電子物性工学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電子物性工学
科目番号 0040 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 産業技術システム工学専攻(エネルギーシステム工学コース) 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリントを配布(機能性材料や新機能アクチュエータに関する和文・英文文献)
担当教員 鈴木 晴彦

到達目標

①各種電気電子材料の物性を理解し,アクチュエータ材料としての実用のポイントを微視的に論議できること.
②電気電子材料のアクチュエータ材料としての応用・実用における問題点を明らかにし,その解決手法について論議できること.
③各種アクチュエータの原理を物性工学の視点から理解し機能・特性について論議できること.
④電子材料物性を応用した新機能アクチュエータに関する英文文献の概要理解と図表タイトルの作成ができること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機能性材料の機能と分類機能性材料の機能と分類について理解し、応用できる。機能性材料の機能と分類について理解している。機能性材料の機能と分類について理解していない。
導電性材料の性質導電性材料の性質について理解し、応用できる。導電性材料の性質について理解している。導電性材料の性質について理解していない。
半導性材料の特徴と応用半導性材料の特徴を理解し、応用できる。半導性材料の特徴を理解している。半導性材料の特徴を理解していない。
超伝導材料の特徴と応用超伝導材料の特徴を理解し、応用できる。超伝導材料の特徴を理解している。超伝導材料の特徴を理解していない。
強誘電性材料の特徴と応用強誘電性材料の特徴を理解し、応用できる。強誘電性材料の特徴を理解している。強誘電性材料の特徴を理解していない。
磁性材料の特徴と応用磁性材料の特徴を理解し、応用できる。磁性材料の特徴を理解している。磁性材料の特徴を理解していない。
機能性流体の特徴と応用機能性流体の特徴を理解し、応用できる。機能性流体の特徴を理解している。機能性流体の特徴を理解していない。
光感応材料の特徴と応用光感応材料の特徴を理解し、応用できる。光感応材料の特徴を理解している。光感応材料の特徴を理解していない。
英文資料の読解とタイトル,アブストラクトなどの作成英文資料の内容を理解し、図表タイトルやアブストラクトなどの作成ができる。英文資料の内容、図表タイトルやアブストラクトなどを理解している。英文資料の内容を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機能性材料としての導電性材料,半導体材料,誘電材料,磁性材料,超伝導材料の諸物性が,電気電子工学やメカトロニクスの分野でどのように応用されているかを,各種資料・文献等を用いて,講義と演習の他,グループワークや実習も取り入れて分かりやすく解説する.
授業の進め方・方法:
授業は主に講義と演習よって進めるが,グループワーク等によって和英文献の概要,および物性応用のポイントを議論する.
英文文献を活用し,電気電子機器やメカトロニクス分野の英単語や英文表現に慣れ,レポートの英文タイトルや図表の英文タイトルの作成,およびアブストラクト作成について演習する.
授業内容に関連する技術調査のレポートを作成する.
中間試験は実施しない.期末試験を100分間で実施する.
試験の成績を80%,演習や課題等の総点を20%として総合的に評価し,60点以上を合格とする.
注意点:
アクチュエータに利用される各種材料の基礎物性と応用を理解する必要がある。新素材の機能を理解するため,結晶構造や材料作成等の知識も併せて学習する必要がある。和文・英文文献の読解も積極的に行う.
自学自習の確認方法:授業項目ごとに課題を与えるので,内容をまとめレポートとして提出する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 機能性材料 機能性材料の分類とその応用について説明できる.
2週 導電性材料 金属の抵抗率と温度依存性,磁気抵抗効果などについて微視的な解説ができる.
3週 半導性材料 半導体の導電機構,p-n接合について説明できる.
4週 半導性デバイス スイッチング素子,半導体メモリ,半導体レーザなど,応用デバイスについて説明できる.
5週 超伝導特性 ゼロ抵抗,マイスナー効果,TcとHc,Jcと磁束のピン留め効果など,基礎特性について説明できる.
6週 超伝導材料 金属系・酸化物系超伝導体,MgB2超電導体,Fe系超伝導体など,歴史的背景や材料開発のポイントについて説明できる.
7週 超伝導応用 非接触磁気支持,強磁場発生,バルクマグネットなど,応用機器の原理と特徴について説明できる.
8週 強誘電体の諸物性 自発分極とキュリー温度,分極反転,強誘電体の分域構造,圧電性・焦電性などの諸物性について説明できる.
4thQ
9週 強誘電性材料 BTベース強誘電セラミックス,強誘電薄膜,Pbフリー強誘電材料などの材料開発のポイントについて説明できる.
10週 強誘電体の応用 圧電アクチュエータ,静電アクチュエータなど,強誘電性のアクチュエータへの応用原理と特徴について説明できる.
11週 磁性材料 磁性材料の分類と特徴,軟質・硬質磁性材料,磁性流体などについて説明できる.
12週 磁性材料の応用 永久磁石材料,磁気記録媒体,磁歪アクチュエータなど,実用化の原理と特徴について説明できる.
13週 機能性流体と応用 ERF(電気粘性流体),MRF(磁気粘性流体),磁性流体などの特徴と応用原理について説明できる.
14週 光感応材料と応用 光熱効果,光圧電効果,光アクチュエータなどの特性や特徴について説明できる.
15週 電子物性工学のまとめ 機能性材料と応用についてまとめる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000