鋼構造設計演習

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 鋼構造設計演習
科目番号 0084 科目区分 専門 / コース必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設環境工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 鋼構造学、原・北原・山口・和多田、コロナ社
担当教員 根岸 嘉和

到達目標

①鋼橋設計における設計規範が正しく適用できる。
②各種鋼構造部材の耐荷性状と設計規範との脈絡について理解し、設計に役立てられる。
③鋼橋各部分に関して、性能向上を目指した設計ができる。
④鋼橋全体としての経済性を目指した設計ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1到達目標の内容を実践で理解し、応用できる。到達目標の内容を実践で理解している。到達目標の内容を実践で理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (E) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
鋼橋の設計を通じて、鋼道路橋示方書の正しい活用法と鋼橋設計手順について学び、鋼構造物設計法を習得すると共に設計理論の背景となっている薄肉構造部材の力学挙動についての理解を深める。
授業の進め方・方法:
定期試験は実施しない。
課題橋梁の設計計算書・構造図・数量計算書等の成果品の成績に、理解度確認小テストの成績を加味して総合的に評価し、100点満点で60点以上を合格とする。
注意点:
単に設計計算例の仕様に従って数値を追うだけに留まることなく、設計対象物の構成・細部構造について正しく理解し、設計計算のよりどころとなる道路橋示方書等の設計規範の意味と趣旨の理解に努め、納得ずくで設計を進める。
自学自習の確認方法:10回に分けた各設計段階で、設計計算書等を提出させる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業概要と鋼橋概説 授業の位置づけと進め方、各種鋼橋の構成・特徴
2週 格子鈑桁橋の構成・機能 プレートガーダー橋の特徴、各部の構造と機能
3週 床版の設計法1 鉄筋コンクリート床版の構成、床版厚の決定
4週 床版の設計法2 床版曲げモーメント算定、鉄筋配置決定、応力度照査
5週 主桁の設計法1 主桁の荷重分配と設計荷重算定
6週 主桁の設計法2 桁の断面力影響線、主桁の断面変化と設計断面力
7週 主桁の設計法3 プレートガーダーの耐荷性状と設計規範
8週 主桁の設計法4 プレートガーダー構成板の耐荷性状と設計規範
2ndQ
9週 主桁の設計法5 経済桁高、最小腹板厚、所要フランジ断面積
10週 主桁の設計法6 経済的主桁断面(腹板・フランジ)の設計
11週 補剛材の設計法1 水平補剛材・垂直補剛材の配置
12週 補剛材の設計法2 補剛材の断面決定、水平・端垂直補剛材の応力度照査
13週 主桁添接の設計法1 鋼構造部材の連結法、溶接と高力ボルト接合
14週 主桁添接の設計法2 高力ボルト摩擦接合によるフランジ添接の設計法
15週 主桁添接の設計法3 高力ボルト摩擦接合による腹板添接の設計法
16週
後期
3rdQ
1週 フランジ-腹板溶接の設計法 フランジ・腹板間の水平せん断力、すみ肉溶接の設計
2週 荷重分配横桁設計法1 所要格子剛度、荷重分配横桁の影響線と設計断面力
3週 荷重分配横桁設計法2 荷重分配横桁の断面決定、現場添接、補剛材の設計
4週 荷重分配横桁設計法3 荷重分配横桁の断面決定、現場添接、補剛材の設計
5週 対風構の設計法1 風荷重と地震荷重の設計荷重強度算定
6週 対風構の設計法2 風荷重と地震荷重の伝達機構と対風構の耐荷性状
7週 横綾構の設計法 横構の部材力影響線と設計荷重
8週 対傾構の設計法1 端対傾構の設計法、中間対傾構の設計上の扱い
4thQ
9週 対傾構の設計法2 端対傾構の設計法、中間対傾構の設計上の扱い
10週 対傾構の設計法3 はり-柱部材、相反応力部材の設計法
11週 沓設計法・たわみ照査法 支承部許容支持力と沓の選定、桁のたわみの照査
12週 設計図と材料表 設計図の描き方、材料表のまとめ方
13週 主桁と耐風構の設計図 主桁、横綾構、分配横桁、端・中間対傾構の構造図
14週 材料表、工費概算 鋼材体積表計算法、重量・塗装面積推計、工費概算法
15週 鋼橋設計法のまとめ 鋼橋設計法と設計規範の総括
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料の特徴・分類を説明できる。4
材料の力学的性質及び物理的性質を説明できる。4
金属材料の分類を説明できる。4
金属材料の一般的性質を説明できる。4
鉄鋼製品の用途・規格を説明できる。4
セメントの概要、種類、製造、性質について理解している。4
セメントの概要、種類、製造、性質について説明できる。4
ポルトランドセメントを理解している。4
ポルトランドセメントを説明できる。4
混合セメントを理解している。4
混合セメントを説明でき、用途を選択できる。4
骨材の製造・種類・性質について説明できる。4
混和材料(混和材、混和剤等)を理解している。4
混和材料(混和材、混和剤等)を説明でき、設計・施工時の状況によって添加剤を選択できる。4
コンクリートの長所、短所について、説明できる。4
水セメント比、スランプ、ワーカビリティ、空気量を説明できる。4
フレッシュコンクリートの性質を説明できる。4
フレッシュコンクリートの性質を理解している。4
硬化コンクリートの性質を理解している。4
硬化コンクリートの性質を説明できる。4
ひびわれを理解している。4
ひびわれを説明できる。4
耐久性を理解している。4
耐久性を説明できる。4
各種コンクリートを理解している。4
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。4
配合設計の手順を理解し、計算できる。4
製造・品質管理を説明できる。4
製造・品質管理を説明でき、各工程での管理結果を考察できる。4
施工を理解している。4
非破壊試験の基礎を説明できる。4
コンクリート構造物を構成する材料の性質を説明できる。4
鉄筋コンクリートの特徴を説明できる。4
複合材料としてのコンクリート構造を説明できる。4
一般構造細目を説明できる。4
限界状態設計法と許容応力度設計法を説明できる。4
使用限界状態を説明できる。4
コンクリート構造物の設計方法を理解している。4
コンクリート構造物の設計方法を説明できる。4
荷重の種類と構造解析を理解している。4
単鉄筋コンクリートはりを説明できる。4
複鉄筋コンクリートはりを理解している。4
曲げモーメントを受ける部材(使用限界状態)を説明でき、計算できる。4
曲げモーメントを受ける部材(終局限界状態)を説明でき、計算できる。4
T形はりを理解している。4
せん断を受ける部材を説明でき、計算できる。4
せん断応力(終局限界状態)を説明できる。4
軸力を受ける部材を説明できる。4
偏心を受ける部材を説明できる。4
柱の構造細目について説明できる。4
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。4
プレストレストコンクリートの基礎(使用限界状態・終局限界状態など)を理解している。4
プレストレストコンクリートの設計を理解している。4
コンクリート及び鋼材の劣化を説明できる。4
コンクリート構造物の維持管理の基礎を説明できる。4
コンクリート構造物の補修方法の基礎を説明できる。4
構造力の定義、単位、要素について説明できる。4
力のモーメント、偶力のモーメントについて理解している。4
力の合成と分解について理解し、計算できる。4
力のつり合いについて理解している。4
構造物の種類やその安定について理解している。4
構造物に作用する荷重の種類について理解している。4
静定構造物を支える支点や対応する反力を理解し、それらを力のつり合いより計算できる。4
断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4
はりに作用する外力としての荷重の種類を理解している。4
はりの断面力と荷重の相互関係を理解している。4
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4
はりにおける変形の基本仮定を理解し、断面力と応力(軸応力、せん断応力、曲げ応力)について説明でき、それらを計算できる。4
はりに生じる応力から、簡単なはりの設計ができる。4
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。4
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。4
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。4
ラーメンやその種類について理解している。4
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。4
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。4
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係(フックの法則、弾性係数、ポアソン比)について説明でき、それらを活用できる。4
鋼材の力学的性質について理解している。4
曲げモーメントによる断面に生じる応力(圧縮、引張)とひずみを理解し、それらを計算できる。4
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4
垂直応力とせん断応力について説明できる。4
主応力と主軸について説明できる。4
モールの応力円を利用して、構造物内部の応力状態を説明できる。4
平面応力と平面ひずみについて説明できる。4
弾性・塑性の概念について説明できる。4
はりのたわみの微分方程式を理解している。4
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4
弾性荷重法を理解し、はりのたわみやたわみ角を計算できる。4
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4
柱の細長比と座屈荷重の関係から、柱の基本的な設計を理解している。4
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念を理解している。4
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。4
仮想仕事の原理を活用して、静定・不静定構造物を解くことができる。4
カスティリアノの定理を用いた静定・不静定構造物の解法を理解している。4
カスティリアノの定理を活用して、静定・不静定構造物を解くことができる。4
最小仕事の原理を用いた不静定構造物の解法を理解している。4
最小仕事の原理を活用して、不静定構造物を解くことができる。4
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。4
応力法による不静定構造物の解法を理解している。4
応力法を活用して、不静定構造物を解くことができる。4
変位法による不静定構造物の解法を理解している。4
変位法を活用して、不静定構造物を解くことができる。4
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。4
橋の構成、分類について、説明できる。4
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。4
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。4
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。4
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。4
主桁、継ぎ手の設計を理解し、それらを計算できる。4
地球の構造を理解し、地震発生メカニズムや直下型・海溝型などの地震の種類について説明できる。4
マグニチュードについて説明できる。4
地震活動について説明できる。4
地震による構造物の被害と対策について理解している。4
防災、減災について理解している。4
耐震設計に関する基本的な考え方(震度法など)について説明できる。4
振動解析モデルについて理解している。4
1自由度系の自由振動について理解している。4
1自由度系の強制振動について理解している。4
減衰を持つ振動について理解している。4
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】距離測量について理解し、器具を使って測量できる。4
トランシット測量や角測量について理解し、器具を使って測量できる。4
トラバース測量について理解し、器具を使って測量できる。4
水準測量について理解し、器具を使って測量できる。4
平板測量について理解し、器具を使って測量できる。4
セメントの強さ試験について理解し、器具を使って実験できる。4
骨材のふるい分け試験について理解し、器具を使って実験できる。4
骨材の密度、吸水率試験について理解し、器具を使って実験できる。4
コンクリートのスランプ試験について理解し、器具を使って実験できる。4
コンクリートの空気量試験について理解し、器具を使って実験できる。4
コンクリートの強度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。4
土粒子の密度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
液性限界・塑性限界試験について理解し、器具を使って実験できる。4
粒度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
透水試験について理解し、器具を使って実験できる。4
突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。4
一面せん断試験について理解し、器具を使って実験できる。4
一軸圧縮試験について理解し、器具を使って実験できる。4
層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。4
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。4
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。4
DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。4
pHに関する実験について理解し、実験ができる。4
いくつかの分野の実験・演習・調査などについて理解し、その実験や実践ができる。4
実験・実践の結果を解析等によって考察することができる。4

評価割合

試験課題等相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合01000000100
基礎的能力01000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000