コンクリート構造工学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 コンクリート構造工学
科目番号 0088 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設環境工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 鉄筋コンクリート工学,岡村 甫,市ヶ谷出版社
担当教員 緑川 猛彦

到達目標

①コンクリートの設計用応力ひずみ曲線を導き出すことができる。
②単鉄筋矩形断面の曲げ耐力と軸方向圧縮耐力が計算ができ,相互作用図を描ける。
③任意断面の断面のせん断耐力が計算できる。単鉄筋断面の曲げ応力度が計算できる。
④鉄筋コンクリート断面のひび割れ幅が計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建設分野の基本的構造物である鉄筋コンクリート構造について,構造理論および応力解析についての基本的知識を学習し,断面力の算定・断面形状の決定・鉄筋量の計算・耐力の計算等を学ぶ。
授業の進め方・方法:
中間試験,期末試験ともに100分間の試験を実施する。
定期試験の成績を70%,自学自習課題の実施状況を30%として総合的に評価し,60点以上を合格とする。
注意点:
理論については式の誘導のような数学的手法を多用するので,面倒がらずに一つ一つ自力で学習すること。自学自習の確認方法:課題プリントを配布するので,解答後回収し確認する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 鉄筋コンクリートの概要 鉄筋コンクリートの特徴
2週 コンクリートの力学的性質 強度,応力ひずみ曲線
3週 鉄筋の力学的特性 強度,応力ひずみ曲線
4週 構造設計 限界状態設計法,許容応力度設計法,設計の手順
5週 断面の曲げ耐力(1) 単鉄筋矩形断面
6週 断面の曲げ耐力(2) 複鉄筋矩形断面,任意断面
7週 前期中間試験 100分の試験を実施する。
8週 曲げと軸方向力に対する断面の耐力(1) 軸方向圧縮力
2ndQ
9週 曲げと軸方向力に対する断面の耐力(2) 相互作用図,計算演習
10週 棒部材のせん断耐力(1) 斜めひび割れ
11週 棒部材のせん断耐力(2) せん断補強鉄筋,ウェブコンクリートの圧壊
12週 曲げ応力度(1) 単鉄筋矩形断面
13週 曲げ応力度(2) 複鉄筋矩形断面
14週 ひび割れに対する検討 許容ひび割れ,曲げひび割れ幅の算定
15週 学習したことの総括 期末試験解答用紙の返却,解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。4
鋼材の種類、形状を説明できる。4
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。4
セメントの物理的性質、化学的性質を説明できる。4
各種セメントの特徴、用途を説明できる。4
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。4
骨材の種類、特徴について、説明できる。4
混和剤と混和材の種類、特徴について、説明できる。4
コンクリートの長所、短所について、説明できる。4前1,前2
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。4前2
配合設計の手順を理解し、計算できる。4
非破壊試験の基礎を説明できる。4
フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。4
硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。4
耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。4
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。4
プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができ、使用性を検討できる。4
コンクリート構造物の維持管理の基礎を説明できる。4
コンクリート構造物の補修方法の基礎を説明できる。4
コンクリート構造の種類、特徴について、説明できる。4
コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。4
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき、断面破壊に対する安全性を検討できる。4
曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定、使用性(ひび割れ幅)を検討できる。4
せん断力を受ける部材の破壊形式を説明でき、せん断力に対する安全性を検討できる。4
構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。4
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。4
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。4
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。4
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。4
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。4
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。4
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。4
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。4
橋の構成、分類について、説明できる。4
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。4
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4前4
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。4
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。4
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】距離測量について理解し、器具を使って測量できる。4
トラバース測量について理解し、器具を使って測量できる。4
水準測量について理解し、器具を使って測量できる。4
骨材のふるい分け試験について理解し、器具を使って実験できる。4
骨材の密度、吸水率試験について理解し、器具を使って実験できる。4
コンクリートのスランプ試験について理解し、器具を使って実験できる。4
コンクリートの空気量試験について理解し、器具を使って実験できる。4
コンクリートの強度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。4
土粒子の密度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
液性限界・塑性限界試験について理解し、器具を使って実験できる。4
粒度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
透水試験について理解し、器具を使って実験できる。4
突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。4
一軸圧縮試験について理解し、器具を使って実験できる。4
層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。4
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。4
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。4
DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。4
pHに関する実験について理解し、実験ができる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000