進行と平衡が熱力学的にどのように取り扱われるかを理解し, 基本的な計算ができる。
③ 反応速度論について理解し, 反応速度に関する基本的な計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理化学Ⅰで学んだ基礎理論である熱力学をさらに理解し, 相平衡・化学平衡と熱力学の関係について学ぶ。また, 化学の本質を理解する上で重要な化学反応の速度についても学習する。
授業の進め方・方法:
中間・期末試験は50分で実施する。
定期試験の成績を80%, 課題演習の成績を20%として総合的に評価し, 60点以上を合格とする。
注意点:
2年生の分析化学, 3年生の物理化学基礎や無機化学で学んだ知識を十分に復習しておくこと。教科書のみでなく, 参考書などを学習に取り入れて理解に努めること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ギブスエネルギーの復習 エンタルピー, エントロピー, ギブスエネルギー
2週 純物質の相平衡(1) ギブスエネルギーの圧力変化
3週 純物質の相平衡(2) ギブスエネルギーの温度変化
4週 純物質の相平衡(3) 相図, 相律
5週 純物質の相平衡(4) クラペイロンの式
6週 純物質の相平衡(5) 演習
7週 まとめ 前期中間試験の解説, 相平衡のまとめ
8週 混合物の性質(1) 混合物の熱力学的記述
2ndQ
9週 混合物の性質(2) 化学ポテンシャルの組成変化
10週 混合物の性質(3) ラウールの法則, 理想溶液, ヘンリーの法則
11週 混合物の性質(4) 束一的性質(沸点や凝固点の変化)
12週 混合物の性質(5) 束一的性質(浸透)
13週 混合物の性質(6) 混合物の相図
14週 混合物の性質(7) 演習
15週 まとめ 前期期末試験の解説, 混合物の性質のまとめ
16週
後期
3rdQ
1週 化学平衡の原理(1) 反応ギブスエネルギーの組成変化
2週 化学平衡の原理(2) 平衡定数, 標準反応ギブスエネルギー
3週 化学平衡の原理(3) 諸条件による平衡の移動(温度の効果)
4週 化学平衡の原理(4) 諸条件による平衡の移動(圧力の効果)
5週 化学平衡の原理(5) 均一および不均一反応の平衡
6週 化学平衡の原理(6) 演習
7週 まとめ 後期中間試験の解説, 化学平衡のまとめ
8週 反応速度(1) 反応速度の定義
4thQ
9週 反応速度(2) 速度式
10週 反応速度(3) 速度式, 演習
11週 反応速度(4) 反応速度の温度依存性
12週 反応速度(5) 衝突理論, 遷移状態理論
13週 反応速度(6) 定常状態近似、連鎖反応
14週 反応速度(7) 核化学、演習
15週 まとめ 後期期末試験のまとめ, 反応速度のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学放射性元素の半減期と安定性を説明できる。4
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。4
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4前4
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4前13
束一的性質を説明できる。4前11,前12
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4前11
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4前11,前12
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4前4
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4後1,後2
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4後3,後4
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4後5
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4後2
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。4後1,後2
平衡定数の温度依存性を計算できる。4後3
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4後8
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4後9,後10
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4後9,後10
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4後13
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4後13

評価割合

試験課題等相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000