化学通論Ⅰ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 化学通論Ⅰ
科目番号 0020 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 国際創造工学科 機械・制御系(機械コース) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 鹿野 弘二

到達目標

1.原子の電子配置を考えられるようになること。
2.無機化合物の構造、結合、性質について、その基本的な考え方が理解できるようになること。
3.濃度計算など定量分析のデータから結果を求める計算ができるようになること。
4.溶液内無機化学反応の化学反応式が書けるようになること。
5.金属イオンの化学的性質をきちんと理解して系統的分離ができるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
原子の電子配置をしっかりと理解できている原子の電子配置を理解できている原子の電子配置を理解できていない
無機化合物の構造、結合、性質の基本的な考え方がしっかりと理解できている無機化合物の構造、結合、性質の基本的な考え方が理解できている無機化合物の構造、結合、性質の基本的な考え方が理解できていない
濃度計算など定量分析のデータから結果を求める計算がしっかりできている濃度計算など定量分析のデータから結果を求める計算ができている濃度計算など定量分析のデータから結果を求める計算ができていない
溶液内無機化学反応の化学反応式がしっかりと書けている溶液内無機化学反応の化学反応式が書けている溶液内無機化学反応の化学反応式が書けていない
金属イオンの化学的性質をきちんと理解して系統的分離がしっかりと理解できている金属イオンの化学的性質をきちんと理解して系統的分離が理解できている金属イオンの化学的性質をきちんと理解して系統的分離が理解できていない
溶液の濃度計算がきちんとできる溶液の濃度計算ができる溶液の濃度計算ができない
酸・塩基について理解し、中和滴定の計算がきちんとできる酸・塩基について理解し、中和滴定の計算ができる酸・塩基について理解し、中和滴定の計算ができない
酸化還元滴定法について理解し、それを用いた計算がきちんとできる酸化還元滴定法について理解し、それを用いた計算ができる酸化還元滴定法について理解し、それを用いた計算できない
沈殿の生成と溶解度積の計算がきちんとできる沈殿の生成と溶解度積の計算ができる沈殿の生成と溶解度積の計算ができない
金属イオンの定性分析がきちんと理解できる金属イオンの定性分析が理解できる金属イオンの定性分析が理解できない
沈殿重量分析法がきちんと理解できる沈殿重量分析法が理解できる沈殿重量分析法が理解できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 元素について、その原子の中に存在する電子の数とエネルギー状態から考えられるように解説する。そして、その元素からなる無機化合物の構造、結合状態、性質について基本的考え方を解説する。
 さらに、酸・塩基中和滴定法や酸化還元滴定法などに基づく定量分析法と金属イオンの系統的な分離分析に基づく定性分析法を学び、物質中の物質の確認法や、どのくらい含まれるかの量的分析の計算方法について解説する。
授業の進め方・方法:
 授業は主に黒板による板書で行っていく。また必要に応じて、パワーポイントを用いたり、資料を配付してその理解を深めてもらう。
注意点:
 化学通論Ⅰは通年で行う科目であるが、前期は主に無機化学を学び、後期は前期に理解した内容をもとに分析化学の分野を学び、その総合評価で合否が判定される。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.無機化合物の名称 基本的な無機化合物の化学式、体系名
2週 2.原子構造と周期律 
(1)元素と原子
(2)元素の電子配置①
原子の構造、原子と元素の違い
電子のエネルギー準位
3週 (3)元素の電子配置②
(4)電子雲の方向性
原子の電子配置
電子雲の形
4週 (5)量子数の種類
(6)元素の周期律
量子数の種類、フントの法則、パウリの原理
周期表にもとづく元素の分類
5週 (7)典型元素と遷移元素
3.元素の一般的性質
(1)イオン化エネルギー
典型元素と遷移元素の特徴
イオン化エネルギーとその周期表の傾向 
6週 (2)電子親和力
(3)電気陰性度②
イオン化エネルギーと電子親和力の違い
電気陰性度とその周期律表での傾向
7週 (中間試験)
8週 4.化学結合
(1)化学結合の種類
(2)イオン結合
化学結合の種類とその強さ
イオン結合とイオン結晶
2ndQ
9週 (3)共有結合 共有結合とイオン結合の違い
混成軌道と構造、配位結合
10週 (4)金属結合
(5)水素結合、分子間力
金属結合について
代表的な金属の結晶構造
水素結合と分子間力
11週 5.酸と塩基
(1)酸と塩基の定義①
アーレニウスの定義、ブレンステッドの定義
ルイスの定義、電子対の受容と供与
12週 (2)酸と塩基の反応 いろいろな酸・塩基反応について
13週 6.酸化数と酸化・還元
(1)酸化数
各化合物やイオンにおける原子の酸化数
14週 (2)酸化数と酸化・還元 酸化・還元反応、酸化剤・還元剤
15週 (期末試験)
16週 総復習 前期分の総復習を行う
後期
3rdQ
1週 溶液の濃度とその計算 モル濃度、%濃度など濃度計算方法について
2週 弱酸・弱塩基の電離平衡 酸と塩基の化学平衡と電離定数を用いた計算方法
3週 酸・塩基とpH 溶液の酸性・塩基性について・溶液のpHの計算方法
4週 中和滴定法について 中和反応の本質と滴定という分析法について
5週 中和滴定の実際と計算 中和滴定の実際の方法・実験結果からの計算方法
6週 酸化と還元について 酸化・還元反応と電子のやりとり・酸化数の概念について
7週 (中間試験)
8週 酸化還元反応と反応式 電子のやりとりに基づく酸化還元反応式が書けるようにする
4thQ
9週 酸化還元滴定法について 酸化還元反応を利用した分析法について
10週 酸化還元滴定法の実際とその計算 酸化還元滴定の諸方法について・実験結果からの計算方法
11週 沈殿の生成と溶解度積の計算 溶解度・溶解度積を使って計算ができるようにする
12週 金属イオンの定性分析 各イオンの性質についての定性方法を理解する
13週 金属イオンの定性分析 各イオンの性質についての定性方法を理解する
14週 沈殿重量分析法について 重量を測定して物質量を測定する定量分析法に方法について
15週 (期末試験)
16週 総復習 後期分の総復習を行う

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000