無機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 無機化学Ⅱ
科目番号 0097 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 化学・バイオ工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 セラミックスの化学 第2版,柳田博明著,丸善
担当教員 内田 修司,酒巻 健司

到達目標

①結晶格子や対称性を理解し,結晶を晶系や空間群に分類できる。
②回折法の原理を理解し,単純な回折パターンの指数づけができる。
③固体状態の熱力学から,相平衡,固溶や相転移の現象を説明できる。
④固体の電子物性と磁気的性質をバンド理論や磁気モーメントの配列から説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
技術の進歩は,新しい物質(材料)の開発によって支えられている。本講義では,無機材料を"固体の化学"として,構造論や反応論の基礎的事項を中心に,わかりやすく視覚的に概説する。さらに最近の固体物質のトピックを紹介する。
授業の進め方・方法:
期末試験と中間試験の定期試験は前後期とも50分の試験を実施する。100点法の60点以上を合格とする。この科目は学修単位科目のため,事前,事後の学習として,演習プリントの配布を実施する。
注意点:
”固体の科学と技術”の進歩はめざましく,物質を,構造・反応・物性に着目して考えます。授業計画日程等に変更を要した際は,早めにその連絡に努めます。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 固体状態の熱力学(1) 相の概念,相平衡,相律
2週 固体状態の熱力学(2) 置換型・侵入型固溶体 格子欠陥
3週 固体状態の熱力学(3) 相転移の次数,熱力学的アプローチ
4週 固体状態の熱力学(4) 相転移の構造的アプローチ
5週 結晶成長の速度論(1) 均一核生成,球状核の自由エネルギー
6週 結晶成長の速度論(2) 核の成長速度,Avrami式の導出
7週 後期中間試験のまとめ 復習
8週 後期中間試験の解説,結晶の不完全性 解答例の配布と難問の解説,格子欠陥,粒界
4thQ
9週 固体中の拡散と物質移動(1) 拡散機構・係数,random walk
10週 固体中の拡散と物質移動(2) 拡散係数の温度依存性
11週 非晶質(無定形)固体 ガラス状態,アモルファス固体
12週 固体の電子物性と磁気的性質(1) なぜ電子構造にバンドギャップができるのか
13週 固体の電子物性と磁気的性質(2) 誘電体,圧電体,焦電体,強誘電体
14週 固体の電子物性と磁気的性質(3) 磁化率,磁気モーメントの配列,超伝導
15週 後期期末試験の解説 解答例の配布と難問の解説,達成度の記載
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4
イオン結合と共有結合について説明できる。4
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4
金属結合の形成について理解できる。4
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4
配位結合の形成について説明できる。4
水素結合について説明できる。4
物理化学純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000