鋼構造工学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 鋼構造工学
科目番号 0128 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建設環境工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 鋼構造学、舘石和雄、コロナ社
担当教員 根岸 嘉和

到達目標

①長柱の弾性座屈解析ができる。
②平板の座屈挙動・ねじりを受ける部材の挙動について説明ができる。
③各種鋼構造部材の耐荷性状が把握でき、設計規範との関連が説明できる。
④鋼橋設計において、設計規範を正しく適用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
構構造物の設計規範の背景となっている薄肉鋼構造部材の力学挙動を、構造解析も含めて理解し、鋼橋設計における諸規定を正しく適用できるようにする。
授業の進め方・方法:
中間、期末試験ともに100分で実施する。
定期試験の成績を70%、小テスト、レポート等の平素の成績を30%で総合的に評価し、100点満点で60点以上を合格とする。
注意点:
設計規範の適用法の習得に留まらず、規準が導かれた背景の現象を正しくイメージしながら基盤となる考え方や解析法を確実に理解する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 鋼構造工学と鋼橋・鋼部材 鋼橋の種類と特徴、鋼橋構成部材と機能
2週 鋼構造部材と設計規範 鋼構造部材の力学的分類,耐荷性状と設計規範
3週 鋼橋・鋼部材の各種設計法 鋼構造部材の力学的分類、耐荷性状と各種設計法
4週 引張材の耐荷性状と設計 引張材の耐荷性状と軸方向引張応力度の制限値
5週 圧縮材の耐荷性状と設計 圧縮材の耐荷性状と軸方向引張応力度の制限値
6週 曲げ材の耐荷性状と設計 曲げ材の耐荷性状と曲げ引張・圧縮応力度制限値
7週 前期中間試験
8週 長柱の弾性座屈解析 1 両端ヒンジ長柱の座屈(2階・4階の微分方程式)
2ndQ
9週 長柱の弾性座屈解析 2 各種支持条件の長柱の座屈解析
10週 長柱の弾性座屈解析 3 初期曲がりと偏心圧縮による座屈強度の低減
11週 長柱の非弾性座屈解析 1 残留応力を考慮した長柱の非弾性座屈強度
12週 長柱の非弾性座屈解析 2 接線係数法・換算係数法による非線形座屈解析
13週 圧縮材(柱)の設計規範 軸方向圧縮部材の軸方向圧縮応力度の制限値
14週 平板の曲げ理論 平板曲げ理論とはり曲げ理論との対応関係
15週 平板の弾性座屈解析 周辺単純支持長方形板の座屈強度と基準耐荷力
16週
後期
3rdQ
1週 各種平板の座屈強度 各種支持・荷重条件の平板の耐荷力
2週 各種平板の設計規範 各種平板の局部座屈に対する圧縮応力度の制限値
3週 補剛板の構造と耐荷性状 補剛板の耐荷性状と圧縮応力度の制限値
4週 補剛板・補剛材の設計規範 補剛板の最小板厚、補剛材の配置と必要断面性能
5週 曲げ材(鋼桁)の耐荷性状 鋼桁の耐荷性状を決定する各種要因
6週 鋼桁フランジの耐荷性状 鋼桁フランジの耐荷性状と設計規範
7週 後期中間試験
8週 鋼桁腹板の耐荷性状 鋼桁腹板の耐荷性状と補剛材
4thQ
9週 鋼桁腹板の設計規範 鋼桁腹板の座屈への対処構造と設計規範
10週 ねじりを受ける部材の解析 直線中実棒・中空棒のねじり変形と応力
11週 薄肉部材の単純ねじり解析 薄肉開断面部材・閉断面部材の単純ねじり解析
12週 薄肉部材のそりねじり解析 薄肉開断面部材・閉断面部材のそりねじり解析
13週 鋼桁のせん断流解析 鋼桁の曲げとせん断流とせん断中心・せん断遅れ
14週 鋼桁の横倒れ座屈解析 鋼桁の横倒れ座屈の支配方程式導出と解析手順
15週 曲げ材(桁)の設計規範 曲げを受ける部材の耐荷性状と設計規範
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。4
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。4
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。4
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。4
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。4
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。4
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。4
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。4
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。4
橋の構成、分類について、説明できる。4
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。4
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。4
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。4
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。4

評価割合

試験レポート等相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000