科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 法学
科目番号 0119 科目区分 一般 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 ビジネスコミュニケーション学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 有澤知子『新・法と社会生活[第5版]』(尚学社)、古野豊秋・畑尻剛編『新・スタンダード憲法 第4版補訂版』(尚学社)
担当教員 大岩 慎太郎

到達目標

①法の基礎を理解し、社会生活の中にある法的問題について思考する能力を養う。
②雇用社会におけるルール等、ビジネスと関わる法についての知識を習得する。
③日本国憲法に関わる基礎知識を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
基礎的能力法学に関する基礎的用語を理解したうえで、適切に扱うことができる。法学に関する基礎的用語を理解している。法学に関する基礎的用語を理解できていない。
読解力法律条文を読み、その法律の制定目的を含めて条文の意味を正しく理解することができる。法律条文を読み、条文の意味を正しく理解している。法律条文を読み、条文の意味を理解できていない。
論理的思考力事実をもとに論理や考察を展開でき、結論に至る過程を文章で他者に説明できる。事実をもとに論理や考察を展開できる。事実をもとに論理や考察を展開できない。
考察力憲法上の基本原理を理解したうえで、現実に起きている問題から憲法問題を抽出し、当該問題に対する自らの意見を形成できる。憲法上の基本原理を理解したうえで、現実に起きている問題から憲法問題を抽出できる。憲法上の基本原理を理解しておらず、現実に起きている問題から憲法問題を抽出できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前期は、法学の基礎や社会生活の中での法の役割等について解説する。
後期は、日本国憲法の基礎を解説する。
授業の進め方・方法:
毎時間テーマを決め、そのテーマに関する内容をスライドおよび教科書を使いながら解説していく。
注意点:
授業中に配布されたプリント等は、必ずファイルすること。
また、課題・レポートは期限・様式などを厳守すること。
定期試験の成績を80%、課題の成績を20%として総合的に評価し、60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 法とは何か
法と常識、規範としての法、条文の読み方
法とは何かについて自分の言葉で説明できる。
2週 法と正義
法と道徳の関係
法と道徳の関係性について説明できる。
3週 法の体系
成文法と不文法、公法と私法
成文法と不文法等の法体系について理解している。
4週 法の適用と解釈
法適用のあり方と法解釈
法解釈を行うことができる。
5週 人と法的能力
権利能力、行為能力、法律行為
権利能力、行為能力を理解したうえで、制限行為能力者について説明できる。
6週 暮らしと法 Ⅰ
契約、信用と法
契約を結ぶために必要なことを説明できる。
7週 暮らしと法 Ⅱ
不動産と法
不動産売買の際に必要なもの、手続について説明できる。
8週 家庭生活と法 Ⅰ
婚姻、親子関係
婚姻、離婚の要件、親権、養子縁組等の家族に関する法律知識を説明できる。
2ndQ
9週 家庭生活と法 Ⅱ
相続と相続税
相続税を計算できる。
10週 裁判と法
裁判制度、裁判員制度
民事、刑事、行政訴訟の違いを理解し、日本の裁判制度を理解している。
11週 トラブルと法
損害賠償制度
どのような場合に損害賠償請求可能なのか、トラブルに巻き込まれた時にどのような行動をとれば良いか理解している。
12週 雇用社会と法 Ⅰ
雇用関係における最低基準
労働基準法の最低基準を理解したうえで、労働条件を精査できる。
13週 雇用社会と法 Ⅱ
就業規則と労働協約、労働組合
就業規則と労働協約の違いを理解している。労働組合の役割を説明できる。
14週 企業倫理と法
コンプライアンス
企業で問われる倫理観について法的視点から理解している。
15週 憲法とは何か 憲法とは何かということについて自らの意見を言うことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 基本的人権の原理 Ⅰ
人権の性質、人間の尊厳
基本的人権の性質、根拠について正しく理解している。
2週 基本的人権の原理 Ⅱ
人権享有主体
基本的人権の享有主体について説明できる。
3週 基本的人権の限界 Ⅰ
人権と公共の福祉
基本的人権の制約根拠としての公共の福祉の概念を理解している。
4週 基本的人権の限界 Ⅱ
特別な法律関係における人権の限界、私人間効力
在監関係や公務員関係等の特殊な制限を受ける場合について正しく理解している。私人間効力について説明できる。
5週 幸福追求権
幸福追求権から導き出される人権
幸福追求権を根拠条文とする権利について説明できる。
6週 法の下の平等 法の下の平等に関する重要判例を踏まえたうえで、どのような場合に平等原則違反になるかを理解している。
7週 内心の自由 Ⅰ
思想・良心の自由とその限界、信教の自由
信教の自由の保護領域について理解している。
8週 内心の自由 Ⅱ
信教の自由の限界、政教分離原則
信教の自由が制約される場合と政教分離原則について理解している。
4thQ
9週 表現の自由
表現の自由の意味と内容
表現の自由の保護の重要性、保護領域について説明できる。
10週 表現の自由の限界
表現の自由の限界、マス・メディアの自由
表現の自由が制約される場合について理解している。
11週 集会・結社、学問の自由 集会、集団行動、結社、学問の自由に関する判例を踏まえたうえで、それぞれについて理解している。
12週 経済的自由権
職業選択の自由、財産権の保障
精神的自由権に比して、経済的自由権の方が厳しく規制されることについて説明できる。
13週 人身の自由
奴隷的拘束からの自由、適正手続
人身の自由の保護領域を理解している。
14週 社会権、参政権
生存権、教育を受ける権利、労働基本権、選挙権・被選挙権
社会権・参政権について理解している。
15週 憲法改正 憲法改正の手続と限界について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
情報リテラシー情報リテラシー個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。4
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。4
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。4
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。4
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4
事実をもとに論理や考察を展開できる。4
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性法令やルールを遵守した行動をとれる。4
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。4
企業には社会的責任があることを認識している。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力100000010
読解力200000020
論理的思考力3010000040
考察力2010000030