化学工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 化学工学Ⅰ
科目番号 0066 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学・バイオ工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎からわかる化学工学(森北出版ISBN978-4-627-24601-0)
担当教員 車田 研一

到達目標

① 製造産業,生産技術体系における化学工学(工業単位操作,プロセス工学)の位置づけを把握する。
② 工業単位操作の基本学理の学習に必要な数理,計算法を理解し,各方面へ応用できるようにする。
③ 準学士課程で見聞しておくべき工業単位操作,プロセス工学の事例を学び,記憶する。
④ 諸領域の生産技術に関連する標準的な文献のスタイルに馴致し,抄読できるようになる。
⑤ 移動現象論を具体的事例として非平衡過程に関連する諸語意を見聞し,物事の変化速度を抽象的に把握する「カン」を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
① 工業単位操作の諸概要を理解する。
② 工業単位操作に関連する諸数理を理解する。
③ 工業単位操作などに用いられる基本的な数学を理解する。
④ 上記を基本的な単位操作の実例を題材に応用し,工業単位操作の最も基本的な部分を習得する。
⑤ 英語で作成された技術文献を抄読する能力を涵養するための一助となる内容を含める。
授業の進め方・方法:
定期試験:中間試験,期末試験ともに100分間実施。
定期試験八割,課題等二割で評点。
総計60点以上で合格。
注意点:
①「化学工学」は「化学」諸分野とは色彩が大きく異なる科目なので,かなり戸惑う人もいる傾向があります。できるだけ初学者にもなじみやすいように進行速度を慎重に考えながら進めるので,自学の時間を確保してください。
②計算が正確にできることは重要です。読める答案や読めるノートを書くクセをつけましょう。
③細かい数合わせよりも,「桁」と「単位」を間違えずに見積もり計算ができることが重要事項として求められます。概数計算の訓練は重ねてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科目ガイダンス 科目の性質を理解する
2週 単位① 基本単位
3週 単位② 単位の組み合わせ
4週 単位③ 次元解析基本
5週 単位④ 諸単位系
6週 単位⑤ 物理量と単位
7週 前半まとめ 前半まとめ
8週 移動現象解析などのための基本数学① 微分,積分
2ndQ
9週 移動現象解析などのための基本数学② 微分,積分
10週 移動現象解析などのための基本数学③ 微分を含んだベクトル解析
11週 移動現象解析などのための基本数学④ 微分を含んだベクトル解析
12週 移動現象解析などのための基本数学⑤ 複素数の扱い
13週 移動現象の基本表式の成立の理解① 移動現象の現象論表式①
14週 移動現象の基本表式の成立の理解② 移動現象の現象論表式②
15週 問題演習 前期全体の復習
16週
後期
3rdQ
1週 物質移動:拡散と移流<基本篇> <流束>の概念理解
2週 物質移動:拡散と移流<中間篇> 流束の計算方法
3週 物質移動:拡散と移流<初歩応用篇> 諸方程式の導出
4週 熱移動:拡散と移流<基本篇> <流束>の概念理解 ← アナロジー関係からのアプローチ
5週 熱移動:拡散と移流<中間篇> 流束の計算方法 ← アナロジー関係からのアプローチ
6週 熱移動:拡散と移流<初歩応用篇> 諸方程式の導出 ← アナロジー関係からのアプローチ
7週 前半まとめ 前半まとめ
8週 プロセス工学熱力学① 熱の数量的あつかい
4thQ
9週 プロセス工学熱力学② 数学的表式の導入
10週 プロセス工学熱力学③ 基本的な熱力学量群の相互関係表式
11週 プロセス工学熱力学④ 必須公式の概観,理解,記憶
12週 プロセス工学熱力学⑤ 工業単位操作と熱力学の関係①
13週 プロセス工学熱力学⑥ 工業単位操作と熱力学の関係②
14週 単位操作諸論 基本的履修内容と工業単位操作のかかわりの具体例等
15週 問題演習 通年復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
流れの物質収支の計算ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
流体輸送の動力の計算ができる。4
蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000