微生物工学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 微生物工学
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学・バイオ工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 微生物学・青木健次・化学同人
担当教員 十亀 陽一郎

到達目標

① 微生物の取り扱いや培養法がわかり、増殖曲線とその各段階で起きている現象を説明できる。
② 原核生物と真核微生物の種類や特徴がわかり、説明できる。
③ 微生物の代謝について説明でき、微生物の工業、食品化工、環境保全に対する利用について説明できる。
④ 生物生産を微生物の種類や特徴と関連づけることができる。
⑤ 生命(微生物)の誕生と進化がわかりこれに関連した実験研究を交えて正しく説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
微生物を中心に生物の分類と生態に関わる内容を広く解説する。微生物の採集、培養から利用まで微生物工学の基礎を学習し、微生物のストレス応答に関して最新の研究成果をとりいれつつ解説する。
また、古来から人類が行ってきた微生物の利用法から遺伝子組み換え技術を利用した物質生産まで幅広く学習する。微生物利用プロセスは、環境保護の観点からも期待されるのでこの点も解説する。
授業の進め方・方法:
中間試験は50分間の試験を実施する。期末試験は50分間の試験を実施する。
定期試験の成績を70%、課題30%で評価し、60点以上を合格とする。
注意点:
興味があることは積極的に質問して吸収すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生物と微生物 生物と微生物の概要、微生物の歴史について理解する。
2週 微生物の分類と学名 生物の分類、特に生物のグループと名前について説明できる。
3週 微生物の分類と標本 生物の分類、特に生物の標本について説明できる。
4週 微生物の分類と記載 生物の分類、特に新種の記載などについて説明できる。
5週 微生物(原核生物)の種類と特徴 生物の特徴と生物の分類について理解する。特に原核微生物の種類と特徴について理解できる。
6週 微生物(真核生物)の種類と特徴 微生物の種類(例えば、真核微生物であるカビ、酵母)の種類と特徴について理解する。
7週 微生物の種類と多様性 種々の微生物の特徴について理解する。
8週 微生物の種類と生活史 微生物の種類と生活史について理解する。
2ndQ
9週 微生物の細胞構造 微生物の細胞構造について説明できる。
10週 微生物とウイルスの細胞構造 微生物とウイルスの細胞構造について説明できる。
11週 微生物の細胞構造とはたらき 微生物の細胞構造の働きについて理解する。
12週 病原性をもつ微生物 病原性を持つ微生物について説明できる。
13週 特殊な環境で生活する微生物 特殊な環境で生活する微生物とその生活様式について説明できる。
14週 微生物の特殊な細胞構造と働き 微生物特有の細胞構造について理解する。
15週 試験解説と復習 復習する。
16週
後期
3rdQ
1週 微生物の取り扱いと培養 微生物の育種方法について説明できる。また、微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。
2週 微生物の培養と増殖 微生物の培養と増殖について説明できる。
3週 微生物の増殖と増殖曲線 微生物の増殖曲線について説明できる。
4週 微生物の遺伝と遺伝情報 微生物のゲノムの特徴について理解できる。
5週 微生物の遺伝子発現 微生物の遺伝子と遺伝子発現の特徴について理解できる。
6週 微生物の遺伝子発現調節 微生物の遺伝子発現調節について理解できる。
7週 微生物の遺伝子 微生物遺伝のまとめ(全体を統括して説明できる)。
8週 微生物の遺伝子工学 微生物の遺伝子工学的手法について説明できる。
4thQ
9週 微生物の代謝 アルコール発酵など微生物の代謝について説明できる。
10週 微生物の代謝とその利用 アルコール発酵など微生物の代謝について説明でき、その醸造への利用について説明できる。
11週 微生物とその利用 食品加工と微生物の関係について説明できる。
12週 微生物と抗生物質 抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。
13週 微生物と地球化学的物質循環 微生物の生態系、微生物を介した物質循環について説明できる。
14週 微生物の環境保全への利用 微生物の環境保全への利用(廃水処理やバイオレメディエーションなど)について理説明きる。
15週 試験解説 総復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。3
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4
グリコシド結合を説明できる。4
多糖の例を説明できる。4
脂質の機能を複数あげることができる。3
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。3
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。3
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4
タンパク質の高次構造について説明できる。4
ヌクレオチドの構造を説明できる。4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4
DNAの半保存的複製を説明できる。4
RNAの種類と働きを列記できる。4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4
解糖系の概要を説明できる。4
クエン酸回路の概要を説明できる。4
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4
各種の光合成色素の働きを説明できる。3
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。3
炭酸固定の過程を説明できる。3
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4
微生物の育種方法について説明できる。4
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4
食品加工と微生物の関係について説明できる。4
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4

評価割合

試験課題等相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000