技術者倫理

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 0086 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 コミュニケーション情報学科(H31年度開講分まで) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 技術者倫理、松島隆裕、学術図書出版社;近現代の日本文化、新保哲、北樹出版
担当教員 笠井 哲

到達目標

①技術者倫理(含ビジネス倫理)の基礎を理解することができる。
②技術者倫理が必要となった、科学技術の歴史を理解することができる。
③事例に関するグループディスカッションを通して、汎用的能力に加え、倫理的判断力を身につけることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
基礎的能力技術者倫理(ビジネス倫理)の基本を理解し、自分の言葉で説明できる。技術者倫理(ビジネス倫理)の基本を理解できている。技術者倫理(ビジネス倫理)の基本を理解できていない。
専門的能力技術者倫理が必要となった、科学技術の歴史を理解し、自分の言葉で説明することができる。技術者倫理が必要となった、科学技術の歴史を理解することができる。技術者倫理が必要となった、科学技術の歴史を理解できてない。
汎用的技能グループディスカッションを通して、社会人として十分なコミュニケーションスキルを身につけることができる。グループディスカッションを通して、社会人として通用するコミュニケーションスキルを身につけることができる。グループディスカッションを通して、社会人として通用するコミュニケーションスキルを身につけていない。
態度・志向性グループディスカッションを通して、チームワーク力に加えて、主体性や責任感も身につけることができる。グループディスカッションを通して、チームワーク力を身につけることができる。グループディスカッションを通して、チームワーク力にを身につけていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
技術者倫理(ビジネス倫理)の基礎を学習する。
技術者倫理が必要となった、科学技術の歴史を理解することができる。
事例研究のグループディスカッションでは、チームワーク力やコミュニケーションスキルを高めるのはもちろん、社会人として必要な責任感や主体性を身につけ、専門職業人に必要な倫理的判断力を学習する。
授業の進め方・方法:
1年生で学習した「人文科学Ⅰ」に基づいて、科学技術の歴史と技術者倫理(含ビジネス倫理)の基礎から専門まで理解させる。
また、チームワーク力やコミュニケーションスキル、責任感や主体性を社会人に求められるレベルまで高め、現場で使える力を養うため、技術者倫理に関するグループディスカッションを実施する。
定期試験(期末のみ)を実施し、グループディスカッションやレポートと総合的に評価し、60点以上を合格とする。
ただし、再試験の受験は定められた期限内に課題を提出した者のみに認める。

さらに、論理的思考力を高めるために、課題レポートを提出させる。
定期試験(期末のみ)を実施し、グループディスカッションやレポートと総合的に評価し、60点以上を合格とする。
注意点:
グループディスカッションは、いわばロールプレイであるが、実際に自分の問題であると考え、積極的に参加すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 17世紀科学革命とは何か 科学革命と近代科学の誕生について理解できる。
2週 ベーコンとデカルト 近代哲学と近代の科学技術について理解できる。
3週 産業革命と資本主義社会 近代職業倫理と資本主義の精神について理解できる。
4週 ものづくりと職人の技 技術と技能、技術の伝来について理解できる。
5週 世界大戦と科学技術 化学兵器と原子爆弾にについて理解できる。
6週 資本主義国と発展途上国 人口の爆発、南北格差について理解できる。
7週 米ソ冷戦時代の科学技術 核とコンピュータの開発について理解できる。
8週 豊かな生活と環境への負荷 自然権思想、宇宙船地球号について理解できる。
4thQ
9週 新しい倫理の課題 ビジネス倫理と技術者倫理について理解できる。
10週 何のための科学技術か 地球生体のための科学技術について理解できる。
11週 倫理綱領ないし倫理規定 倫理綱領の内容と意義について理解できる。
12週 テクノロジーアセスメント リスクアセスメントについて理解できる。
13週 近現代日本の科学技術思想 福沢諭吉、三木清の技術哲学について理解できる。
14週 説明責任とPL法 安全性に関する法的・倫理的責任について理解できる。
15週 まとめ 14週までを踏まえ、専門職業人の使命について自覚できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。4
他者の意見を聞き合意形成することができる。4
合意形成のために会話を成立させることができる。4
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。4
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。4
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。4
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。4
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。4
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。4
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。4
法令やルールを遵守した行動をとれる。4
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。4
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。4
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。4
企業には社会的責任があることを認識している。4
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。4
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。4
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。4

評価割合

試験課題レポートグループディスカッション合計
総合評価割合701020100
基礎的能力35 035
専門的能力351045
汎用的技能001010
態度・志向性001010