到達目標
①電子のエネルギーと電位を相関させながら,電子移動をともなう酸化還元反応を,標準酸化還元電位に基づいて,理解する。
②平衡論から系の自由エネルギーの減少と起電力の相関を,反応速度論から電流値の大きさと反応速度の相関を理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 各授業項目の内容を理解でき,応用できる。 | 各授業項目の内容を理解している。 | 各授業項目の内容を理解していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
物理化学の基礎である電気化学は,境界領域の学問でもある。電子のエネルギー,電子の移行や授受およびその流れに注目して,物質の化学的エネルギーと電気エネルギーの変換過程を,平衡論や速度論から解説する。21世紀の人類へ課せられた使命は,環境に調和した持続的発展である。後半では,太陽光の吸収から光励起された電子移行,人工光合成に関連する太陽光エネルギー変換過程の基礎事項(光電気化学)を概説する
授業の進め方・方法:
中間試験と期末試験の定期試験は,50分間の試験を実施する。100点法の60点以上を合格とする。この科目は学修単位科目のため,事前,事後の学習として,演習プリントの配布を実施する。
注意点:
電子や光量子のエネルギーや二重性は,あらゆる学問分野の理解を深める上で大いに役立つとともに,境界領域や新しい分野の萌芽に生かされる。授業計画日程等に変更を要した際は,早めにその連絡に努めます。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
序論 |
電気化学の国際基準,単位系,ファラデー定数
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2週 |
電気化学系の姿 |
電極界面の姿,電気分解と電池反応の違い
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3週 |
平衡論 物質のエネルギーと平衡 |
電子や物質(系)のエネルギーの定義
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4週 |
平衡論 化学ポテンシャルと平衡 |
化学ポテンシャル,標準生成ギブスエネルギー
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5週 |
平衡論 標準酸化還元電位 |
基準電極,標準酸化還元電位のデータを読む
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6週 |
平衡論 ネルンストの式 |
ネルンスト式の導出
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
その解説,速度論への導入 |
解答例配布と難問の解説,化学反応の道すじ
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4thQ |
9週 |
速度論 |
反応座標と反応進行度
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10週 |
速度論 |
電極電位の制御とポテンシャル曲線の変化
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11週 |
速度論 |
反応の律速段階(電荷・物質移行過程)
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12週 |
光電気化学の基礎 |
光子のエネルギー,光励起と酸化還元力
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13週 |
光電気化学の基礎 |
光反応の効率,太陽光エネルギー変換効率
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14週 |
人工光合成 |
明・暗反応,光電気化学反応, 本多ー藤嶋効果
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15週 |
期末試験の解説,総括 |
解答例配布
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | 熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。 | 4 | |
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。 | 4 | |
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |