化学通論Ⅰ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学通論Ⅰ
科目番号 0008 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 国際創造工学科 機械・制御系(機械コース) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書/特に指定なし
担当教員 入澤 啓太

到達目標

1.原子の電子配置を考えられるようになること。
2.無機化合物の構造、結合、性質について、その基本的な考え方が理解できるようになること。
3.濃度計算など定量分析のデータから結果を求める計算ができるようになること。
4.溶液内無機化学反応の化学反応式が書けるようになること。
5.金属イオンの化学的性質をきちんと理解して系統的分離ができるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子の電子配置をしっかりと理解できている原子の電子配置を理解できている原子の電子配置を理解できていない
評価項目2無機化合物の構造、結合、性質の基本的な考え方がしっかりと理解できている無機化合物の構造、結合、性質の基本的な考え方が理解できている無機化合物の構造、結合、性質の基本的な考え方が理解できていない
評価項目3濃度計算など定量分析のデータから結果を求める計算がしっかりできている濃度計算など定量分析のデータから結果を求める計算ができている濃度計算など定量分析のデータから結果を求める計算ができていない
評価項目4溶液内無機化学反応の化学反応式がしっかりと書けている溶液内無機化学反応の化学反応式が書けている溶液内無機化学反応の化学反応式が書けていない
評価項目5金属イオンの化学的性質をきちんと理解して系統的分離がしっかりと理解できている金属イオンの化学的性質をきちんと理解して系統的分離が理解できている金属イオンの化学的性質をきちんと理解して系統的分離が理解できていない
評価項目6溶液の濃度計算がきちんとできる溶液の濃度計算ができる溶液の濃度計算ができない
評価項目7酸・塩基について理解し、中和滴定の計算がきちんとできる酸・塩基について理解し、中和滴定の計算ができる酸・塩基について理解し、中和滴定の計算ができない
評価項目8酸化還元滴定法について理解し、それを用いた計算がきちんとできる酸化還元滴定法について理解し、それを用いた計算ができる酸化還元滴定法について理解し、それを用いた計算できない
評価項目9沈殿の生成と溶解度積の計算がきちんとできる沈殿の生成と溶解度積の計算ができる沈殿の生成と溶解度積の計算ができない
評価項目10金属イオンの定性分析がきちんと理解できる金属イオンの定性分析が理解できる金属イオンの定性分析が理解できない
評価項目11沈殿重量分析法がきちんと理解できる沈殿重量分析法が理解できる沈殿重量分析法が理解できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 元素について、その原子の中に存在する電子の数とエネルギー状態から考えられるように解説する。そして、その元素からなる無機化合物の構造、結合状態、性質について基本的考え方を解説する。さらに、酸・塩基中和滴定法や酸化還元滴定法などに基づく定量分析法と金属イオンの系統的な分離分析に基づく定性分析法を学び、物質中の物質の確認法や、どのくらい含まれるかの量的分析の計算方法について解説する。
授業の進め方・方法:
 授業は資料を配付してパワーポイントを用いて進め、理解を深めてもらう。必要に応じて課題を課し、評価に加えるので必ず提出すること。
注意点:
 化学通論Ⅰは通年で行う科目であるが、前期は主に無機化学を学び、後期は前期に理解した内容をもとに分析化学の分野を学び、その総合評価で合否が判定される。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.無機化合物の名称 基本的な無機化合物の化学式,体系名
2週 2.原子構造と周期律 
(1)元素と原子
原子の構造,原子と元素の違い
3週 (2)元素の電子配置 電子のエネルギー準位,原子の電子配置
4週 (3)電子雲の方向性 
(4)量子数の種類
電子雲の形,量子数の種類,フントの法則,パウリの原理
5週 (5)元素の周期律 周期表にもとづく元素の分類
6週 (6)典型元素と遷移元 
総まとめ演習Ⅰ
典型元素と遷移元素の特徴,演習を通してこれまで学習した内容の理解度を深める
7週 (中間試験)
8週 3.元素の一般的性質 
(1)イオン化エネルギー 
(2)電子親和力 
(3)電気陰性度
イオン化エネルギーとその周期表の傾向,イオン化エネルギーと電子親和力の違い,電気陰性度とその周期律表での傾向
2ndQ
9週 4.化学結合  
(1)化学結合の種類  
(2)イオン結合
化学結合の種類とその強さ ,イオン結合とイオン結晶
10週 (3)共有結合 共有結合とイオン結合の違い ,混成軌道と構造,配位結合
11週 (4)水素結合,分子間力 水素結合と分子間力
12週 (5)金属結合 金属結合について代表的な金属の結晶構造
13週 (6)化学結合の比較 化学結合による結晶の性質の違いを理解する
14週 総まとめ演習Ⅱ 演習を通してこれまで学習した内容の理解度を深める
15週 (期末試験)
16週 総復習 前期分の総復習を行う
後期
3rdQ
1週 5.酸と塩基  
(1)酸と塩基の定義 
(2)酸と塩基の反応
アーレニウスの定義,ブレンステッドの定義,ルイスの定義,電子対の受容と供与,いろいろな酸・塩基反応について
2週 6.酸化数と酸化・還元  
(1)酸化数 
(2)酸化数と酸化・還元
各化合物やイオンにおける原子の酸化数,酸化・還元反応,酸化剤・還元剤
3週 7.溶液の濃度とその計算 モル濃度,%濃度など濃度計算方法について
4週 8.弱酸・弱塩基の電離平衡と酸・塩基とpH 酸と塩基の化学平衡と電離定数を用いた計算方法,溶液の酸性・塩基性について・溶液のpHの計算方法
5週 9.中和滴定法についておよび中和滴定の実際と計算 中和反応の本質と滴定という分析法について,中和滴定の実際の方法・実験結果からの計算方法
6週 総まとめ演習Ⅲ 演習を通してこれまで学習した内容の理解度を深める
7週 (中間試験)
8週 10.酸化と還元について,酸化還元反応と反応式 酸化・還元反応と電子のやりとり・酸化数の概念について,電子のやりとりに基づく酸化還元反応式が書けるようにする
4thQ
9週 11.酸化還元滴定法についておよび滴定法の実際とその計算 酸化還元反応を利用した分析法について,酸化還元滴定の諸方法について・実験結果からの計算方法
10週 12.沈殿の生成と溶解度積の計算 溶解度・溶解度積を使って計算ができるようにする
11週 13.金属イオンの定性分析 (属分離) 金属イオンの難溶性塩を利用した定性方法を理解する
12週 14.金属イオンの定性分析 第1属から第6属の金属イオンの性質についての定性方法を理解する
13週 15.沈殿重量分析法について 重量を測定して物質量を測定する定量分析法につい て
14週 総まとめ演習Ⅳ 演習を通してこれまで学習した内容の理解度を深める
15週 (期末試験)
16週 総復習 後期分の総復習を行う

評価割合

試験課題・小テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000