現代社会

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 現代社会
科目番号 0008 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 国際創造工学科 共通1年 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『公共』実教出版
担当教員 田村 歩

到達目標

広い視野に立って、現代の社会について主体的に考察させ、理解を深めさせるとともに、人間としての在り方生き方についての自覚を育て、民主的、平和的な国家・社会の有為な形成者として必要な公民としての資質を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
政治的分野民主政治の基本的原理、日本国憲法の成り立ちやその特性について自らの理解を述べることができる。民主政治の基本的原理、日本国憲法の成り立ちやその特性について正しく解できる。民主政治の基本的原理、日本国憲法の成り立ちやその特性について正しく理解できない。
経済的分野資本主義経済の特質や財政・金融などの機能、経済面での政府の役割について自らの理解を述べることができる。資本主義経済の特質や財政・金融などの機能、経済面での政府の役割について正しく理解できる。資本主義経済の特質や財政・金融などの機能、経済面での政府の役割について正しく理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
広い視野に立って、民主主義の本質に関する理解を深めさせ、現代における政治、経済、国際関係などについて客観的に理解させるとともに、それらに関する諸課題について主体的に考察させ、公正な判断力を養い、良識ある公民として必要な能力と態度を育てる。
授業の進め方・方法:
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1部 公共の扉
 第1章 社会を作る私たち
社会に参画する自立した主体とは,孤立して生きるのではなく,地域社会などの様々な集団の一員として生き,他者との協働により当事者として国家・社会などの公共的な空間を作る存在であることについて多面的・多角的に考察し,表現する。
2週  第2章 人間としてよく生きる 人間は,個人として相互に尊重されるべき存在であるとともに,対話を通して互いの様々な立場を理解し高め合うことのできる社会的な存在であること,伝統や文化,先人の取組や知恵に触れたりすることなどを通して,自らの価値観を形成するとともに他者の価値観を尊重することができるようになる存在であることについて理解する。
3週  第3章 他者とともに生きる 倫理的価値の判断において,行為の結果である個人や社会全体の幸福を重視する考え方と,行為の動機となる公正などの義務を重視する考え方などを活用し,自らも他者も共に納得できる解決方法を見いだすことに向け,思考実験など概念的な枠組みを用いて考察する活動を通して,人間としての在り方生き方を多面的・多角的に考察し,表現する。
4週  第4章 民主社会の倫理 各人の意見や利害を公平・公正に調整することなどを通して,人間の尊厳と平等,協働の利益と社会の安定性の確保を共に図ることが,公共的な空間を作る上で必要であることについて理解する。
5週  第5章 民主国家における基本原理1~2 民主政治の誕生と発展、法の支配の考え方について正しく理解する。
6週  第5章 民主国家における基本原理3~4 議院内閣制・大統領制をはじめとする各国の政治制度について理解し、民主政治の意義と課題について正しい知見を得る。
7週 前期中間試験
8週 試験答案の返却と解説
2ndQ
9週 第2部 よりよい社会の形成に参加する私たち
 1 現代の民主政治と日本国憲法
  第1章 日本国憲法の基本的性格1~2
日本国憲法の成立の経過、日本国憲法の基本原理について正しく理解する。
10週   第1章 日本国憲法の基本的性格3~7 自由権、平等権、社会権、新しい人権、公共の福祉について正しく理解する。
11週   第1章 日本国憲法の基本的性格8~9 日本の安全保障政策の展開と課題について正しく理解する。
12週   第2章 日本の政治機構と政治参加1~2 国会の役割と権限、内閣の権限と議院内閣制について正しく理解する。
13週   第2章 日本の政治機構と政治参加3~4 司法制度のあり方や司法参加の意義、地方自治の本旨と住民の権利について正しく理解する。
14週   第2章 日本の政治機構と政治参加5~7 日本の政党政治の特徴と課題、日本の選挙制度の特徴と課題、マス・メディアや市民運動の意義について正しく理解する。
15週 前期期末試験
16週 試験答案の返却と解説
後期
3rdQ
1週  2 現代の経済社会と国民生活
  第1章 現代の経済社会1~4
経済的な効率性と公平性の対立関係について考える。
政府の規模を念頭にして,経済的な課題への対応を考える。
需給曲線を通して市場メカニズムを考える。
市場の効率性と公平性はどのように調整されるべきか考える。
2週   第1章 現代の経済社会5~7 企業の役割と社会的責任について考える。
NIから三面等価の原則について考える。
経済成長と私たちの豊かな生活について考える。
3週   第1章 現代の経済社会8~11 金融を通した経済活動の活性化について考える。
様々な金融商品を活用した資産運用に伴うリスクとリターンなどについて考える。
財政の持つ様々な役割について考える。
納税者としての立場から租税の在り方について考える。
4週   第2章 日本経済の特質と国民生活1~3 歴史的な事象が日本経済に与えた影響を,統計資料を基に考える。
人口減少社会と格差・貧困が経済に与える影響を考える。
経済の二重構造、社会とのかかわりに着目して,これからの中小企業の姿を考える。
5週   第2章 日本経済の特質と国民生活4~6 コメの生産と輸入との関係、農業の自由化を背景として改革が進められている農政について考える。
典型的な悪質商法などの手口を学んでその対応策を考え、消費者行政の内容を知り,契約の権利と責任の関係を考える。
経済成長と公害問題との関係を考え、循環型社会の実現に向けての法制度の整備のほか,私たち消費者の行動について考える。
6週   第2章 日本経済の特質と国民生活7~10 労働法の整備状況や,職場の人権保障について考える。
日本的雇用形態の変化や,ワーク・ライフ・バランスについて考える。
日本の社会保障制度のしくみについて、諸外国の制度との比較も含めて考えるとともに、少子高齢化が進行する中で、財源と対象を検討する。
7週 後期中間試験
8週 試験答案の返却と解説
4thQ
9週  3 国際社会と人類の課題
  第1章 国際政治の動向と課題1~3
国際政治や国際法について、国内政治や国内法との比較で考え、二度の世界大戦が国際法と国際政治に与えた影響について考える。
国際連合の主要機関や専門機関の働きを学び、とくに安保理改革を材料に考える。
冷戦の終結後の対立構造の変容から,国際社会の力学の変化を学び、大国の動向や,国家対国家の枠組みに収まらない対立構造について考える。
10週   第1章 国際政治の動向と課題4~6 民族をめぐる対立について、ナショナリズムや自民族中心主義との関係から考える。
冷戦による対立構造と安全保障のジレンマを確認し、核兵器禁止条約の採択に向けた動きを参考にして考える。
戦後の日本外交について、とくにアジア諸地域の信頼回復の経緯を確認し、日本が国際社会で果たすべき役割について人間の安全保障の観点から考える。
11週   第2章 国際経済の動向と課題1~3 国際貿易について、絶対優位と比較優位を区別して比較生産費説から考える。
貿易収支の数値から一国の貿易の動向を確認する。
外国為替市場における需要と供給の関係を確認し、具体的な事例を基にして為替相場の動向が経済に与える影響を考える。
国際経済体制の歴史的な経過を確認し、ドーハラウンドにおける先進国と途上国の対立や,二国間交渉への傾倒などから今日の課題を考える。
12週   第2章 国際経済の動向と課題4~6 地域的経済統合の締結について各地域の状況を確認し、多角主義の原則から二国間協定への流れ,さらにメガFTAの挑戦といった日本の対応を確認する。
グローバル化について、ヒト・モノ・カネが自由に移動した結果,世界はこれまで以上に緊密化したことを確認するとともに、金融危機などの影響もグローバル化し,富の偏在も世界規模に拡大したことを確認する。
資源ナショナリズムや新国際経済秩序樹立に関する宣言などを通して考えるとともに、ODAからSDGsにつらなる先進国から途上国への援助と開発の過程について確認する。
13週 第3部 持続可能な社会づくりの主体となる私たち1 地域の創造,よりよい国家・社会の構築及び平和で安定した国際社会の形成へ主体的に参画し,共に生きる社会を築くという観点から課題を見いだし,その課題の解決に向けて事実を基に協働して考察,構想し,妥当性や効果,実現可能性などを指標にして,論拠を基に自分の考えを説明,論述する。
14週 第3部 持続可能な社会づくりの主体となる私たち2 個人を起点として,自立,協働の観点から,多様性を尊重し,合意形成や社会参画を視野に入れながら探究し、社会的な見方・考え方を総合的に働かせ,現実社会の諸課題を探究する。
15週 後期期末試験
16週 試験答案の返却と解説

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力100100
専門的能力00
分野横断的能力00