技術者倫理

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 0113 科目区分 一般 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 ビジネスコミュニケーション学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 技術者倫理、松島隆裕、学術図書出版社;近現代の日本文化、新保哲、北樹出版;工学系卒論の書き方、別府俊幸・渡辺賢治、コロナ社
担当教員 笠井 哲

到達目標

①技術者倫理(含ビジネス倫理)の基礎を理解することができる。
②技術者倫理が必要となった、科学技術の歴史について理解することができる。
③事例に関するグループディスカッションを通して、汎用的能力に加え、倫理的判断力を身につけることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
基礎的能力技術者倫理(ビジネス倫理)の基本を理解し、自分の言葉で説明できる。技術者倫理(ビジネス倫理)の基本を理解できている。技術者倫理(ビジネス倫理)の基本を理解できていない。
専門的能力技術者倫理が必要となった、科学技術の歴史を理解し、自分の言葉で説明することができる。技術者倫理が必要となった、科学技術の歴史を理解することができる。技術者倫理が必要となった、科学技術の歴史を理解できてない。
汎用的技能グループディスカッションを通して、社会人として十分なコミュニケーションスキルを身につけることができる。グループディスカッションを通して、社会人として通用するコミュニケーションスキルを身につけることができる。グループディスカッションを通して、社会人として通用するコミュニケーションスキルを身につけていない。
態度・志向性グループディスカッションを通して、チームワーク力に加えて、主体性や責任感も身につけることができる。グループディスカッションを通して、チームワーク力を身につけることができる。グループディスカッションを通して、チームワーク力にを身につけていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
技術者倫理(ビジネス倫理)の基礎を学習する。
技術者倫理が必要となった、科学技術の歴史を理解することができる。
技術者倫理との関連でSDGsについて理解し、達成を目指すことができる。
事例研究のグループディスカッションでは、チームワーク力やコミュニケーションスキルを高めるのはもちろん、持続可能な社会発展の担い手に必要な責任感や主体性を高め、専門職業人に必要なSDGs達成に関する倫理的判断力を学習する。
授業の進め方・方法:
1年生で学習した「人文科学Ⅰ」に基づいて、科学技術の歴史と技術者倫理(含ビジネス倫理)の基礎から専門まで理解させる。
また、チームワーク力やコミュニケーションスキル、責任感や主体性を社会人に求められるレベルまで高め、現場で使える力を養うため、技術者倫理に関するグループディスカッションを実施する。
定期試験(期末のみ)を実施し、グループディスカッションやレポートと総合的に評価し、60点以上を合格とする。
ただし、再試験の受験は定められた期限内に課題を提出した者のみに認める。

さらに、論理的思考力を高めるために、課題レポートを提出させる。
定期試験(期末のみ)を実施し、グループディスカッションやレポートと総合的に評価し、60点以上を合格とする。
注意点:
グループディスカッションは、いわばロールプレイであるが、実際に自分の問題であると考え、積極的に参加すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 17世紀科学革命とは何か 科学革命と近代科学の誕生について理解できる。
2週 ベーコンとデカルト 近代哲学と近代の科学技術との関連について理解できる。
3週 産業革命と資本主義社会 近代職業倫理と資本主義精神との関連について理解できる。
4週 ものづくりと職人の技 技術と技能、技術の伝来について理解できる。
5週 世界大戦と科学技術 化学兵器と原子爆弾にについて理解できる。
6週 資本主義国と発展途上国 人口の爆発、南北格差について理解できる。
7週 米ソ冷戦時代の科学技術 核とコンピュータの開発について理解できる。
8週 豊かな生活と環境への負荷 自然権思想、宇宙船地球号について理解できる。
4thQ
9週 新しい倫理の課題 ビジネス倫理と技術者倫理について理解できる。
10週 何のための科学技術か SDGsと環境倫理について理解できる。
11週 倫理綱領ないし倫理規定 倫理綱領の内容と意義について理解できる。
12週 テクノロジーアセスメント リスクアセスメントについて理解できる。
13週 近現代日本の科学技術思想 福沢諭吉、三木清の技術哲学について理解できる。
14週 説明責任とPL法 安全性に関する法的・倫理的責任について理解できる。
15週 まとめ 14週までを踏まえ、SDGsの達成を目指す専門職業人の使命について自覚できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3後6
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3後5,後7,後13
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3後7,後13
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3後2
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3後8
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3後8
工学基礎技術者倫理技術者倫理説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3後14
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3後9
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3後11
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3後9
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3後12
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3後12
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3後8,後15
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後8,後15
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後15
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3後10
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3後11
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3後11
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3後11
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3後6
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3後6
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3後6,後8
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3後1,後5,後7
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3後3,後10
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3後6
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3後6
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3後6
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3後6
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3後9
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3後9
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3後9
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3後9
他者の意見を聞き合意形成することができる。3後9
合意形成のために会話を成立させることができる。3後9
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後9
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後1
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3後4
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3後9
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3後9
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後9
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3後9
基盤的資質・能力自己理解自己理解周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3後9
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後9
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後9
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後9
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後9
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3後9
法令やルールを遵守した行動をとれる。3後9,後11
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3後11
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3後12
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3後9
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3後9
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3後9
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3後9
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3後9
企業には社会的責任があることを認識している。3後9,後11
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3後11
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3後11
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3後11
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3後11
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3後11

評価割合

試験課題レポートグループディスカッション合計
総合評価割合701020100
基礎的能力350035
専門的能力3510045
汎用的技能001010
態度・志向性001010