化学通論Ⅱ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 化学通論Ⅱ
科目番号 0033 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 国際創造工学科 機械・制御系(機械コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:特に指定しない 参考書:物理化学の基礎 P.W.ATKINS,M.J.Clugston著、千原秀昭・稲葉章訳、東京化学同人
担当教員 鹿野 弘二,江川 泰暢

到達目標

1.描かれた有機化合物の構造式を見れば、化合物の三次元的な構造がわかるようにする。
2.基礎的な有機反応を有機電子論に立脚し、電子の巻き矢印を用い反応機構を示せるようにする。
3.分子軌道論の概略を習得する。
4.温度や圧力あるいは濃度による物性の変化を理解し、その変化を定量的に扱えるようにする。
5.化学平衡について理解し、気体反応についても平衡計算ができるようにする。
6.反応速度が温度や濃度によりどのような影響を受けるかを理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1未知の有機化合物でも構造式を見れば三次元的な構造がわかる。講義で習った化合物について、構造式を見れば三次元的な構造がわかる。左記ができない。
評価項目2特定の官能基を有する有機化合物の性質を説明することができる。特定の官能基を有する有機化合物の性質を選択肢から選ぶことができる。特定の官能基を有する有機化合物の性質を選択肢から選ぶことができない。
評価項目3反応スキームを見れば、電子の巻き矢印を用いて反応機構をかける。講義で扱った反応であれば、電子の巻き矢印を用いて反応機構をかける。左記ができない。
評価項目4理想気体の方程式において、圧力 、体積の単位を気体定数にあわせて正しく計算できる。 理想気体の方程式において、圧力 、体積の単位を気体定数にあわせなければならないことを理解して いるが、単位の換算が正しくでき ない。想気体の方程式において、圧力 、体積の単位を気体定数にあわせ なければならないことを理解して いない。
評価項目5理想気体と実在気体の違いを正確に説明できる。理想気体と実在気体の違いを説明できる。左記ができない。
評価項目6混合気体の分圧の計算が正確にできる。混合気体の分圧の計算ができる。左記ができない。
評価項目7平衡の記述(質量作用の法則)を正確に説明できる。平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。左記ができない。
評価項目8反応速度の定義を理解して正確に説明できる。反応速度の定義を理解して説明できる。左記ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 前期は有機化学における有機化学物の構造、表記方法、官能基の持つ性質、有機電子論に立脚した有機反応、反応機構などを学ぶ。
 後期は物理化学における気体や液体の性質を定量的な扱い、化学反応に関わる物質の量的変化、さらに、化学反応速度の定義、式の誘導、反応機構との関係等を学ぶ。
授業の進め方・方法:
 前期(有機化学分野)は板書とプリントを併用し進める。
 後期(物理化学分野)は資料を配付してパワーポイントを用いて進める。
注意点:
 化学通論Ⅱは通年で行う科目であるが、前期は有機化学の分野を、後期は物理化学の分野を学び、その総合評価で合否が判定される。
 必要に応じて課題を課し、評価に加えるので必ず提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・有機化学について 有機化学の全体像について説明できる。
2週 結合と構造式(1) 結合の成り立ち、単結合、多重結合の特徴について説明できる。
3週 結合と構造式(2) ルイス構造式、ケクレ構造式で有機化合物を表記することができる。
4週 構造と立体化学(1) 混成軌道とその構造的特徴について説明できる。
5週 構造と立体化学(2) 構造式をもとにして構造式から化合物の3次元的把握ができる。
6週 飽和炭化水素 アルカンのNEWMAN投影式が書ける
7週 (中間試験)
8週 不飽和炭化水素(1) 不飽和炭化水素の性質について説明できる。
2ndQ
9週 不飽和炭化水素(2) アルケン、アルカンへの付加反応について説明できる。
10週 カルボニル化合物(1) 代表的なカルボニル化合物の性質について説明できる。
11週 カルボニル化合物(2) カルボニル基の持つ反応性について説明できる。
12週 カルボニル化合物(3) カルボニル基への求核付加反応について、反応機構と生成物の構造が書ける。
13週 芳香族化合物(1) 芳香族性について説明できる。
14週 芳香族化合物(2) 求電子置換反応について、置換基による配向が説明できる。
15週 (期末試験)
16週 総復習 前期分の総復習を行う
後期
3rdQ
1週 Boyle-Charlesの法則 Boyle-Charlesの法則
2週 状態方程式 気体定数、理想気体の状態方程式
3週 演習Ⅰ 演習問題によりこれまで学習した内容の理解を深める
4週 混合気体 分圧と全圧
5週 Raoultの法則 蒸気圧降下、モル沸点上昇
6週 演習Ⅱ 演習問題によりこれまで学習した内容の理解を深める
7週 (中間試験)
8週 化学平衡 可逆反応と不可逆反応、化学平衡の概念、質量作用の法則
4thQ
9週 平衡定数 濃度平衡定数、圧平衡定数
10週 Le Chatelierの原理 濃度変化や圧変化による平衡への影響、温度変化による平衡への影響
11週 演習Ⅲ 演習問題によりこれまで学習した内容の理解を深める
12週 反応速度とは 反応速度の定義、反応速度に影響する因子(濃度、温度、触媒など)、反応速度の濃度依存性、反応速度定数や反応次数の意味
13週 1次反応、2次反応 微分型速度式、積分型速度式
14週 演習Ⅳ 演習問題によりこれまで学習した内容の理解を深める
15週 (期末試験)
16週 総復習 後期分の総復習を行う

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000