物理化学Ⅲ

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理化学Ⅲ
科目番号 0104 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 化学・バイオ工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 電気化学 基礎化学コース, 渡辺 正・金村聖志・益田秀樹・渡辺正義, 丸善
担当教員 酒巻 健司

到達目標

①電子のエネルギーと電位を相関させながら,電子移動をともなう酸化還元反応を,標準酸化還元電位に基づいて,理解する。
②平衡論から系の自由エネルギーの減少と起電力の相関を,反応速度論から電流値の大きさと反応速度の相関を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解でき,応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理化学の基礎である電気化学は,境界領域の学問でもある。電子のエネルギー,電子の移行や授受およびその流れに注目して,物質の化学的エネルギーと電気エネルギーの変換過程を,平衡論や速度論から解説する。21世紀の人類へ課せられた使命は,環境に調和した持続的発展である。後半では,太陽光の吸収から光励起された電子移行,人工光合成に関連する太陽光エネルギー変換過程の基礎事項(光化学・熱力学・半導体物性・光電気化学)を概説する
授業の進め方・方法:
中間試験と期末試験の定期試験は,50分間の試験を実施する。100点法の60点以上を合格とする。この科目は学修単位科目のため,事前,事後の学習として,演習プリントの配布を実施する。
注意点:
電子や光量子のエネルギーや二重性は,あらゆる学問分野の理解を深める上で大いに役立つとともに,境界領域や新しい分野の萌芽に生かされる。授業計画日程等に変更を要した際は,早めにその連絡に努めます。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 序論 電気化学の国際基準,単位系,ファラデー定数
2週 電気化学系の姿 電極界面の姿,電気分解と電池反応の違い
3週 平衡論 物質のエネルギーと平衡 電子や物質(系)のエネルギーの定義
4週 平衡論 化学ポテンシャルと平衡 化学ポテンシャル,標準生成ギブスエネルギー
5週 平衡論 標準酸化還元電位 基準電極,標準酸化還元電位のデータを読む
6週 平衡論 ネルンストの式  ネルンスト式の導出
7週 中間試験
8週 その解説,速度論への導入 解答例配布と難問の解説,化学反応の道すじ
4thQ
9週 速度論 反応座標と反応進行度
10週 速度論 電極電位の制御とポテンシャル曲線の変化
11週 速度論 反応の律速段階(電荷・物質移行過程)
12週 光電気化学の基礎 光子のエネルギー,光励起と酸化還元力
13週 光電気化学の基礎 光反応の効率,太陽光エネルギー変換効率
14週 人工光合成 明・暗反応,光電気化学反応, 本多ー藤嶋効果
15週 期末試験の解説,総括 解答例配布
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。4
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000