応用地盤工学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 応用地盤工学
科目番号 0010 科目区分 専門 / コース必修
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設環境工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 土質力学の基礎、石橋勲、共立出版
担当教員 金澤 伸一

到達目標

①各種の構造物に作用する土圧の計算ができる。
②構造物基礎にかかる力学的メカニズムを理解し、極限支持力等の計算ができる。
③斜面崩壊のメカニズムを理解し、斜面安定問題について安全率の計算ができる。
④自然災害が社会に及ぼす影響と災害対策事業の役割について論ずることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
各種構造物に作用する土圧や基礎の支持力および斜面安定問題等の力学的課題、地盤災害とその対策や国土のあり方について学習する。
授業の進め方・方法:
中間試験は授業時間中に100分間の試験を実施する。期末試験は100分間の試験を実施する。
定期試験の成績を80%、課題の成績を20%として総合的に評価し、60点以上を合格とする。
注意点:
演習を数多く解くことにより、地盤特有の力学的問題に対する解決方法を習熟することが大切である。自学自習の確認方法:課題プリントを学生に配布し、それを定期的に提出させる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 土圧(1) クーロンの土圧論
2週 土圧(2) ランキンの土圧論
3週 土圧(3) 擁壁に作用する土圧の算定(1)
4週 土圧(4) 擁壁に作用する土圧の算定(2)
5週 土圧(5) 矢板壁、山留め壁に作用する土圧の算定
6週 土圧(6) 埋設管に作用する土圧の算定
7週 前期中間試験
8週 地盤内の応力(1) 答案の確認、地盤内応力概説
2ndQ
9週 地盤内の応力(2) 集中荷重や線荷重による地盤内応力
10週 地盤内の応力(3) 帯状荷重による地盤内応力
11週 地盤内の応力(4) 面荷重による地盤内応力
12週 地盤内の応力(5) 基礎構造物の接地圧
13週 地盤の支持力(1) 基礎の分類
14週 地盤の支持力(2) 基礎形式の選定
15週 まとめ 答案の確認
16週
後期
3rdQ
1週 地盤の支持力(3) 浅い基礎,深い基礎の支持力
2週 地盤の支持力(4) 全般せん断破壊に対する基礎の極限支持力
3週 地盤の支持力(5) 局部せん断破壊に対する基礎の極限支持力
4週 地盤の支持力(6) 全般せん断破壊に対する極限支持力公式の拡張
5週 地盤の支持力(7) 極限支持力,群杭の支持力
6週 地盤の支持力(8) 基礎の沈下
7週 後期中間試験
8週 斜面の安定(1) 答案の確認、限界平衡法と応力解析法
4thQ
9週 斜面の安定(2) 無限長斜面・すべり面の安定解析
10週 斜面の安定(3) 地震時の斜面安定解析、安全率の解釈
11週 斜面の安定(4)
12週 地盤改良 地盤改良の分類、各種の地盤改良工法
13週 地盤の災害とその防災(1) わが国の自然災害の変遷、山くずれ、がけくずれ
14週 地盤の災害とその防災(2) 地すべり、土石流、液状化
15週 まとめ 答案の確認
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造力の定義、単位、要素について説明できる。4
力のモーメント、偶力のモーメントについて理解している。4
力の合成と分解について理解し、計算できる。4
力のつり合いについて理解している。4
構造物の種類やその安定について理解している。4
構造物に作用する荷重の種類について理解している。4
静定構造物を支える支点や対応する反力を理解し、それらを力のつり合いより計算できる。4
断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4
はりの支点の種類、対応する支点反力を理解し、はりの種類やその安定性について説明できる。4
はりに作用する外力としての荷重の種類を理解している。4
はりの断面力と荷重の相互関係を理解している。4
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4
はりにおける変形の基本仮定を理解し、断面力と応力(軸応力、せん断応力、曲げ応力)について説明でき、それらを計算できる。4
はりに生じる応力から、簡単なはりの設計ができる。4
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。4
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。4
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。4
ラーメンやその種類について理解している。4
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。4
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。4
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係(フックの法則、弾性係数、ポアソン比)について説明でき、それらを活用できる。4
鋼材の力学的性質について理解している。4
曲げモーメントによる断面に生じる応力(圧縮、引張)とひずみを理解し、それらを計算できる。4
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4
垂直応力とせん断応力について説明できる。4
主応力と主軸について説明できる。4
モールの応力円を利用して、構造物内部の応力状態を説明できる。4
平面応力と平面ひずみについて説明できる。4
弾性・塑性の概念について説明できる。4
はりのたわみの微分方程式を理解している。4
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4
弾性荷重法を理解し、はりのたわみやたわみ角を計算できる。4
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4
柱の細長比と座屈荷重の関係から、柱の基本的な設計を理解している。4
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念を理解している。4
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。4
仮想仕事の原理を活用して、静定・不静定構造物を解くことができる。4
カスティリアノの定理を用いた静定・不静定構造物の解法を理解している。4
カスティリアノの定理を活用して、静定・不静定構造物を解くことができる。4
最小仕事の原理を用いた不静定構造物の解法を理解している。4
最小仕事の原理を活用して、不静定構造物を解くことができる。4
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。4
応力法による不静定構造物の解法を理解している。4
応力法を活用して、不静定構造物を解くことができる。4
変位法による不静定構造物の解法を理解している。4
変位法を活用して、不静定構造物を解くことができる。4
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。4
橋の構成、分類について、説明できる。4
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。4
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。4
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。4
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。4
主桁、継ぎ手の設計を理解し、それらを計算できる。4
地球の構造を理解し、地震発生メカニズムや直下型・海溝型などの地震の種類について説明できる。4
マグニチュードについて説明できる。4
地震活動について説明できる。4
地震による構造物の被害と対策について理解している。4
防災、減災について理解している。4
耐震設計に関する基本的な考え方(震度法など)について説明できる。4
振動解析モデルについて理解している。4
1自由度系の自由振動について理解している。4
1自由度系の強制振動について理解している。4
減衰を持つ振動について理解している。4
地盤土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。4
土の粒径・粒度分布やコンシステンシーを理解し、地盤材料の工学的分類に適用できる。4
土の粒径・粒度分布を説明できる。4
土のコンシステンシーを説明できる。4
土の工学的分類について説明できる。4
土の締固め特性を説明できる。4
土中水の分類を説明できる。4
ダルシーの法則を説明できる。4
透水係数と透水試験について、説明できる。4
透水力による浸透破壊現象を説明できる。4
土のせん断試験を説明できる。4
砂質土と粘性土のせん断特性を説明できる。4
土の破壊基準を理解している。4
土のせん断試験について考察できる。4
土のせん断特性を説明できる。4
土の破壊規準を説明できる。4
土の異方性について説明できる。4
地盤内応力を説明できる。4
有効応力と間隙水圧の関係を理解している。4
土の圧密現象及び一次元圧密理論について、説明できる。4
圧密沈下の計算を説明できる。4
地盤改良や二次圧密について理解している。4
有効応力の原理を説明できる。4
地盤改良について説明できる。4
液状化について説明できる。4
地中構造物に対する地盤の変形を理解している。4
ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。4
構造物に作用する土圧や地震時の土圧について説明できる。4
基礎の種類とそれらの支持力公式を説明でき、土の構造物の支持力算定に適用できる。4
基礎の種類や基礎の支持力について説明できる。4
半無限斜面の安定解析や円弧すべり面による安定解析ができる。4
円弧すべり面による安定解析について説明できる。4
ネガティブフリクションについて理解している。4
群杭の支持力について理解している。4
斜面防災について理解している。4
斜面防災について説明できる。4
飽和砂の液状化メカニズムを説明できる。4
地盤改良工法や液状化対策工法について、説明できる。4
N値について理解している。4
原位置試験および室内試験の内容ついて説明できる。4
サンプリングやサウンディングについて理解している。4
計画国土と地域の定義を説明できる。4
都市の持続可能性について理解している。4
西欧型の環境都市について理解している。4
全国総合開発計画・国土形成計画の変遷と系譜について理解している。4
国土計画の歴史と考え方の変遷について理解している。4
全国総合開発計画について理解している。4
国土形成計画について理解している。4
大ロンドン計画について理解している。4
地方圏と過疎地域の計画について理解している。4
諸外国の地域計画について理解している。4
近代都市計画(西欧と日本)について理解している。4
近代都市の特徴と課題について理解している。4
日本、世界における古代、中世および現代の都市計画の思想および理念と実際について、説明できる。4
都市計画法と都市計画関連法の概要について、説明できる。4
都市計画制限と開発許可について理解している。4
土地利用計画と交通計画について、説明できる。4
国勢調査などの既存のデータや人工と社会経済指標(計画フレーム)を理解している。4
総合計画とマスタープランについて、説明できる。4
人口と社会経済指標(計画フレーム)を理解し、その推計ができる。4
都市計画区域の区域区分と用途地域について理解している。4
特別な地区・区域の設定について理解している。4
用途地域の建築規制(建蔽率・容積率・用途規制)について理解している。4
都市形態(チュウネン図と田園都市)について理解している。4
同心円モデルから多核心モデルについて理解している。4
地域・都市交通計画の基本概念について説明できる。4
交通流調査(交通量調査、速度調査)、交通流動調査(パーソントリップ調査、自動車OD調査)について、説明できる。4
交通需要予測(4段階推定)について、説明できる。4
軌道と新交通システムについて理解している。4
モータリゼーションと交通計画について理解している。4
交通とエネルギー問題について説明できる。4
モビリティ・マネジメントと公共交通について理解している。4
道路網整備:道路の機能と段階構成について理解している。4
ユニバーサル・デザインについて理解している。4
高度道路交通システムについて理解している。4
緑化と環境整備(緑の基本計画)について、説明できる。4
公園緑地の種類と役割について理解している。4
緩衝緑地とグリーンベルトについて理解している。4
自然環境の保護・保全について理解している。4
風景、景観と景観要素について、説明できる。4
都市の防災構造化を説明できる。4
災害の履歴と防災計画について理解している。4
土地区画整理事業を説明できる。4
市街地開発・再開発事業を説明できる。4
都市計画道路の計画と整備について理解している。4
中心市街地活性化(再生)について理解している。4
市民参加とワークショップについて理解している。4
道路の種類と管理について理解している。4
交通流、交通量の特性、交通容量について、説明できる。4
道路構造の設計基準と路面の横断構成について理解している。4
パーソントリップ調査について理解している。4
四段階推計法について理解している。4
表層・基層の最小厚さ、路盤材料の最小厚さについて理解している。4
性能指標に関する道路構造令の概要を説明できる。4
設計速度、車線数、車線幅員の標準値を理解している。4
道路の機能と幾何構造について理解している。4
事象と現象の観測について理解している。4
ブレーン・ストーミング(ライティング)について理解している。4
計画の意義と計画学の考え方を説明できる。4
計画の目的論と目標設定を理解している。4
二項分布、ポアソン分布、正規分布(和・差の分布)、ガンベル分布、同時確率密度関数を説明できる。4
確率密度関数と確率分布関数について理解している。4
確率分布の種類と特性について説明できる。4
特性値(平均、分散、モーメント)について理解している。4
統計的点推定法(積率法、最尤法)、統計的区間推定法を理解している。4
二変数統計と相関分析について理解している。4
統計的仮説検定、確率分布の適合度の検定について理解している。4
実験計画法・分散分析について理解している。4
計算機による基本統計処理ができる。4
調査の方法と調査の企画・設計について理解している。4
全数調査と標本調査の方法について理解している。4
標本抽出法(単純無作為抽出)、層別無作為抽出法、集落抽出法について理解している。4
重回帰分析を説明できる。4
多変量解析の種類について理解している。4
判別分析、主成分分析、因子分析について理解している。4
線形計画法とその図解法について理解している。4
シンプレックス法と双対性について理解している4
時系列データの予測について理解している。4
費用便益分析について考え方を説明でき、これに関する計算ができる。4
災害の種類について説明できる。4
過去の自然災害(津波、高潮、洪水など)における被害の発生メカニズムを説明できる4
断層のメカニズム、プレートテクトニクスとの関連を説明できる。4
地震の尺度と地震動を説明できる。4
地盤の卓越周期と共振現象を説明できる。4
土砂災害の特徴を説明できる。4
地震予知の種類について説明できる。4
地震による直接被害と二次災害の特徴を説明できる。4
地盤の液状化被害を説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000